親に捨てられ、白人至上主義グループの幹部となった男はいかにして“転向”を果たしたのか 「SKIN/スキン」を採点!

親に捨てられ、白人至上主義グループの幹部となった男はいかにして“転向”を果たしたのか 「SKIN/スキン」を採点!

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■〈あらすじ〉

10代で親に捨てられ、白人至上主義者グループを主宰する夫婦に育てられたブライオン(ジェイミー・ベル)は、差別的なメッセージを込めたタトゥーを全身に刻み、組織の幹部を務めている。3人の娘を育てるシングルマザーのジュリー(ダニエル・マクドナルド)との出会いを機に、グループを抜けて彼女たちと新たな人生を歩み出そうとするが、組織の脅迫や暴力が行く手を阻む。反ヘイト団体のサポートを通じて、ブライオンは裕福な女性から資金提供を受け、全25回、16カ月に及ぶタトゥーの除去手術に挑む。

■〈解説〉

イスラエル出身のガイ・ナティーヴ監督の米国での初長編作品。米国の人種差別グループの共同創設者の、転向の軌跡を実写化した社会派ドラマ。2018年トロント国際映画祭で国際映画批評家連盟賞受賞。118分。

中野翠(コラムニスト)

★★★☆☆ある種の苦痛と苛立ちを持って観た。差別や偏見の心理的みなもとを気づかせてくれる教育映画としては有効だろうが。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★★☆「人種問題」と「組織からの足抜け」という二重底は定番だが、気合が伝わる。タトゥーは破れない牢獄か。静かな場面が光る。

斎藤綾子(作家)

★★★★☆実話の恐ろしさと洗脳の凄まじさに震えあがった。大切な人を愛して生きる人生の幸せはシンプル。それに気づく物語。

森直人(映画評論家)

★★★★☆育ちと差別主義の密接。タトゥー除去の痛みが加害側から抜ける困難を示す。『アメリカン・ヒストリーX』も再見したい。

洞口依子(女優)

★★★☆☆ジェイミーの説得力ある演技。タトゥーを「消す」場面から伝わる「痛み」。米国の苦痛、人の受容についても考える。

『SKIN/スキン』(米)
新宿シネマカリテ、ホワイト シネクイント、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開中
http://skin-2020.com/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年7月9日号)

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