【カンヌ初受賞&オスカーノミネート】アントニオ・バンデラスが世界的映画監督に 「ペイン・アンド・グローリー」を採点!

【カンヌ初受賞&オスカーノミネート】アントニオ・バンデラスが世界的映画監督に 「ペイン・アンド・グローリー」を採点!

©El Deseo

■〈あらすじ〉

世界的映画監督のサルバドール(アントニオ・バンデラス)は4年前に母を亡くし、マドリードに一人で暮らす。脊椎の痛みに気力を奪われ、引退同然の生活を送る中で、幼少期の母(ペネロペ・クルス)との記憶を頻繁に回想するようになる。32年前の監督作の上映依頼を機に、その作品で仲違いした主演俳優アルベルトと和解する。アルベルトがサルバドールの自伝的な脚本『中毒』を一人芝居で上演したことにより、登場人物である昔の恋人と再会したサルバドールは、かつての愛に恥じないために、監督としての再起を決意する。

■〈解説〉

ペドロ・アルモドバルの『ジュリエッタ』に続く監督・脚本作。自伝的な要素を織り交ぜた人間ドラマ。第72回カンヌ国際映画祭で主演男優賞受賞。113分。

中野翠(コラムニスト)

★★★★☆生と死そして性。そんな根源的テーマを明快な色彩で過不足なく描く。母と映画への愛。アクが抜けたかのような洗練度。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★★☆錬金術師アルモドバルが、沈着で優雅な語り部の側面を見せる。苦痛の薄皮を一枚ずつ剥ぎ、心身の再生を静かに描く。

斎藤綾子(作家)

★★★★☆ラストの一場面がメイキングのようでも許せる、毒が浄化され喪失感が美しい。画廊みたいな部屋のインテリアも印象的。

森直人(映画評論家)

★★★★☆愛の追憶と深いメランコリー。この監督の魂と肉に刻まれた幾重の物語が歌われる。傷口からも熟した甘み薫る自己表出。

洞口依子(女優)

★★★★☆老化と回顧について見事体現するバンデラス。ペネロペの花柄ワンピースに洗濯板と盥。アルモドバル的色遣いも肅々と。

INFORMATION

『ペイン・アンド・グローリー』(スペイン)
6月19日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー
https://pain-and-glory.jp/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年6月25日号)

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