「最近のテレビは芸能人の不倫や離婚ばかり…ほっといたれや」吉本興業・大ア会長がボヤく“マスコミの劣化”

吉本興業・大崎洋会長が闇営業報道や不倫報道に疑問を呈し、マスコミの劣化を指摘

記事まとめ

  • 吉本興業・大崎洋会長が「テレビのほころびが見えてきた」と指摘している
  • 芸能人の不倫や離婚報道が多いことについて、大崎洋会長は「ほっといたれや」と述べた
  • また、闇営業騒動についても、大崎洋会長はマスコミの劣化を感じたと述べている

「最近のテレビは芸能人の不倫や離婚ばかり…ほっといたれや」吉本興業・大ア会長がボヤく“マスコミの劣化”

「最近のテレビは芸能人の不倫や離婚ばかり…ほっといたれや」吉本興業・大ア会長がボヤく“マスコミの劣化”

大ア洋氏(吉本興業会長)

「これまでの日本の社会は高度経済成長を経て、それぞれの人間が自分の利益や成長を追いかけ続けてきました。それがコロナで、緊急事態宣言が発令され、経済活動がいったんストップした形になった。これを機に、これまでの右肩上がりの資本主義とは違う社会になっていくんじゃないでしょうか。

 これまで、お笑いの世界も、『いかにとんがったことをやるか』、『いかに誰も発想しなかった角度で漫才やコントをやるか』という、上へ上への考え方でやってきました。松本人志のような天才が頂点にいる世界です。でも、お笑い原理主義を真っ向から否定するわけではなくて、もうちょっと違う“笑いの効用”があってもええんちゃうかと思うんです」

「文藝春秋」11月号のインタビューでそう語るのは、吉本興業会長の大ア洋氏だ。大ア氏はダウンタウンの若手時代に才能を見出し、東京に進出させた名プロデューサーとしても知られる。

■テレビの「ほころびが見えてきた」

 その大ア氏が、コロナの自粛期間を経た今、お笑いについての考え方が変わってきているという。

「例えば、地方の田舎でおばあちゃん3人組がお菓子を持ち寄って、一日中他愛もないことを喋って笑い続ける、といった種類の幸せがあるじゃないですか。そういう幸せな日常の風景を、日本中で見られるような気分や状況を作りたいんです。歳をとったからなのか、最近は自分自身、とんがった笑いよりも思わず笑顔になるようなものを見たいと思うようになってきました。あんまり大きな声では言えませんが(笑)」

 明治創業の吉本は、戦後に家庭用テレビが普及する波に乗って成長してきた面もある。1959年に始まった「吉本新喜劇」も、MBSテレビ開局のタイアップとして生まれたものだ。そのテレビについても、「ほころびが見えてきた」とチクリ。

「最近のテレビを見ていると、芸能人の不倫や離婚がなんとかかんとか……そういう話も世間の人は興味あるのかもしれませんけど、僕なんかは内心、『ほっといたれや』と思って。

 芸能ニュースにばかり時間を使わず、もっと前向きなニュースを流してもいいんじゃないですか。もちろん、芸能ニュースを流したほうが視聴率でいい数字がとれて、スポンサーがついて、広告収入も高くなるんでしょうけど。そういうあまりにも資本主義的な、短絡的な考えには、僕自身そろそろ行き詰まりを感じているんです。

 ましてやテレビは公共財の電波を使って放送しているじゃないですか。他にニュースで伝えなあかんことはないんかな、と思います。いっぱいあるでしょう、地方でこんなボランティアが足りない、とか」

闇営業問題で感じた“マスコミの劣化”

「去年の闇営業騒動でもマスコミの劣化を感じました。もちろん、反省すべき点は反省し、正すべき点は正すのは当然です。ただ、『吉本は芸人のギャラを9割も取ってる』とか、本題とは全く関係のないことを、何の証拠もないのに毎日テレビでワーワー騒がれました。

 あのときは岡本昭彦君に社長を譲って会長になっててよかったと思いましたね。だって、あの会見、僕がやったらメチャメチャですよ。会見じゃなくて喧嘩になってた(笑)。

 吉本の株主さんのメインは東京や大阪の放送局さんで日頃、大変お世話になっています。僕は本来、こんなことをポロポロ言える立場にはない。でも逆に言えば、そこまでの利害関係者だからこそ、『なんとかなれへんのかな』という切実な気持ちでいるんです」

 一方で、吉本は昨年11月にBSのチャンネルを1つ獲得。来年にはBSデジタル放送「よしもとチャンネル(仮)」を開始予定だという。

 果たしてどのような番組作りがなされるのか。大ア氏は冒頭の考えを踏まえて、ある“テーマ”を挙げた。

 他にも大ア氏が、自粛期間中にハマった韓国ドラマ、昨年の闇営業騒動、10年前から続けている「地方創生」の取り組みについて語った「 最近のテレビ、何とかなれへん? 」インタビュー全文は、「文藝春秋」11月号及び「文藝春秋digital」に掲載されている。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2020年11月号)

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