テラハ出演・田中優衣さんに聞いた「テレビに映る田中さんは“ありのまま”でしたか?」

テラハ出演・田中優衣さんに聞いた「テレビに映る田中さんは“ありのまま”でしたか?」

前シリーズ「OPENING NEW DOORS (2017–2018)」に出演し田中優衣さん

“テラハ史上No.1天使”田中優衣さんが明かす「誹謗中傷の嵐の中にいた地獄の日々」 から続く

 恋愛リアリティ番組『テラスハウス』に出演していたプロレスラーの木村花さんが5月23日、自宅マンションで亡くなっているのが見つかった。22歳だった。木村さんは放送の中での“コスチューム事件”をきっかけに誹謗中傷の嵐に晒されたという。

 この木村花さんの死去を受けて、SNSを中心に「リアリティ番組のありかた」として「制作側の演出」など、様々な問題も指摘されてきたが、私たち視聴者は「リアリティ番組」とどう向き合っていくべきなのか――。

 前シリーズ「OPENING NEW DOORS (2017?2018)」に出演した田中優衣さんに、出演当時を振り返ってお話を伺った。

(全2回の2回目/ #1 から続く)

◆◆◆

――田中さんがテラスハウスに入居されたのは何かきっかけがあったんですか?

田中 ずっと地元の軽井沢で暮らしてきて、遊ぶ友達もいつも一緒でなかなか新しい出会いがなかったんです。自由な学生でいられる時間も残りわずかという時にちょうど『テラスハウス』のことを知って、「これだ」と申し込みました。

――「テラスハウス史上No.1天使」とも言われていましたが、そもそもテレビに出演して、自分の生活をさらけだすということについて不安はありませんでしたか?

田中 もちろんありました。でもそれ以上に他人と一緒に生活できるのか? という不安が大きかったです。そのせいでなかなか積極的に喋れなくて「テラスハウス史上No.1天使」だなんて……本当に恥ずかしかったです。

■何気ない言動から過熱していった批判の裏で

――ただ放送を追うごとに田中さんの言動に、視聴者が過剰に反応するようになります( #1 を参照)。

田中 はっきりしているわけではありませんが、一緒にテラスハウスで暮らしていた小瀬田麻由さんに対する私の態度に否定的なコメントが来るようになりました。彼女が卒業するときに一言を求められて、私が何気なく言った「別にない」もその1つです。でも卒業前日まで私は荷造りも手伝っていたし、何より卒業してからも数回ご飯に行くぐらい仲良くさせてもらっていたんです。

――そうなんですか!? 動画サイトで公開されている別の動画タイトルには“ギクシャクする……”とも書かれていて、当時一連の放送を見ていた視聴者は「この2人は仲が悪い」という認識だったと思います。

田中 そうなりますよね。本当に直前まで麻由さんとはずっと喋っていたので、「別にもうないな〜」というその気持ちのまま、言っただけのことでした。だから、番組側の演出とかでもないんです。ただ、その中で少しだけ「同じ話をするのは……」とカメラで撮られていることを意識したのも事実です。

リアリティ番組で「ありのまま生活すること」はできますか?

――「カメラを意識する」という点で、振り返っていただきたいのが “靴下事件”。最初は同居人同士の些細なすれ違いだったのが、女性同居者の1人(谷川利沙子さん)が男性同居者(福田愛大さん)に“テラスハウス内での筋書きを提案した”という疑惑へ発展していきます。田中さんは、恋愛リアリティ番組の『テラスハウス』でありのまま生活することが可能だと思いますか?

田中 『テラスハウス』に出演するなかで、話題とかテレビに映ることを意識しないのは無理だと思います。正直、スタッフからの指示がなくても「これは面白いかな……?」と自分で考えすぎてしまうことは多々ありました。実は、『テラスハウス』を見たことがなかったんですが、入居してすぐに過去のシリーズを見返して、どんな話をメンバーとすればいいのかを勉強していたこともあります(笑)。

 だけど、メンバーとご飯を作ったり、映画を見たり、お話ししたり、同じ家で一緒に暮らして普通の生活をしていたことは間違いないんです。そこは嘘とかではなくて、本当に暮らしていた日々があるので。

■「山里さんが番組を盛り上げようとしてくれていたのもすごく分かる」

――『テラスハウス』にはスタジオの受けもありますよね。YOUさん、トリンドル玲奈さん、徳井義実さん、山里亮太さん、馬場園梓さん、葉山奨之さんというメンバーです。田中さんの言動について、山里さんが「ダークヒロイン」と言ったり……。

田中 スタジオでの山里さんのコメントに私がショックを受けている姿も放送されていましたね……。皆さん「お仕事でやっている」という前提で見てはいたんですけど、途中からスタジオの部分を飛ばして見るようにしていました。最後の方はもうオンエアを見ることもやめました。だからどういう風に終わってるか今も知らない。靴下事件もSNSのコメントとかで大体わかるんですけど、オンエアは見てないんですよね。悪いことは言われても良いことを言われないだろうなって。

 でも、山里さんが番組を盛り上げようとしてくれていたのもすごく分かるんです。今は、スタジオの皆さんが誹謗中傷を受けていないか……すごく心配です。

■生活の24時間すべてではなくて、切り取られた一部分を見ている

――視聴者もスタジオの受けも善悪をつけやすい印象的な事件や揉め事にコメントをしやすい傾向があると思います。まさに「どっちが正しいのか?」というような。

田中 そうだと思います。でもだからと言って、他人同士が同じ家で暮らしていて全く揉め事がないっていうのもおかしいかなって思います。たとえそれが出演者を守ることだとしてもリアリティ番組と言っている時点で、「揉め事は放送しない」というのもどこか違っていて。20歳そこそこの男女が何かで意見が食い違っても当事者同士で話し合うことで解決できるはずなんです。

 それを第三者がああでもない、こうでもないと思うのも分かるんですが、わざわざ本人のSNSにまで行って「これは違うだろ!」とまで言う必要はないと思います。ただ番組を番組として楽しんでほしい。生活24時間のすべてではなくて、切り取られた一部分を見ているということを知ってほしいんです。

■テレビに映る田中さんは「本来の自分のまま」でしたか?

――『テラスハウス』に出演したことを後悔していますか?

田中 『テラスハウス』に出演して、軽井沢でそのまま大学4年生を過ごしていたら出会えなかったであろう人たちに出会うことができました。みんな、本当に素敵な人ばかりです。今でも集まって一緒に遊んだり、ご飯を食べたり仲良くさせてもらってるんです。だから、後悔は全くしていません。

――最後に、田中さんはテレビの中でも「本来の自分のまま」でしたか?

田中 『テラスハウス』に映る自分は「こんな人、友達になりたくないな」って思ったくらい嫌な人でした。でも今、こうしてお話をしている私は、少し人見知りだけど、人と話すのが好きで、楽しいことをしていたいと思う普通の人間です。天使でもないです。

写真=深野未季/文藝春秋

(「文春オンライン」編集部)

関連記事(外部サイト)