なぜこれをガチャガチャに?「謎ガチャ」ベスト50 血の歯、おならプー、指チョコ、LOVE体温計…

なぜこれをガチャガチャに?「謎ガチャ」ベスト50 血の歯、おならプー、指チョコ、LOVE体温計…

ワッキー貝山氏が所有する“謎ガチャ”の数々

 コインを握りしめて心ときめかせたガチャガチャの世界。しかし、いま見ると「なんでこんなものをカプセルの中に入れたのか?」と悩んでしまう商品も少なくない。

 7歳から集め続けた10万点のガチャガチャ・コレクションを持つ『 昭和レトロガチャ 最強コレクション 』(グラフィック社)の著者で、仙台を拠点に活動するタレントのワッキー貝山氏(50)に“謎ガチャ”ベスト50を選んでもらった。

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■50位「血の塗られた歯」

「当時はカプセルに入る大きさで、目玉や歯などの人体パーツもありました。血塗られた歯は白い部分を残してもよかったと思うが、予算の関係で困難だったのか」(ワッキー貝山氏、以下同)70年代、20円、今野産業製。

■49位「こけし消し」

「半分が透明になっているカプセルから見えたときに、まさか消しゴムで“こけし”を作るのかと驚きました。表情も微妙な感じが尚更いい」70年代後半から80年頃、20円、コスモス製。

■48位「観音様」

「20円の神々しい観音様(2cm)がカプセルに閉じ込められている。『ひょっとこ』のお面、『見ざる聞かざる言わざる』の猿など、当時はあらゆるモノが作られていました」70年代、20円、キディ製。

■47位「ミニテニスラケット(カバー付)」

「当時、カプセルに入らない商品は代わりに当たりの印の紙が入っていて、駄菓子屋の店頭で交換して受け取っていました。このテニスラケットも手渡しされた。それでも大きさは約15cm。第2次テニスブームに乗じて作られ、丁寧にカバーまでついていた」79年、20円、コスモス製。

■46位「刀の鍔」

「これも20円のガチャで当たりが出ると店頭で手渡しされたタイプ。実寸の金属製で、彫の部分にはこだわりも感じる。金や銀の鍔もある。子どもたちがどう遊んだのかは不明だが、昨今の『鬼滅の刃』人気で需要が高まるかも……」80年代、20円、コスモス製。

■45位「紙製ダルマ」

「3cmのカプセルにギチギチに入っていたのが忘れられない。紙製。書き人知らずの手作り。起き上がりこぼしのように見えて、起き上がらない。『カプセルに入れられるものは何でも入れろ』と思ったとしか思えない」70年代、20円、メーカー不明。

■44位「カエル消し」

「平べったい2cmくらいの大きさ。当時『カエルの呪縛』と呼んでいましたが、ガチャで出続けて50個くらい持っています。いわゆるハズレです。色も赤、緑、黄、白とさまざま。暗闇で光る」77年、20円、コスモス製。

■43位「変身お札」

「本物の2/3くらいの千円札の真ん中を破ると五千円札になる仕掛け。しかし、一万円札を破るとなぜか無地の紙が出てくる。現実は厳しい」80年代、50円、コスモス製。

■42位「電気ショック」

「友達をなくすアイテム。100円ライターの着火部の部品で、ボタンを押すとビリビリと激痛が走る。それを電気ショックとして名前を変えたらバカ売れした」80年代中頃、50円、コスモス製。

■41位「ザリガニの針」

「アーム部分にニボシやスルメを乗せ、ゆっくり引くとザリガニが取れるという。実際はそんな簡単にはいかない」80年、20円、コスモス製。

■40位「爆走バイキン軍団水虫菌」

「80年に流行した今野産業のオリジナルキャラクター『バイキン軍団』シリーズ。塩化ビニール製で豪華さを出すために、金銀色に塗装。このシリーズがウケて、当時暴走族が流行っていたので、バイクに乗せたところ、水虫菌の足に脚が生えている“蛇足”的フォルム。うんち菌、ハナクソ菌など42種類ある」80年、20円、今野産業製。

■39位「魚釣りセット」

「フィッシングブームがあり、過去にはリアルな釣り針の景品もありました。この釣り具セットは、釣り竿、糸、針があり、組み立てると長さ約5cm。魚は釣れそうにない」88年、100円、コスモス製。

