“超個性派俳優”加藤諒が語る「なぜ、こんなにブレイクできたのか?」

“超個性派俳優”加藤諒が語る「なぜ、こんなにブレイクできたのか?」

(c)松本輝一/文藝春秋

オネエキャラを持ち味に、ドラマ、バラエティで圧倒的な存在感を発揮する俳優・加藤諒さん。子役時代、仕事ない時代を経ての“ブレイク”はなぜ起きたのか? てれびのスキマさんがじっくり聞きました。(全3回、 #1 、 #2 よりつづく)

■『今夜くらべてみました』で急に仕事がきはじめた

―― 加藤さんは2015年に『アウト×デラックス』に出て、大きな話題になりました。“ブレイク”のきっかけはここにあるのかなと思いますが、この出演はどういう経緯だったんですか? 

加藤 『アウト×デラックス』は当時、亀高(美智子)さんがプロデューサーをやられていたんです。その亀高さんが企画した『ワオ』というコント番組を、GENERATIONSの(白濱)亜嵐くんと(関口)メンディーくんと一緒にやらせていただいてたんですけど、その時から僕は『アウト×デラックス』がすごい好きだったんです。それで、『ワオ』は『アウト×デラックス』チームで作っているというのを知って、「超好きで」という話をしたら、「出そうだよね」みたいにずっと言われてたんですね。でも、やっぱり役者さんだからっていう感じで、ちょっと呼びづらかったっていうのはたぶんあったと思うんです。そんな中、僕が『今夜くらべてみました』に出て、キャラが話題になったんですよね。あれから急に仕事が来るようになった。それで「あ、出すなら今だ」って『アウト』側が思ったのか分からないですけど、それで呼んでくださって。

―― 念願の『アウト』。

加藤 はい。しかも自分が大好きなアウト集団の皆さんがいたので、もうヤバかったですね。超緊張してました。

―― アウト軍団で一番好きな方は誰なんですか?

加藤 ひふみん(加藤一二三)です! あと山下(恵司)くんとか柿沼(しのぶ)さんも好きです。レギュラー番組になる前の、深夜のスペシャル番組時代からずっと見てたんですよ!

■子役時代、小池栄子さんに放置プレイされた

―― 『アウト』出演を経て、2016年には朝ドラ(『とと姉ちゃん』)、大河ドラマ(『真田丸』)両方に出演されました。

加藤 そうなんですよ。あの年、すごかったですねえ。大河はめっちゃ緊張しました。初めての大河だったので、所作とか言葉遣いとか、ガクブルでしたね。しかも大泉洋さんとか目の前にいらしたりとかして、「うわ〜、超緊張する」みたいな。しかも僕の出番はリハーサルが台風で飛んじゃって、ぶっつけ本番。余計緊張ですよ。

―― 朝ドラは出てみてどうでした?

加藤 すごくい素敵な現場だなって思いました。セットとかも作り込まれてて、お芝居に関しても妥協がない。「ここはトラが獲物を狙うようにグルグル回ってほしい」とか、そういう指示があったりして、すごい面白かったです。

―― 子役時代も『こころ』に出られてますよね。

加藤 その時もめっちゃ緊張してましたね。今思うとガクブルするようなキャスティングの中に入れていただけたなって。小池栄子さんに可愛がられました(笑)。「ダンス得意なんでしょ。じゃあ踊って」みたいな。「そこで踊ってて」って、僕、小池さんがメイクしてる間ずっと踊ってなきゃならないんです(笑)。で、「じゃあ、私、取材受けなきゃならないから。帰ってくるまでずっと踊っててよ!」って。

―― 放置プレイ(笑)。 

加藤 「絶対だからね」って(笑)。

■クドカンさんに「ファッション童貞野郎」って

―― テレビドラマでは野木亜紀子さんや三谷幸喜さん、宮藤官九郎さんと、錚々たる脚本家の作品に出演されていますね。 

加藤 クドカンさんの『ゆとりですがなにか』はガッツリ当て書きでしたね。最初はなんでこの役が僕なんだろうっていう役だったんですけど、最後のほうに、「ファッション童貞野郎」みたいなあだ名がつけられる設定になっていて、世間が見てる僕の印象をガッツリ書いてくださってるなと。野木さんは『主に泣いてます』ですね。原作愛にあふれた感じで、かつ言葉のテンポが良くて、何と言うんだろう、口当たりがいいセリフで楽しかったですね。

―― 三谷さんはどうですか?

