広末涼子40歳 早稲田大に初登校「異例の囲み会見」から「出席ゼロ、5年生で退学」するまで

広末涼子40歳 早稲田大に初登校「異例の囲み会見」から「出席ゼロ、5年生で退学」するまで

©文藝春秋

 7月18日、40歳の誕生日を迎えた女優の広末涼子。1999年、広末は早稲田大学教育学部国語国文学科に自己推薦入試で合格したが、入学式を含め、欠席が続いていた。同年6月の初登校を一目見ようと学生や報道陣ら1000人以上の人だかりができ、キャンパスは騒然したという。

 異例の囲み会見では「クラスのみんなは普通でした」「授業を受けられてすごいうれしかったです」「後期はちゃんと(授業に)出れるようにします」と語ったものの、2003年10月、「女優としてお芝居を続けていきたいという思いと夢を大切にしていきたい」という本人のコメントとともに、5年生で自主退学を発表した。

 教育ジャーナリストの小林哲夫さんが上梓した『 女子学生はどう闘ってきたのか 』(サイゾー)から、大学在学中や退学・卒業後に、女優の道を歩む人たちのエピソードを紹介する。(全2回の1回目/ #2 に続く)

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■早稲田大で成績優秀だった吉永小百合

 早稲田大の吉永小百合は1957年にラジオドラマ出演で芸能界デビューしている。都立駒場高校、精華学園女子高校で学ぶが、芸能活動が多忙で中退し、大学入学検定試験を経て、1965年に大学へ入学した。日活の専属俳優として年10本以上出演することもあった。その一方、大学では馬術部に属していた。吉永は留年することなく1969年に卒業する。しかも成績優秀で「次席」として表彰された。それほど出席が厳しくない時代とはいえ、並大抵の努力ではない。卒論は「アイスキュロスの『縛られたプロメテウス』におけるアテネの民主制について」。

 早稲田大は演劇活動が盛んであり、女優を輩出している。室井滋は1960年生まれ。1980年代、早稲田大のシネマ研究会で自主映画を作っていた。1981年、村上春樹原作の映画『風の歌を聴け』で映画デビューを果たした。中井貴恵は佐田啓二の長女、2世俳優であり、映画『女王蜂』にいきなりヒロインとしてデビューした。令嬢役だったが、中井は田園調布雙葉高校出身であり、お嬢さまの雰囲気を十分にかもし出していたと当時、評されており、新人映画賞を受賞している。

■ほとんど出席しないまま退学した広末涼子

 1999年、広末涼子が自己推薦制度で入学したが、ほとんど出席しないまま退学した。広末はメディアからバッシングされてしまう。

■「早大3年 いまや全く大学に姿を見せていない」

 たとえば、「早大3年 広末涼子『出席ゼロ』のふざけた行状 いまや全く大学に姿を見せていない。おまけに欠席した授業のノートをマネージャーを使って借りさせる始末」(――『週刊現代』2001年7月21日号)など。早稲田大の学生、教職員、OBOGのなかには「吉永小百合以来」と歓迎する向きがあったので、残念がる早稲田大関係者は少なくなかった。

■慶應義塾大出身の知性派女優たち

 慶應義塾大には、附属の慶應女子高校時代から女優を続けていた女子学生が活躍する。紺野美沙子、菊池麻衣子で、2人ともNHKの朝ドラ(連続テレビ小説)のヒロインとなり全国区の知名度を得た。紺野は高校時代にユニチカのマスコットガールとなり、NHK少年ドラマシリーズで女優デビューしている。菊池も高校生のときに映画に出ているが、『たけし・逸見の平成教育委員会』に出て知性派の側面を見せていた。慶應女子高校は芸能活動に寛容である。2人の後輩にあたる芦田愛菜がそのまま慶應義塾大に進み、朝ドラのヒロインになる可能性は高い。

 紺野、菊池には知的なお嬢さま系のイメージがつく。その系譜をたどると、檀ふみにたどりつく。作家、檀一雄の長女で1974年、1年浪人して慶應義塾大に入学する。NHKのクイズ番組『連想ゲーム』でレギュラー出演しており解答率が高かった。これも知的なイメージにつながったのだろう。

 檀、紺野、菊池とはすこし毛色が違う演技派女優が慶應にいる。二階堂ふみだ。どのような役柄でもなりきってしまう才能に惚れ込む監督が多い。2020年の朝ドラのヒロインとなった。慶應の女子学生が朝ドラに出るのはこれで3人目だ。

■「自由な校風」明治大出身の井上真央、北川景子

 続いて、明治大を見てみよう。

 1960年代、日活映画でアクションや恋愛映画のヒロイン役として「日活3人娘」の吉永小百合、松原智恵子、和泉雅子が活躍している。このうち松原は明治大文学部二部に籍をおきながら、映画のロケで全国を飛びまわっていた。在学中、ブロマイド売り上げ女優部門1位を続けていた。

 田中裕子は明治大在学中で文学座に在籍している。朝ドラの『マー姉ちゃん』『おしん』に出演した。『おしん』から約30年後、2011年、朝ドラのヒロインとなった井上真央は4歳で劇団東俳に入り、小中学生のころからドラマに出演していた。

 2005年に明治大に入ると、ドラマ、映画の『花より男子』に出演する。井上は学生時代をこうふり返る。

「憧れていた『大学生活』が実現できたことですかね。よくある、大講堂のいちばん上で講義を聞いているあの感じとか(笑)、食堂に友達みんなで行って学食を食べるとか、そういう大学生らしい生活ができたことは楽しかったですね。学食に行ったあと、次の時間に授業がないと屋上に行ってのんびりしたり、授業の合間にカラオケに行ったり。それで、『間に合わない!』って走って学校に帰ったり(笑)……」――『マイナビ学生の窓口』2017年11月8日

 北川景子は高校時代にスカウトされてモデル、女優として活躍する。2005年、明治大に入学した。この年、映画デビューを果たす。在学中、明治大のパンフレットに登場し、こう綴っている。「この大学の魅力をひとことで言うと『自由な校風』です。商学部では広告・宣伝などの分野を広く学べる点が今の職業に多く関わるのでとても役立っています」――2009年度版

 山本美月は高校時代、「東京スーパーモデルコンテスト」でグランプリを獲得して、ファッション誌『CanCam』の表紙を飾った。2010年、明治大に進む。『ドクターX〜外科医・大門未知子』など人気ドラマに出演している。学生時代をこうふり返る。「大学に通うことが仕事の息抜きみたいになっていましたね。友達とみんなで一緒に勉強したり、放課後にごはんを食べたり……楽しかったです。でも、テストは本当に大変で、みんなで協力しあって先輩から過去問を集めたり、授業のプリントをとっておいてもらったりしました」――『マイナビ学生の窓口』2018年5月21日

< #2 では、ミュージシャンとして活躍する女性たちの学生時代を振り返ります。>

多摩美のユーミン「ひこうき雲」「ミスリム」「コバルトアワー」で“女王”に…22歳の胸中 へ続く

(小林 哲夫)

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