■38位「『気分』のおでん消し」

「可愛いおでんのミニチュア消し。約1cmの辛子、2cmのちくわぶが入っているが、よく見ると『紀文』ではなく『気分』。当時シャーペンの芯を買うと貰える“おでん消し”が人気で、それをパクッて作られたガチャ」81年、50円、コスモス製。

■37位「1万円偽コイン」

「現在でも都市伝説化されている偽造貨幣。金属製で、本物の硬貨と形、重さも似ている。2017年に北海道のコンビニで、おもちゃを記念硬貨に見せかけて『1万円玉』として使用し、約1500円の商品とお釣り約8500円を騙し取った事件があったが、そのとき使われたコイン。ネットオークションでは今、1万円くらいで取引されているので、犯人がその価値を知っていれば事件は防げたはずだ」80年、50円、コスモス製。

■36位「おならプー」

「上部2か所の金具を触ると、人間の体を電流が通って鈍い音で『プ〜』と鳴る。本当のオナラにかなり近い音。口笛の『ヒュー』という音が出るタイプもあった。当時はボタン電池が普及し始めた頃で“笑い袋”などサウンド系電気ガチャが流行った」87年、100円、コスモス製。

■35位「3Bバッチ」

「誰でも憧れの『金八先生』のクラスメートになれるアイテム。金属製で学ランの襟元に装着してクラスメート気分を味わった。実際のドラマでは『3-B』だった」80年、20円、コスモス製。

■34位「工具ペンダント」

「当初は男の子用の工具のミニチュア玩具だったが、人気がでなかった。試行錯誤の結果、チェーンをつけてペンダントにして女の子用に改造された。しかし、ノコギリやスパナを首から下げる勇気はない」82年、50円、コスモス製。

■33位「びっくり電卓」

「元祖ビックリ箱みたいな感じで液晶部分にパンチが隠されていて、数字ボタンを押すとパンチが飛び出す。横15cm×高さ5cm。分厚い電卓に違和感丸出し。しかも、パンチの長さが極端に短く、電卓によほど顔を近づけないとパンチが届かない」81年、50円、コスモス製。

■32位「ガチャガチャマン」

「『キン肉マン』のキン消しが爆発的に流行した時期に発売された。新たな超人キャラクターかと思ったら、実在しないキャラの『ガチャガチャマン』。キン消し同様、カプセルに3体入っていて、トイレから顔を出している『トイレマン』、爆弾を抱えている『囚人マン』などがあり、子どもたちがホンモノのキン消しと勘違いするクオリティだった」80年代中頃、50円、コスモス製。

■31位「東京の女の子消しゴム」

「原宿系や都会のファッションが流行った時代で、シャレたハイセンスな女の子情報盛り沢山と思いきや、中から出て来たのは『努力』と刻印された消しゴム。中身の消しゴムは、人気プロレスラ―の写真がカバーにプリントされた同様の製品の使い回しだったことが判明している」81年、20円、今野産業製。

■30位「ビリヤードゲーム」

「映画『ハスラー』人気で登場。ビリヤード台は10cm×5cmくらい。ボールが発泡スチロールのように軽くて前に転がらず、ゲームとしては遊べなかった」86年、100円、コスモス製。

■29位「どろぼう手帳」

「3cmくらいのサイズで、中身は『大図解!! これがどろぼうだ!』と題されたイラスト。ちなみに書かれている泥棒の特徴は、『ハンチングをかぶっている』『5分刈りのギザギザ頭。10円玉ハゲ』『ぶしょうヒゲ』『大きなフロシキ』……。ちなみに泥棒を捕まえるためではなく、泥棒のための手帳だ。小さな手帳シリーズは人気商品で、『忍者手帳』などもある」79年、20円、今野産業製。

■28位「ミニラジオ」

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「実際にラジオは聞けるが、ガチャ1台に入っているのは3つくらい。残りはすべてハズレのスーパーボールなど。多機能時計も流行っていたが子どもには手に入らない。100円で電化製品が当たると思うとウキウキしていた。ただ、ゲットしても粗悪ですぐに壊れてしまうことが多かった」88年、100円、コスモス製。

