本当に行ってよかった「ビジホ×ひとり飯」 ホテル評論家が唸った日本全国20選〈西日本編〉

本当に行ってよかった「ビジホ×ひとり飯」 ホテル評論家が唸った日本全国20選〈西日本編〉

うぐいす

本当に行ってよかった「ビジホ×ひとり飯」 ホテル評論家が唸った日本全国20選〈東日本編〉 から続く

 ホテル評論家の私は、ホテルになるべく長く滞在するという仕事柄、チェックイン可能時刻にはホテルに到着する。そのため夕方の時間はたっぷりある。そんな私の飲食店探訪は、ある程度の都市であればまず“繁華街散策”からはじまる。ビジネスホテルとその周辺の繁華街をグルっと一周するのだ。ただ、繁華街では“越えてはいけない一線”を感じることがある。道の向こうは何となく怪しげな区域で、ガラッと雰囲気が変わる境目だ。

 これは筆者の経験則の範囲を超えないが、実はその境目近くで、よいご当地ひとり飯店に巡り会える確率は高い。ガイドブックがナビゲートしてくれない“ぶらりひとり繁華街歩き”は、ご当地を肌で感じられる高度な「旅」でもある。では「ビジホ×ひとり飯」西日本編を始めよう。コロナ禍で営業形態については変更されている可能性があり、実際に訪ねる際は公式サイトなどで確認していただきたい。(※「 東日本編 」もあります)

■【三交イン四日市駅前×うぐいす】(三重県四日市)カウンター有り

 駅近ビジネスホテルの見本のようなホテルを出ると、そこは繁華街。飲み屋街方面へ歩くと、地元の常連さんで賑わう焼肉ホルモンのお店がある。昭和然とした四日市の繁華街の路地にひっそり佇む「うぐいす」。1人でも楽しめるのは大きな魅力。

 注文受けてから肉を味噌ダレに絡ませるのが流儀の様子。裏メニューの牛テールスープは、もしあったら絶対オーダーしたいコクと香りの逸品だ。

■【ザ エディスターホテル京都二条×二条城おはな】(京都市中京区)カウンター有り

 京都・二条城至近のハイセンスなホテルの裏手にあるお店へ「二条城おはな」へ。串揚げ店のようだが、海鮮肉鮮、煮物、揚げ物、鍋料理まで豊富なラインナップだ。若きご夫妻で切り盛りされているご当地繁盛店で、500円以下のメニューも豊富。

 オープンキッチンの厨房は清潔。牡蠣串揚げの細やかなタルタルソースにしても、ご主人の神経の細やかさを垣間見るよう。

■【セントラルホテル岡山×成田屋 田町店】(岡山市北区)カウンター有り

 大好きな居酒屋へ行きたくて、近くのビジホに泊まるのは大ありだ。特に寒かったり天気が悪い時は近くに寝られる場所があるのは助かる。趣ある暖簾をくぐりカウンターへ。生しいたけ焼に始まり、ワタリ蟹、絶品とりから、たっぷりカキ鍋、〆は巻き寿司などカウンターで欲張りオーダー。

 アウェイなひとり飲みでもホクホクできるのは、メニューがバラエティ豊かだからか。まるで宝箱のような居酒屋だ。

■【出雲グリーンホテルモーリス×ギョーザ屋】(島根県出雲市)カウンター有り

 山陰方面一押しビジホは大浴場にサウナも完備。サッパリ汗を流してから餃子専門店へ。餃子→サウナの逆パターンはおすすめしない。地元の常連さんが多く、アウェイ感満点だが餃子の魅力には負ける。

 皮が厚めで食感はモッチリ。口の中によい香りが広がる。何が凄いかといえば、注文が入ってから包んでいること。オープンキッチンが清潔なのも◎。〆はこれまた素晴らしいソース焼きそばまでオーダー。

■【セブンデイズホテルプラス×葉牡丹】(高知県高知市)カウンター有り

 ギャラリーのような無機質感が美しいホテルでうっとりした後は、やっぱりカツオが食べたい高知の夜。ホテルからぶらぶら歩き大通りまで出たところで気になる暖簾に吸い込まれる。

 カツオはもちろん、海鮮から焼物揚げ物までなんでもござれ。串カツ盛り合わせは280円、モツ煮は170円。〆はオムライス&みそ汁で。独立系地元密着居酒屋で食べるオムライスは滅法うまい。

