20年ぶりの初恋相手が……「ホテルの一室」で起こる不思議なラブストーリー 「今宵、212号室で」を採点!

20年ぶりの初恋相手が……「ホテルの一室」で起こる不思議なラブストーリー 「今宵、212号室で」を採点!

今宵、212号室て? ©Les Films Pelleas/Bidibul Productions/Scope Pictures/France 2 Cinema

■〈あらすじ〉

大学教授のマリア(キアラ・マストロヤンニ)は、結婚して20年になる夫のリシャール(バンジャマン・ビオレ)と、パリに2人で暮らしている。夫に内緒で浮気を繰り返していたが、ついにばれてしまい、怒った夫と距離を置くために、アパルトマンの向かいに建つホテルの212号室に宿泊する。うたた寝から目覚めると、20年前の姿をした夫(ヴァンサン・ラコスト)に続き、夫の初恋相手のイレーヌ(カミーユ・コッタン)やマリアの浮気相手たちが、かつての容貌のまま出現する。彼らとの不思議なやりとりにより、マリアとリシャールは自分たちの人生の選択を振り返り始める。

■〈解説〉

ホテルで繰り広げられるファンタスティックなラブストーリー。キアラ・マストロヤンニが第72回カンヌ国際映画祭ある視点部門最優秀演技賞を受賞。『ソーリー・エンジェル』のクリストフ・オノレ監督作。87分。

中野翠(コラムニスト)

★★★★☆ホテルの一室に限定された奇想の物語。窮屈さを感じさせぬ工夫あり。アムールへの執着。悪態と喫煙。さすがフランス?!

芝山幹郎(翻訳家)

★★☆☆☆『クリスマス・キャロル』やルビッチ映画など、いろいろと眼くばせしているが、野暮で浅薄。コメディを尊敬してほしい。

斎藤綾子(作家)

★★★★☆肌も露わな50歳目前のキアラの美貌に目が眩んだ。老いに抵抗する同世代なら、艶めく思い出に耽りつつ楽しめるかも。

森直人(映画評論家)

★★★★☆設問を破壊する回答が連鎖するにぎやかな内省。結婚を巡る思考実験のようなラブコメ。これが日本でウケたら面白いな。

洞口依子(女優)

★★★☆☆さりげない着こなし、脱いで尚カメラに映える存在は血筋か。キアラ・マストロヤンニという女優。諦めない女を学ぶ。

INFORMATION

『今宵、212号室で』(フランス、ルクセンブルク、ベルギー)
Bunkamuraル・シネマ、シネマカリテ他全国順次公開中
http://www.bitters.co.jp/koyoi212/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年7月2日号)

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