■27位「コスモスチョロカー」

「当時、流行していたチョロQを“チョロカ―”として名前を変えただけ。バックさせて手を離すとバネの力で走り出すという原理も、大きさも同じ。スポーツカーやF1といったカッコイイ車が流行っていた時期なのに、なぜか『コスモス』のガチャガチャ集配トラックを商品化。ちなみに、数回動かすとバネが壊れてしまった」83年、50円・100円、コスモス製。

■26位「たまごっち消し」

「1996年に女子高生を中心に大流行したタマゴ型の携帯育成ゲーム『たまごっち』を真似した消しゴムの塊。実寸だが、いつまでたっても育たない。『子どもに流行っているモノをガチャにする』のがガチャの歴史。流行り出すと数週間で製品化していた」90年代後半、100円、株式会社ユウ製。

■25位「恐怖のチョコ」

「ホラー系タッチは今野産業の得意分野。『チロルチョコ』とほぼ同じ大きさで包み紙を開けると、血付きの指が! チョコ好きの子供たちを恐怖に陥れただろう」80年代、20円、今野産業製。

■24位「表札キーホルダー」

「『佐藤』『田中』などメジャーな名字にしなかった。100種類くらいあって、どの名字が当たるかわからない。自分と違う名字のキーホルダーを持っていてどうするのかと考え始めると、なにやら“深さ”を感じなくもない」78年、20円、コスモス製。

■23位「スカッと爽やかコス・モース」

「『Coca-Cola』のように見えるラベルをよく見ると「Cosmos」。約6cmのミニボトル。当時、コカ・コーラのオマケでミニボトルが流行り、それをコスモス流に改良したガチャ」78年、20円、コスモス製。

■22位「クレジットカードミニ消し」

「2cmくらいの大きさで、クレジットカードのようなシールをそのまま貼り付けた消しゴム。身元不明だが、実際のカードと思われる個人名やカード番号が縮小コピーされて貼られている。テレホンカード版もあった」85年、20円、今野産業製。

■21位「ヤンキー武具(メリケンサック)」

「3cmの鉄製メリケンサックは小さすぎて手が入らない。当時は『ビー・バップ・ハイスクール』が流行っていたことから企画されたのだろう」86年、50円、コスモス製。

■20位「カプセルの神様」

「カプセルに顔のシールしか貼ってなくて、中には帽子と足が入っている。どうするんだろうと思ったら、カプセル自体に穴があいていて、そこに帽子と足を差し込むと妖精のような出で立ちに。名前がないので『カプセルの神様』と名付けた」80年代後半、20円、メーカー不明。

■19位「なめるなよ免許証」

「当時流行った『なめねこ』シリーズに便乗して作られた『なめるなよ免許証』。人気タレント等の名前に引っ掛けて、『田原猫彦』『ミケ原順子』『柴又トラ次郎』などの名前があった。これに味を占めたのか、ビックリマンシールを真似た商品を『ロッテ』を『ロッチ』と変えて販売し、コスモスはロッテに訴えられてしまう」81年、20円、コスモス製。

■18位「プロレスマスク」

「タイガーマスク、ミル・マスカラスなど、80年代のプロレス黄金期を支えたレスラーの覆面のガチャ。ビニール製だが、小さいので汗で息苦しくなり長時間の着用は困難。ぬいぐるみに被せたりすると可愛い」82年、20円、今野産業製。

■17位「ヒゲダンス用ヒゲ」

「ヒゲだけ入っている。3cmくらいでイメージよりも小さくてチョビヒゲに近い。素材はウールにも似ている。粘着部分が弱いためすぐに取れてしまう」79年、20円、今野産業製。

■16位「LOVE体温計」

「ハートの黒い部分を相手の額に貼ると、熱で変化した色により、好きかどうかが分かるという体温計。温度が高いほど赤くなる。好きな人の額にこの体温計を貼ること自体ハードルが高い」83年、100円、コスモス製。

■15位「ピンクサロン」

「子ども向けのガチャに小さいチャームで『ピンクサロン』。大人が薄ら笑いを浮かべながら、ガチャに入れてしまえと企んだのか」70年代、20円、コスモス製。

■14位「わめくなよステッカー」

「『なめねこ』ブームの翌年、『なめいぬ』が来るんじゃないかと狙って作られた『わめくなよ』。しかし、ブームは巻き起らなかった」83年、20円、今野産業製。

■13位「弾丸をあつめよう」

「銃が規制されている日本のキッズ文化に忍び寄る弾丸。このディスプレイの台紙には『ほんものだよ』と書いてある。確かに金属製でサイズもリアル。あまりの完成度の高さに、飛行機には持ち込めない」80年代、20円、メーカー不明。

