殺人罪を犯した元犯罪者は司祭になりすませるのか… 「聖なる犯罪者」を採点!

殺人罪を犯した元犯罪者は司祭になりすませるのか… 「聖なる犯罪者」を採点!

© 2019 Aurum Film Bodzak Hickinbotham SPJ.- WFSWalter Film Studio Sp.z o.o.- Wojewodzki Dom Kultury W Rzeszowie - ITI Neovision S.A.- Les Contes Modernes

■〈あらすじ〉

20歳のダニエル(バルトシュ・ビィエレニア)は、殺人罪で入った少年院で神父の影響を受け、神学校へ進みたいと考えるようになる。仮退院後、製材所で働くために訪れた村で教会に立ち寄ると、新任の司祭と勘違いされて、司祭の代わりを頼まれる。村人たちは彼の司祭らしからぬ振る舞いに戸惑うが、神と人間に真摯に向き合う説教に惹かれ、徐々に彼を信頼するようになっていく。この村では1年前、凄惨な交通事故が7人の命を奪い、遺族たちを苦しめていた。彼らの傷を癒そうと模索するダニエルの前に、同じ少年院にいた男が現れ、嘘をばらすと脅しをかける。

■〈解説〉

元犯罪者が司祭になりすました事件を基にしたヒューマンドラマ。最新作『ヘイター』がNetflixで配信中の、ヤン・コマサの監督第3作。第92回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート作。115分。

中野翠(コラムニスト)

★★★★☆『歎異抄』の悪人正機説を連想。パンクな味も。後半、話が散らかりぎみだが。ディープなヨーロッパ。喜劇味もあり。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★★☆気むずかしい映画だが、抑鬱的な映画ではない。パンク小僧の不敵な仮装と呻きが、灰青色の画調によくマッチしている。

斎藤綾子(作家)

★★★☆☆恨みを抱える村人の心を掻き混ぜ浄化する偽司祭ダニエル。だが己の闇には気づかず。救いのない現実の罪深さに消耗。

森直人(映画評論家)

★★★★☆汚れた顔の天使の発揚。有能な「なりすまし」の言動が民衆社会の本質を抉っていく。神父版『ディア・ドクター』の趣も。

洞口依子(女優)

★★★★☆司祭なりすましに徹した主演俳優の眼!言語問わぬ説得力! 若きウォーケンを想起させるスピリタス・ウォッカのキレ。

『聖なる犯罪者』(ポーランド、仏)
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開中
http://hark3.com/seinaru-hanzaisha/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年1月28日号)

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