抗がん剤の影響で「生理がなくなるかも」 “ある決断”をした36歳女性が映画『生理ちゃん』に言いたいこと

抗がん剤の影響で「生理がなくなるかも」 “ある決断”をした36歳女性が映画『生理ちゃん』に言いたいこと

物語の中心となる青子は、働き女子の代弁者的存在。 ©吉本興業 ©小山健/KADOKAWA

 人気Web漫画『 生理ちゃん 』が 実写映画化 されました( 単行本 はKADOKAWAから発売中)。女の月のもの=月経を擬人化(!)した『生理ちゃん』は、現代女子たちが日々どんな気持ちで生理を迎え、生活の中で折り合いをつけているかがリアルに綴られています。

 映画は、ワーカホリックな編集者の青子(二階堂ふみ)、彼女の働く会社で清掃員をしているフリーターのりほ(伊藤沙莉)、青子の妹で受験生のひかる(松風理咲)という3人の女性の群像劇になっていて、原作ではなんのつながりもなかった3つのエピソードがうまいことアレンジされていました。

*編集部注……この記事はネタバレを含みます。

 映画の中心を担う青子は、シングルファーザーの久保と恋愛中。彼からのプロポーズを機に、久保の子供で思春期真っ最中のかりんと距離を詰めようとするものの、「あんたらは毎日セックスしてんの?」と挑発的な態度を取られて玉砕。

 難しい恋愛に悩む中、仕事ではパワハラ上司と頼りない後輩に振り回され、公私ともにヘロヘロ……。でもそんなことはお構いなしに、“生理ちゃん”は毎月、青子のもとにもやってくる。

 そんな仕事と結婚というアラサー女子ならば誰もが一度はぶち当たる問題と、日常の生理の憂鬱を鮮やかに紹介した冒頭。試写室にいた女性たちの目は「だよね」「わかるわ」と慈愛に満ち、仏のような顔になっていました。

 ちなみに作者の小山健さんは男性で、映画版の監督と脚本を担当したのも男性です。

■35歳で大腸がん 抗がん剤の影響で「生理がなくなるかも」

 腹にグーパンかましてくるやつ。腰にのしかかってくるやつ。眠り薬を仕込んでくるやつ――“生理ちゃん”のタイプは人によって本当に千差万別です。

 私の“生理ちゃん”は慎ましい人でした。悪さをしでかすこともほぼなく、あっさりしたタイプで付き合いやすかったです。……と過去形になっていますが、私は生理ちゃんと先月さようならしました。

 そもそも昨年35歳で大腸がんが発覚した自分は、先日までしていた抗がん剤の影響で「生理がなくなるかも」と言われていました。

 がんになっただけでもショックなのに、生理までなくなるんかい!

 弱り目に祟り目とはこのことでかなり動揺しましたが、それはつまり、「妊娠できなくなるかもしれない」ことと同義だったからにほかなりません。

 焦って受精卵を凍結し、生理との永遠の別れを覚悟して抗がん剤治療を開始……したのですが、私の慎ましい生理ちゃんは治療中も休まず、毎月わたしのもとにやってきました。

 生理になってこんなに嬉しかったのは、後にも先にもこれっきりだと思います

■がん発覚から1年 「ミレーナ」を導入した理由

 そうして生理滅亡の危機を味わった私でしたが、がん発覚から1年になろうとする先月、「子宮内黄体ホルモン放出システム」こと「ミレーナ」を導入しました。今月の生理がきていないのは、このミレーナの作用です(※すべての人に月経がなくなるわけではなく、個人差があります)。

 知り合いの方がミレーナ経験者で、「めっちゃいいよ!」とすすめられて初めて知ったこのシステムは、ピルと避妊リングのいいとこ取りをした「子宮内器具」のこと。

 生理トラブルを軽減してくれるピルの治療薬的メリットと、入れっぱなしでOKという避妊リングの楽ちんさを兼ね備え、最長5年間、その効果が持続します。

 そして保険適用ならば1万円ほどですむので、ピルに比べても格段に安い。適用外だと約4〜5万円のようですが、年間1万円で5年間、生理の憂鬱やナプキンから解放されるなら、その価値はあるのではないでしょうか。

 せっかく滅亡の危機を免れ、再開した生理とさよならしたのは、やっぱり今の自分には必要がないなと思ったからです。

 というのもがんの再発リスクがあるため、病気発覚から5年間は妊娠してはいけないのです。となれば子宮に妊娠の準備をさせる必要もなく、妊娠しなかった結果報告である生理は、やっぱり今の自分には必要なかったのでした。

■そんな状況で観た映画『生理ちゃん』で感じたこと

 そんな状況で観た映画『生理ちゃん』で感じたのは、月並みになりますが、女性は本当に身体を大切にしてほしいな〜ということです。

 映画の中でも腹が痛いのに猛ダッシュで仕事先を駆け回ったり、眠気をこらえてデスクワークに励む姿が描かれていました。

 あと大好きなシーンでもあるのですが、自分のしんどさを忘れて彼氏の連れ子のためにキャラ弁をこさえたり、デートのためにホコリをかぶっていた化粧品を引っ張り出したりと、往々にして女性はかいがいしく、誰かの喜ぶ顔を考えると、どこまでも没頭してしまう。目頭熱くなるいじらしいシーンなのですが、特に公私にわたってフルスロットルな青子には、「頼むからもう休んでくれ」と声をかけたくなりました。

 そもそも「痛い生理」というのは、婦人科に行くべしというサインです。毎月毎月パンチしてくるような生理ちゃんは、「もしかしてなにか伝えたいことがある?」と考えたほうが良いと思います。

 自分の生理は慎ましい方だったと書きましたが、今思えば寝食を忘れて働いていたサラリーマン時代は、生理が2カ月こないなんてざら。慎ましいというか、もはや沈黙されていた時期がかなりありました。

 当たり前ですが、こんなのももちろんNGです。生理のあるみなさんには、ぜひ自分の生理ちゃんとコミュニケーションを密にとってほしいと思います。 

(小泉 なつみ)

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