加藤 『真田丸』も『風雲児たち』も時代劇だったので現代劇の脚本とは違うと思うんですけど、僕に対してこういうイメージがあるのかな、っていうのはすごい伝わってきました。キャスティングしてくださった役を見ると、優しそうで、おっとりとしてるというか、憎めない感じの役でした。

―― 時代劇の所作は独特ですが、ダンスで鍛えた動きが役に立ったりはしませんか?

加藤 動きって全て、ダンスに通ずるものがあるのかなとは思います。5歳からやってきたダンスなので、色んなことに結び付けながら考えるのは心掛けるようにしてますね。

―― 演技の中にはそういう動きって重要だと思われます?

加藤 大事ですね。今やってる『ギャングース』っていう作品はホントに“ながら芝居”が多いので、動きも気にしつつセリフもしゃべらないといけない。そういうのもやっぱりダンスやってて良かったなとは思いますね。

■外見ですごい得してるなってことは、思いますよ

―― お話を聞いていると、やはり転機の年は2015年〜2016年になるんでしょうか?

加藤 そうですね。15年の『今くら』あたりで急にお仕事がコンスタントに来るようになったっていう感じはありますからね。

―― 何が良かったから、仕事が舞い込み始めたんだと思いますか? 

加藤 何だろう……? でも、やっぱりダンスがでかかったのかなとは思いますね。いろんなところに行ってもやっぱりダンスを求められるので。今呼んでいただいてる作品とか、バラエティーじゃないところでも、踊ってほしいって言われて、台本には踊るって書いてないのに踊ったりしてます(笑)。

―― キャラクターについてはどうですか?  

加藤 外見ですごい得してるなってことは、思いますよ。イケメンの子たちっていっぱいいるけど、こういう顔はもう僕しかいないと思いますので。両親に感謝です。

―― 髪型とかってご自身で決めているんですか? 

加藤 『クレイジーハニー』っていう舞台作品に出演させていただいた時に、アーチ形の前髪、キノコヘアみたいな髪型で出たんですけど、それから定着しましたね。

―― 眉毛も絶対剃らない。

加藤 そうですね。眉毛全然剃ってないですね。『あっぱれ』の時からさんまさんにもイジっていただいてた個性、というか武器ですね。だからやっぱり大事ですね。あとは、オネエじゃないのにちょっとオネエっぽいっていうのは、得してるなって思いますね。

■『パタリロ』座長というプレッシャー

―― 男らしい役とか、あるいは中性的な役とか――今回の『パタリロ!』もまさにそうだと思うんですけれども色々な役を演じる中で何か迷われることってありますか? 

加藤 役者さんは「役が全然抜けないんですよ」みたいなことがよくあるじゃないですか。でも、僕っていつも役のほうを自分に近づけちゃうみたいなところがあるんです。『パタリロ!』は特にそうです。魔夜(峰央)先生から「もう自分に近づけちゃえばいいじゃん」というお言葉を頂きました。逆に今『ギャングース』っていう映画の撮影もしているんですけど、こちらは男らしく話したりしてます。自分の中では結構新たな挑戦ですね。

―― 舞台『パタリロ!』は今回で2回目になりますが、1回目、座長としてやってみてどうでしたか? 

加藤 やっぱり最初は座長っていう言葉にすごいプレッシャーを感じてたんですけど、この座組って(小林)顕作さんを筆頭にみんなで作り上げていくっていう感じだったんです。だから、座長にならなきゃっていうよりも、周りの人たちが僕を座長として盛り上げてくださったという感覚がすごいあったので、気負わずスーッと真ん中に立たせていただきました。

―― お客さんの反応は?

