「自分の想像をはるかに超えていた」ロッテ佐々木朗希を井口資仁監督はどう見たか

「自分の想像をはるかに超えていた」ロッテ佐々木朗希を井口資仁監督はどう見たか

井口監督 ©梶原紀章

 夢は正夢だった。井口資仁監督は昨年、ある夢を見た。翌日に控えたプロ野球ドラフト会議の夢。見事に意中の選手を引き当て、ガッツポーズをする。そして目が覚めた。あまり夢を見るタイプではないというがその夢だけは鮮明でハッキリと脳裏に残った。迎えた2019年10月17日のドラフト会議。千葉ロッテマリーンズは令和の怪物を4球団競合の末、クジで引き当てた。それはまさに正夢。夢と同じような状況、場面だった。

■恋焦がれた若者の初のブルペン入り

「夢で見た時にこれは吉兆だなと思った。だから、外れることなんて想像もしていなかった。引き当てるとしか思っていなかったね。夢を見ていたせいだと思うけど、不思議な自信が自分の中には確かにあった」

 井口資仁監督は嬉しそうに、あの日の事を振り返る。前日には現役時代から初詣などで頻繁に訪れている地元の神社に足を運び、手を合わせ、令和の怪物 佐々木朗希投手との縁を願った。そしてその夜に夢を見た。ハッキリと思い出せるほど鮮明な夢。風が吹いていた。あとはクジが入っている箱に手を入れ、その中から1枚を手にするだけ。当たりの印を目にすると思わず、右手でガッツポーズをした。

 そんな恋焦がれ夢にまで見た若者の初のブルペン入りは2月13日、石垣島だった。キャンプ打ち上げの日まで大事に調整し、この日を迎えた。聖なる場所は静寂に包まれていた。その中心で指揮官は固唾を飲んで見守った。キャンプ中はそれまであえて距離を置いていた。ブルペン入りする日に、初めてどのような球を投げるかを見定める。そう決めていた。

 25球の立ち投げ。それでも才能の奥深さに触れることが出来た。どこまでも伸びていきそうなストレート。それはドラフト前に見た映像そのものだった。球速こそ計測はしていなかったものの150キロは越えているとブルペンにいた関係者は口をそろえた。マリーンズのエースになるのはもちろん、日本のエース。球界の至宝であることを僅か5分の投球で十分に見せつけられた。だから普段は冷静沈着な指揮官は珍しく会見で興奮したようにまくし立てた。

■「焦らせることはしたくない」

「今年ブルペンで見た中で既にナンバー1ではないですか。自分の想像をはるかに超えていた。自分はダルビッシュとも大谷翔平とも対戦経験があるが、まったく違うタイプだと思う。とにかくスピン量が凄い。スピンが利いていて捕手のミットに突き刺さるような投球をしていた」と唸った。

 佐々木朗希は今後も丁寧に育てていく。当面、一軍遠征に帯同しながら立ちながらのブルペン入りを続ける。念には念を入れ、慎重にタイミングを見計らって捕手を座らせる。その後、打撃投手登板、シート打撃登板、二軍戦登板とステップを踏んでいくつもりだ。そして一軍デビューはもちろんホーム、ZOZOマリンスタジアムと決めている。ただ、その日まで焦らない。急がせない。予定を早めない。周囲がなんと言おうと球界の至宝と信じるだけに、あくまで慎重に丁寧にプロセスを踏ませるつもりだ。

「彼には夢がある。大きな夢だと思う。その目標のために今、急がせても仕方がない。自分も早く投げている姿を見てみたい。でも、焦らせることはしたくない。一つ一つ丁寧にみんなで育てていきたい」と井口監督。

 夢にまで見た若者と縁が繋がり、今を迎えている。見定める目標、理想像は2人の中で共通認識としてある。次はその夢の実現のための道を作り、しっかりと導いてあげることが使命となる。井口監督の暖かい想いに包まれながら、令和の怪物は、ゆっくりと目を覚ます。

梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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(梶原 紀章)

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