“名付け親”武田鉄矢が明かす「半沢直樹」福澤克雄監督の演出力

『半沢直樹』福澤克雄監督の演出力に『3年B組金八先生』の武田鉄矢「説得力があった」

記事まとめ

  • 武田鉄矢が文春の取材で、『半沢直樹』を牽引する福澤克雄監督の魅力などを明かした
  • 福澤氏が演出も担当した『3年B組金八先生』は上戸彩や風間俊介、山崎銀之丞も出演した
  • 武田は「シゴかれた子たちは根性が据わっているから、どこでもやっていける」と太鼓判

“名付け親”武田鉄矢が明かす「半沢直樹」福澤克雄監督の演出力

“名付け親”武田鉄矢が明かす「半沢直樹」福澤克雄監督の演出力

武田鉄矢 ©文藝春秋

 日曜劇場「半沢直樹」(TBS系、日曜夜9時〜)を牽引する福澤克雄監督(56)。過去に演出を担当した「3年B組金八先生」の主演・武田鉄矢(71)が「週刊文春」の取材に応じ福澤監督の演出術や魅力を語った。

 福澤監督は慶応義塾の創設者である福澤諭吉の玄孫で、慶応大学ラグビー部時代は日本一に輝いた元ラガーマン。富士フイルムを経て1989年にTBSに入社。身長190センチの大柄な体格から、ついたあだ名は「ジャイ」。その名付け親が武田だ。

 武田が懐かしむ。

「僕は彼がサード(助監督)の頃から知っているんですよ。彼はまだTBSに入ったばかりで弁当やお茶の手配をしていた。すぐに目がいくようなジャイアンみたいな大男だから『ジャイ』って呼ぶようになったんです。撮影現場で一般車両が誤って進入してくることがあるんだけど、彼はその巨体をいかして車を止めることが抜群にうまかった。彼が現場を守ってくれるから安心して撮影できました」

 99年から2005年にかけて「金八先生」(第5シリーズ〜第7シリーズ)のチーフディレクターに。第6シリーズでは、現在半沢直樹の妻役を務める上戸彩が性同一性障害の中学生を熱演し、社会的反響を呼んだ。

「上戸がケンカするシーンで上戸と相手の男の子に厳命して2人が本気でビンタの張り合いをするんですよ。役に徹した上戸はOKが出るまで一滴の涙もこぼさなかった。2人とも頬が腫れ上がって、OKをもらった瞬間、上戸は泣き出していました。横にいてこっちもハラハラしたけど福澤の演出には説得力がありました」(武田)

 同じく第5、第6シリーズに出演した風間俊介も“福澤門下生”。風間も「陸王」(2017年)で約16年ぶりに福澤監督とタッグを組んだ。武田にとって今でも忘れられない光景がある。

「時効だけどね……当時の風間は泣く演技が苦手だったんです。私が諭して風間が泣くシーン。風間がなかなか泣かなくて15分の泣き芝居を3、4回リハでやった。私がアドリブでわんわん泣き始めたら、ようやく風間もつられて泣いて。これで帰れると思ったらOKが出ないので福澤の方を見ると泣いている。『おまえ、OKぐらい言ってくれよ』と言うと、あいつはベロを出して『ぼく見入ってました、金八先生に』と言うんですよ。そうやってぼくら演者はあいつにノセられていた」

 上戸の他にも、山崎銀之丞ら、計6人の「金八」勢が「半沢」シリーズに出演している。武田が太鼓判を押す。

「ジャイにシゴかれた子たちはみんな根性が据わっているから、どこの現場でもやっていける。『半沢』に出ても『ジャイさんが言うならやらなきゃ』と腹を括れるんです」

 9月10日(木)発売の「週刊文春」では、福澤組常連の立川談春が明かす福澤組の「発掘力」、堺雅人が傾倒する哲学者、名場面「後ずさり土下座」を演じた佃典彦が告白する舞台裏など、「『半沢直樹』を10倍楽しむ7つの秘密」を5ページにわたって詳報する。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年9月17日号)

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