加藤 『ビバ!花とゆめ』っていう曲があって、その中に白泉社のいろんな漫画のタイトルとかが出るんですけど、「ワ〜!」みたいな感じですごい拍手が起きたりするのを見ると、原作ファンの方が喜んでくれてるっていうのを実感して、すごいうれしかったですね。

■『しゃべくり』に出たくて、自分で投稿

―― 今、自分が出てない番組も含めて、好きな番組とかってありますか? 

加藤 『ポプテピピック』っていうアニメは見てますね。『ポプテピピック』、『ラーメン大好き小泉さん』は押さえてます。あと、撮りたまってるのが、『宇宙よりも遠い場所』っていうアニメ。今ちょっと自分の中でアニメが来てて。それはすごい見てますね。

―― ドラマはどうですか?

加藤 今ちゃんと見れてないなー。あ、でも、『陸王』に超ハマって! めっちゃよかったー、『陸王』。ホント続編やってほしいです。

―― アニメ、ドラマ以外では?

加藤 『アナザースカイ』がずっと好きなんですよ。自分も出たい! この間見てたら、お友達の波瑠ちゃんが出てて、「うわ〜、いいなぁ」って。

―― 『アナザースカイ』だとどこに行きたいとかあるんですか?

加藤 僕、ニューヨークが好きで。高1の時もニューヨークに行って、大学1年生の時も行ったんですけど、もうずっと行けてないんですよね。静岡のダンススタジオの先輩が今ニューヨークでダンスカンパニーに所属してて、僕がニューヨークに行くための素材はあると思うんですよ(笑)。プロデューサーさんにも直訴しに行ったんですけど。

―― 積極的!

加藤 実は、『しゃべくり007』もそういうところがあって。『しゃべくり007』のホームページに誰に出てほしいかっていうリクエストを視聴者から募集する場所があって、仕事がない時期に自分で、「加藤諒。見た目とのギャップのあるキレキレダンスを踊れます」って書いて送ってたんです。1回じゃなくて何日かに分けて。

―― 知能犯(笑)。

加藤 あと、『行列のできる法律相談所』とかにも投稿したりしてましたね。何とか仕事がないかって思って。

■28歳になりました。ヨロシク!

―― そういえば今日(2月13日)、加藤さんお誕生日ですよね? おめでとうございます!

加藤 ありがとうございます。ちょうど『パタリロ!』の顔合わせの日に28歳になりました。

(演出の小林顕作さんが登場)

顕作 矢沢永吉の『成りあがり』。これ、超ヤバいから、名作! ホント、20代のうちに読んでおくと超ためになるから、あげるよ。Happy Birthday To You!

加藤 わあ!

顕作 最高なんで。読み終わった後、口がこういうふうになる。

加藤 ヤダ〜。

―― あははは(笑)

顕作 20ページぐらい読んだだけで様子おかしくなるから。

加藤 ヤバ〜い(笑) 

顕作 これ、矢沢永吉が28の時に書いてるの。今日、28になったんでしょ。

加藤 エッ! 矢沢さんが28の時に書いてるの? じゃあ、このソウルを受け継ぎます!

顕作 読んで、様子がおかしくなったらいいと思う(笑)。じゃあ、ヨロシク!

加藤 もー、最高。

#1 『あっぱれさんま大先生』出身・加藤諒が語る“生き残る”ということ
http://bunshun.jp/articles/-/6322

#2 元子役・加藤諒が振り返る「仕事なかった時代」
http://bunshun.jp/articles/-/6323

写真=松本輝一/文藝春秋

かとう・りょう/1990年、静岡県生まれ。『あっぱれさんま大先生』では「くるみちゃん」のキャラクターで人気者になった。多摩美術大学で野田秀樹の授業を受け、「NODA MAP」作品『ザ・キャラクター』で初舞台。ドラマ出演作品に『主に泣いてます』『とと姉ちゃん』『真田丸』『ゆとりですがなにか』など多数。3月15日より舞台『パタリロ スターダスト計画』に主演。 https://www.nelke.co.jp/stage/patalliro2018/

(てれびのスキマ)

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