ファイターズ恒例“彼氏にしたい選手権”2強が盤石過ぎる件について

ファイターズ恒例“彼氏にしたい選手権”2強が盤石過ぎる件について

中島卓也 ©文藝春秋

「2強はねえ、もう殿堂入りでいいですよ!」

 と稲田直人が言ったのです。野球殿堂の話じゃありません。「彼氏にしたい選手権」の話です。

 何のことかと思われる方もいらっしゃるでしょうが、簡単に言ってしまえばファイターズ選手の人気投票イベントで、ただしそれが「彼氏にしたい」というくくりであるところがミソ。最初に行われた2015年には単発イベントという扱いだったような記憶がありますが、それ以来毎年続いて早6回目となりました。

■毎年優勝争いをしている中島卓也と西川遥輝

 で、今年の投票が始まって間もない9月2日の試合中継だったのです(HTBで、対イーグルス戦でした)。放送席でも告知を兼ねてこの話題が出されます。大田泰示がファインプレーをすれば、「今のプレーで上位進出」という褒め方になるんですね。実況谷口直樹アナウンサーのこの言葉に、解説稲田直人が首をかしげたのでした。

「もう上位なんじゃないんですか?」「2強がいますからねえ……」

 2強とは中島卓也と西川遥輝のこと。この「彼氏にしたい選手権」、優勝者は1回目から3回目まで連続して中島卓也、第4回は西川遥輝、そして去年の第5回はまた中島卓也という結果だったのです。2位は、2回目だけ大谷翔平で、あとは全部この2人の「1位じゃなかった方」。大田泰示は第4回第5回と3位につけているのですが、得票数は大きく水をあけられておりました。まさに2強。

 そこで冒頭の発言が出た訳です。殿堂入り。この2人はランキング対象外ということにしてしまえば、確かにかなりの順位変動が見込めましょう。簡単には結果が読めず面白いことになりそうな気がしますが、しかし彼等を外してしまったら、投票総数が激減しそうだというのもこれまた容易に想像のつくところ。

 今年の結果も1位中島卓也、僅差の2位西川遥輝、大きく離れて3位大田泰示でありました。以下、松本剛・杉谷拳士・谷口雄也・上沢直之・玉井大翔・吉田輝星と続きます。8位に入った玉井大翔、ぜひとも9位以内になりたいんだとHBC「Bravo!ファイターズ」出演の際に熱く語っていましたが、めでたく念願かないました。

■西川遥輝ではなく中島卓也が1位になる理由

 それにしてもこの2強、どうしてこんなに強いのでしょうか。特に中島卓也です。6回中5回で1位。最近ではこちらももう慣れてしまって「ああ今年もやっぱり卓ちゃんか」くらいの受け止め方になっておりますが、最初の2015年にはいささか意表を突かれた感がありました。この年だったか翌年だったか、オフの自主トレ密着的な番組で、大野奨太がこの結果は不可解だと管を巻いているのを観た記憶があります。男目線で単純に見て格好いいのは西川遥輝の方であろう、なぜ中島卓也が1位なのだ、と。

 いや実際、西川遥輝は格好いいです。今のファイターズでは頭一つ抜けていると言えましょう。顔がイケメンと言っていい選手は上沢直之など他にもおりますが、西川遥輝の場合は雰囲気というかたたずまいが、他の面々とはどこか違っているのですね。よく大田泰示がセクシーだとか色気があるとか言われていますが、そういうのとも微妙に異なる感じです。先日10月4日の福岡PayPayドームでの試合では、グラウンド近くの席にいた赤ちゃん連れの女性に話しかけ、赤ちゃんを抱っこさせて貰ったりしていたというホークスファンのツイートがありました。で、サインボールなどをプレゼントし、優しい! 格好いい!とタカガールの皆さんにまで騒がれている訳ですよこの男は。「たらし」の素養、かなりあります。

 でもだからこそ中島卓也が1位になるのかもしれません。「イケメン選手権」「格好いい選手権」ではなく「彼氏にしたい選手権」です。彼の場合、美男子とかセクシーとかシュッとしてるとかというよりも、「感じがいい」「親しみやすい」という部類になりますよね。遠くから眺めるのと自分の隣にいる恋人という想定とでは、おのずから評価基準も変わってまいりましょう。

 などという考察はさておき、この不動のツートップが盤石過ぎるという件は「彼氏にしたい選手権」の今後を考える上で看過できない問題であると言わざるを得ないのであります。ぶっちゃけ、やる前から結果が判っている状態。これでは盛り上げるのも難しいですよ。いやそれは中島ファン西川ファンの皆様はバッチバチに気合が入っているでしょう。片や連勝記録を伸ばさんとし、片やその牙城を崩さんとする、川中島か関ヶ原か、赤いきつねと緑のたぬきかという勝負です。しかし他の選手に投票しようというファンにとっては、太陽がまぶし過ぎて月も星も見えないようなもの。しかもその太陽が2つもあるんだから厄介です。かといって2強は殿堂入りという稲田案も、大量のファンの投票権を奪うに等しいもので軽々に賛同はできかねるのですよね。

■「兄にしたい」「弟にしたい」などを加えたらいいのかも…

 ふと思い出したのがリニューアル前の「プロ野球ai」誌にあった「読者が選ぶai的ランキング」です。これがもう実に細かくて、「彼氏にしたい」と「結婚したい」が分かれていたほど(実は中島卓也、この両方で1位になったことがあります)。その他「兄にしたい」「弟にしたい」「パパにしたい」「友達にしたい」「セクシー」「笑顔が似合う」「プロフェッショナル」……プロ野球選手全員を網羅できるんじゃないかと思われるくらいに細分化されていたのでした。

 ファイターズもこの方式で、「兄にしたい」「弟にしたい」などを加えたらいいのかもしれません。そういえば先日、どこの局だったか視聴者クイズとして「中島選手が1位になったのはどちらでしょう」というのをやっていたのですが、もう1つの選択肢というのが「上司にしたい選手権」でありました。「上司にしたい」、これもありだなあ。金子弌大とか宮西尚生とか、ベテラン勢が食い込んできますよ。

 いや、待て。

 本当に「ぶっちゃけ、やる前から結果が判っている状態」なのか。確かに今はそうだとしても、これからもそうだと決めてかかっていいのか。それはあまりにも後ろ向き、逃げの姿勢なのではありますまいか。

 目先を変えることなど考えなくとも、マンネリ化は防げるのです。たった1つのことさえ実現すれば。

 出でよ、次代のファイターズのスター!

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2020」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト https://bunshun.jp/articles/40575 でHITボタンを押してください。

(青空百景)

関連記事(外部サイト)