「とくダネ!」小倉智昭が東京五輪前の“番組打ち切り”を容認した理由
2021年01月14日 07時00分 文春オンライン

小倉智昭
小倉智昭(73)が13日、キャスターを務める「情報プレゼンター とくダネ!」(フジテレビ系)で、3月26日をもって番組を終了することを生報告した。22年間の歴史に終止符を打つ。
番組打ち切りをいち早くスクープし、小倉の思いや、フジテレビの内情を報じた「週刊文春」(2020年8月6日号)を公開する。なお、記事中の年齢、日付、肩書などは掲載時のまま。
出典:「週刊文春」2020年8月6日号
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「フジテレビのおかげで聖火ランナーにも選んでもらえた。『とくダネ!』は東京五輪で終わりかな」
好々爺然とした表情でフジテレビ幹部にそう語った「とくダネ!」総合司会の小倉智昭(73)。だが……。
■「東京五輪までは続けたい」
1999年4月に始まったフジテレビの「とくダネ!」は、「同一司会者による全国ネットの情報番組」の放送回数最多記録を更新する長寿番組へと成長。22年目の今年は、小倉が待ちに待った東京五輪を控えていた。
「小倉さんは常々、『東京五輪までは続けたい』と話していました。『それまでは、たとえギャラを下げてでも』と冗談めかして言うほどで。『とくダネ!』が始まってからは、毎回五輪開催国へ出向いて取材していました」(フジテレビ幹部)
小倉にとって、五輪は特別な思い入れがある。
「64年に行われた東京五輪の時、高校2年生だった小倉さんは聖火ランナーに選ばれ、東京の府中市街を走ったのです」(同前)
今回の五輪でも、再び聖火ランナーとして走ることが決まっていた。
「決定してからは、自宅付近を毎日マネージャーとウォーキングするなど、体力作りに励んでいました。2年前にがんで膀胱を全摘しましたが、最近の体調は良好でした」(番組関係者)
■高額なギャラを払っている番組に大ナタ
ところがコロナの影響で、東京五輪は1年延期に。さらに追い打ちをかけるように、広告収入が大幅に下がったフジテレビが、制作費を削減するため、大ナタを振るい始めた。
「出演者に高額なギャラを払っている番組を見直すことになり、まずは安藤優子さんが司会の『グッディ!』の2020年9月終了を決めました」(前出・フジテレビ幹部)
そして――。
「小倉さんに2021年3月の『とくダネ!』打ち切りが伝えられました。時期は『グッディ!』終了が報道された7月初旬のようです。小倉さんは『世話になったし、フジテレビが大変な状況なのだったら』と、五輪を待たずに勇退を決意したと聞いています」(同前)
■ギャラ減額を快諾した過去
実は小倉は以前にも、フジのために身を切ったことがある。2011年、番組編成が韓国寄りだとして抗議デモが起こり、スポンサー離れによって局全体の収益が下がってしまった。
「その際、局から小倉さんに、1回の放送で120万円ほどだったギャラを大幅に下げさせて欲しいとお願いしたら、快く首を縦に振ってくれたのです」(同前)
小倉はまた、番組スタッフも大切にしてきたという。
「番組の年間視聴率が民放トップになった14年頃、『視聴率が7%を超えたら1万円、8%なら2万円の金一封、10%なら全員で食事会を開こう。みんな、頑張ってくれ!』と声をかけ、楽しみながらスタッフのやる気を引き出していましたね」(元番組スタッフ)
実は小倉とフジは長年にわたり“相思相愛”だった。
「就職活動ではフジが第一志望で『朝のワイドショーをやりたい』と最終面接で話すも不合格でテレビ東京に入社した。『とくダネ!』の司会就任会見の時、『28年来の願いが叶いました』と大喜びしていました」(前出・フジテレビ幹部)
■小倉の今後の仕事は?
小倉の「とくダネ!」終了後の仕事はどうなるのか?
「現在、特番の司会以外は、雑誌2誌でコラムの連載をもっているのみ。実業家としては都内の焼肉屋とハワイのラーメン屋の経営に加え、老眼鏡や味噌など自分のお気に入り商品を売る通販サイトの運営を引き続き行うようです。一方、フジも非常に恩義を感じており、五輪の特番に出演してもらうという話もある」(同前)
「とくダネ!」の終了について、小倉の所属事務所は「お答えできません」。フジテレビ広報部は「番組の詳細についてはお答えしておりません」と回答した。
来年はぜひ、聖火を持って花道を走る自身の姿を実況してほしい。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年8月6日号)