富裕層の妻たちのマウンティング合戦はまるで“経済ホラー”? 「グッド・ワイフ」を採点!

富裕層の妻たちのマウンティング合戦はまるで“経済ホラー”? 「グッド・ワイフ」を採点!

© D.R. ESTEBAN CORP S.A. DE C.V. , MEXICO 2018

■〈あらすじ〉

1982年、メキシコシティ。実業家のフェルナンド(フラビオ・メディナ)の妻ソフィア(イルセ・サラス)は、高級住宅地の豪邸で、3人の子どもと満ち足りた日々を送っていた。家事や育児は使用人たちに任せ、ショッピングやエステ、会員制スポーツクラブでテニスを楽しみ、セレブ妻のコミュニティで女王として君臨していた。ところが、メキシコに到来した経済危機が、フェルナンドの会社を直撃する。ソフィアは表面上は平静を保っていたが、その窮状を察知した友人たちは、羽振りのいい証券会社社長の夫をもつアナ・パウラに擦り寄り始める。

■〈解説〉

富裕層の妻たちのマウンティング合戦を描き、2019年メキシコ・アカデミー賞で主演女優賞など4部門を受賞。アレハンドラ・マルケス・アベヤ監督の長編第2作。100分。

中野翠(コラムニスト)

★★☆☆☆女同士のマウンティングをコミカルに描いたものかと思いきや、終盤、一気に生臭い話に。感情移入のしどころ、ナシ。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★☆☆ペソが紙屑と化した時代のメキシコ富裕層を描いて興味深いが、やや歯がゆい。濁りと黒い笑いと暴走感が欲しかった。

斎藤綾子(作家)

★★★☆☆容姿端麗な妻は秀でた男のトロフィーという勝ち組の自意識を描く。他者の財布を当てにして生きる強さと脆さに溜息。

森直人(映画評論家)

★★★★☆アレン的に言うと『ブルージャスミン』の前日談。夫人に忍び寄る没落の足音に冷や汗の戦慄が込められ、経済ホラーの趣。

洞口依子(女優)

★★★☆☆メキシコのブルジョワジーの悪徳。セレブ主婦の一員の気分になる滑らかなカメラ。スウィートだがほろ苦さも欲しい。

『グッド・ワイフ』(メキシコ)
7月10日(金)より、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー
http://goodwife-movie.com/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年7月16日号)

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