■12位「チビカー」

「3cmくらいの大きさ。数学の公式が多方面に書き込まれていて、カンニングと見なされて取り上げられてしまう可能性大」81年、50円、コスモス製。

■11位「寄せ鍋パズル」

「素敵な写真を期待してワクワクしながらパズルを完成させたら『寄せ鍋』。30ピースくらいあり、右端のお玉の部分が難しかった」80年代前半、100円、コスモス製。

■10位「16連射トレーニングマシーン」

「ファミコンのコントローラーのABボタンをくり抜いたようなプラスチック製のコントローラー。『1秒間に16連射』で一世を風靡した高橋名人に憧れて連射に挑戦するも、このコントローラーにはカウンターがなく、16連射達成したかどうかは自分で数えるしかない。実は、売れた人気ガチャで、いまオークションでは5000円で取引されている」80年代、100円、コスモス製。

■9位「長島一茂サインボール」

「あのミスターのと思いきや、ジュニアで落ち込んだ。それも『長島一茂』と書いてあり、よく見ると本物は『嶋』だが『島』。全く別人のサインボール」80年代後半、100円、ビーム製。

■8位「びっくりしみ」

「絶妙な茶色のしみがカプセルに入っていた。シールではなく、鉄製で液体の表面張力の膨らみも忠実に再現されている。このしみをコーラのボトルの前に置いておくと、コーラがこぼれたように見える。母親を驚かそうというアイテム」70年代後半、20円、今野産業製。

■7位「月の石(ゴム製)」

「宇宙飛行士が持ち帰った『月の石』が人気となった当時、これもガチャに。石なのにゴム製。キラキラ光るラメが付いている。裏には『ST』という玩具安全マークの刻印が、少年たちを夢から覚ましてしまう」82年、100円、コスモス製

■6位「血の垂れる指」

「どっきりグッズ。写真は、ガチャ機に挟んであるディスプレイ。子どもの頃、なんの説明もなく指がパッキングされているのが怖かった。最近、オークションで見つけて2万5000円で落札した」79年、20円、コスモス製。

■5位「びっくり蛇口」

「長さ15cmくらい。普通の水道の蛇口です。吸盤が付いていて、どこの壁にもセットOK。台所が一番引っかかる確率が高い。出来が良くて、実際に私は祖母を騙せました」77年、20円、コスモス製。

■4位「催眠ボール」

「真ん中にオレンジ色の球体があり、その球体が周りに映っていろいろな形に見える。15秒見ているといつの間にか催眠術にかかるというアイテム」80年代中頃、100円、コスモス製。

■3位「エーリアン」

「5cmくらいのフィギュアで、今回紹介した中でも高額で取引されているアイテム。中にスライムを入れて指で押すと、目や口からドロドロと飛び出る。私はオークションで8万円で手に入れた。オカルトやホラーのファン、ソフビのコレクターがいて、そこにガチャのコレクターが加わったことで高額になった」84年、100円、コスモス製。

■2位「うんち」

「1位でもおかしくない、お下劣アイテム。包装もなく駄菓子屋のおばあちゃんから手渡しされた時のトラウマが残っている。大きさは10cmほど。ゴム製で巻いているわけでもなく、茶色でもないが、お茶の間に置いておいたりするとドッキリする。ながらく探していて、この『うんち』を見つけたときは涙しました」70年代後半、20円、コスモス製。

■1位「カプセルインカプセル」

「小学5年生のとき、なけなしのお金でガチャを回したら、カプセルの中からカプセルが。その大人の悪だくみが、幼心に突き刺さりました。1位の理由は、ハズレの悔しさとともに当時の情景を思い出すこと。このハズレの悔しさはアタリだと思います」80年ごろ、20円、コスモス製。

? 11月2日(月)21時から放送の「 文春オンラインTV 」では、『昭和レトロガチャ 最強コレクション』著者のワッキー貝山氏が、今回の“謎ガチャ”を始め、ガチャガチャの魅力を解説する。

(ワッキー貝山/Webオリジナル(特集班))

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