■【ベッセルホテル福岡貝塚×天麩羅処ひらお 貝塚店】(福岡市東区)カウンター有り

 福岡でその名を轟かせる本格派にしてファストフード的な天ぷら店。実はビジホに隣接して店舗がある。食券を買ってカウンターで食べるのは牛丼屋のようだが、揚げたてが都度提供されるスタイルはアッパー系天ぷら店そのもの。

 塩辛食べ放題というのも嬉しい。つゆは真っ黒で濃厚。お茶やお水で天麩羅を食べられない派としてはビールやお酒必須だが、後は隣のホテルへ帰って寝るだけと思えば幸せを感じる。

■【ホテルフォルツァ大分×まんとく】(大分県大分市)カウンター有り

 クオリティの高いお気に入りホテルのステイならば、余計に夕食は厳選したい。意気込んで都町に出向き地鶏が楽しめるお店「まんとく」へ。とにかくご当地で大人気らしく、開店のタイミングで無事着席したものの、仕事帰りのサラリーマンなどですぐに満席に。

 充実のメニューにひとり飯であることを忘れてしまう。お通しのシャキシャキ野菜にはじまり、刺身、たたき、もも焼きと、ずっとひとり唸りっぱなし。

■【ホテル・レクストン鹿児島×寿司銀】(鹿児島県鹿児島市)カウンター有り

 鹿児島の夜といえば天文館。たっぷり愉しむならホテルも天文館に。メイン通りを入ったところにある寿司屋は、ひとり鹿児島ムードにどっぷり浸れる幸福感に包まれている。鹿児島ではそれぞれの店にスタイルがあるというさつま揚げ。こちらもプリップリの自家製がたまらない。

 たまりと2種類用意された醤油が鹿児島ムードを盛り上げる。美味すぎるツマミ各種を欲張ると握りまでなかなか辿り着けないという贅沢な悩み。もちろん焼酎も抜群。

■【ホテルアザット那覇×べんり屋 玉玲瓏】(沖縄県那覇市)カウンター有り

 ゆいレール安里駅を降りた駅前ホテルへチェックイン。栄町市場満喫前提というわけで、アジアの路地裏のようなディープな雰囲気のエリアへ。旅気分も盛り上がる。ギョーザとビールは相性抜群だが熱帯夜の沖縄ならまた格別。

 ひとりハイペースでオリオンビール。ギョーザはもちろん美味しいが肉汁たっぷりの小籠包がまたたまらない。開放的なムードにまったりしてしまう。

■【KARIYUSHI LCH. Izumizaki 県庁前×ジャッキーステーキハウス】(沖縄県那覇市)テーブル

 今回の目当てはご存じ那覇で大人気のステーキハウス。すぐ隣に大きなエコノミーホテルはあるものの、ホテル評論家的には少し歩いた旭橋駅〜県庁前駅の個性派ホテルをセレクト。ジャッキーでは肉の旨味たっぷりのやわらかテンダーロイン一択。ライスにスープ、サラダも付く。

 各テーブルにはステーキソースからマスタード、ウースターソース、おろしニンニクもあり。テイクアウトも気軽にオーダーできる。

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 以上、日本全国20の「ビジホ×ひとり飯」を紹介してきたが、ここには載せきれなかった多くのホテル&お店はまだまだある。次の機会に紹介できればと思う。みなさんにもこうしたオススメビジホ&ひとり飯があることと思うが、そんな情報も是非教えていただければ嬉しい。

 自身を振り返ってみると、ビジホステイにおける部屋メシと外食はほぼ半々といったところだが、やはりひとり飯には“旅”を感じる。自分だけの都合で、気ままに気軽に楽しめるのもビジホ×ひとり飯の魅力だろう。

 コロナ禍で飲食店の受難が続く。移動そのものが憚られる昨今であるが、気兼ねなくひとり飯を楽しめる日が一日も早く戻ってくることを願ってやまない。

※掲載の情報は訪問時のものであり、実際の利用に際してはメニューや料金をはじめ、営業日、営業時間、休業、廃業などの情報を公式サイトなどでご確認ください。

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「 東日本編 」を見る

写真=瀧澤信秋

(瀧澤 信秋)

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