ドアを外して足元に紺碧の海を眺められるハワイの絶景ヘリツアー

ドアを外して足元に紺碧の海を眺められるハワイの絶景ヘリツアー

@DIME アットダイム

ハワイの空をヘリコプターで飛んでみた。

ハワイといえば綺麗なビーチと海遊びではないかと?

もちろんだ。ただしもうひとつ、欠かせないものがある。それは、美しい空の風景だ。

■ヘリのドアを取り外す

「何だって? 乗るだけでも恐ろしいヘリコプターのドアを、取り外すなんて!」

 多くの人が身震いするほどの反応を見せるだろう。正直、ヘリが横に傾いたら、落ちる恐れもあると思うはずだ。でも、よく考えてみよう。そんなリスクがあったら、こんな飛行オプションがあるわけがない。

 連日降り続いた雨は、飛行当日の朝、嘘のように止んでくれた。そして青い空がその輝かしい姿を見せた。

 ためらう余裕もなく、ホノルル空港の片隅にある、ヘリの飛行場へと向かった。簡単な安全講習を受けてから、私たちは滑走路へと移動した。多くの飛行機の中に、私たちが乗るヘリを見つけた。ローターを回しながらエンジの暖気をしていたパイロットのモリンが、明るく笑いながら手を振っていた。

 今日乗るヘリは『ロビンソンR44』という。安定した性能と高い安全性により、航空レジャー分野では大人気の機種だ。特に、前方視界が優れているという、長所を持っている。 さらに、私たちが選んだオプションは、よりリアルな飛行を楽しむためドアを取り外した、いわば「ドア無しヘリ」だ。


ドアを取り外した『Robinson R44』ヘリコプター。
(C)劉昊相

■風に髪をなびかしながら

 ずっと以前、ヘリに初めて乗った時の気持ちはまさに、“空飛ぶじゅうたん”だった。依然としてその気持ちは変わらない。そして、“空飛ぶじゅうたん”は空港を穏やかに離陸して、高層ビルがぎっしりと広がるホノルル市内に向かった。

 風に髪をなびかせながら空を飛ぶ気持ちは、ひとつのパラダイスだった。

 港湾と美しい海、そして、市内の景色がパノラマのように通り過ぎた。すぐにワイキキ海辺とその周辺のホテルが足もとに見え始めた。


ワイキキの上空
(C)劉昊相


経験せずには語るなかれ、このスリルを!
(C)劉昊相


美しい海色と海岸線、そして高級住宅地
(C)劉昊相

 地上で見るのとはまた違うヒスイ色の海。 撮影した写真に見える小さな白い点が、サーファーたちだということに気づいたのは、しばらく後だった。 改めてどれほど高く飛んでいるかを実感した瞬間だ。


ホノルルのランドマーク、ダイヤモンドヘッド
(C)劉昊相

 このヘリは車でいえば、軽自動車クラスの小さな機体だったが、見かけよりもずっと安定して飛んでくれた。ただし、小さいのでたまに風が強く吹いた時は、その影響を受けて煽られたりもするが。


火山島特有の地形と対比される濃い青の海
(C)劉昊相

 崖の上に建てられたマカプウ灯台をターニングポイントとして、ヘリは機首を北西方向に回し、オアフ島内陸へと向かった。


オアフ島の東南側の端であることを知らせるマカプ灯台
(C)劉昊相


足元に広がる美しい海の色、まるで夢の中を飛んでいる気持ち
(C)劉昊相


これまでとは全く違った険しい地形
(C)劉昊相

 ハワイの島々は火山活動により作られた。それもかなり険しい山岳地帯が形成されているのが、珍しいと思った。熱帯のリゾートにふさわしい海辺の上空を飛びながら、次の瞬間には、険しい山々に行き当たるとは、思いがけない経験だった。

■歴史の現場を飛ぶ

 山岳地帯から外れたところ、かなたに真珠湾が見えた。モリンは右、つまりオアフ島の北の方を目指した。


右前方に見える真珠湾
(C)劉昊相

 太平洋戦争当時、真珠湾を奇襲した日本軍戦闘機はノースショア(North Shore)方向から飛んできたと、教えてくれた。空を飛びながらその事実を知ると、なんだか不思議な気持ちになった。ふっと、自分が半世紀前空を飛ぶ戦闘機パイロットになって、真珠湾へと向かうような気持というか……。

 ヘリはいつの間にか、真珠湾上空へ入った。戦艦ミズーリ号が真っ先に目に入ってきた。本でしか見たことがない船体が足元に、しかも手に届くような場所にあることが、すぐには実感できなかった。


今でも写真撮影が制限される軍事地域、真珠湾を空で見下ろす特権
(C)劉昊相


沈没した軍艦、アリゾナ号の上に作られたアリゾナ記念館
(C)劉昊相

 真珠湾記念公園に訪れることを、旅の予定に入れなかったのが残念だったが、空から見回ることで、その名残り惜しさを紛らすことができた。

■ファイナルアプローチ

 ついに飛行も、最終段階に入った。 真珠湾近くに位置するホノルル国際空港へ着陸するために、ヘリは飛んでいく。


アメリカ気分が色濃いH1フリーウェイと隣接するホノルル空港
(C)劉昊相

 普通、レジャー・観光用のヘリは静かな場所に離着陸する場合がほとんどである。しかし、ここは規模が大きく混雑するホノルル空港に離着陸する。安全な離着陸のため、管制塔と交信を維持しながら旋回及び待機して、滑走路へ近づく時は低速で定められたルートに沿って移動した。このような手続きは非日常的なことであり、まるで映画の中に入っているかのような楽しさを感じた。


まるでおもちゃのように見えるジャンボ機を、見下ろしながら旋回(ホノルル国際空港)
(C)劉昊相

 普通の飛行機では経験できない、ヘリならではのホバリングで着陸する時は、劇的なスリルもあった。30分という長いといえば長いし、短いといえば短い飛行だったが、多くのことを体験できる、特別な飛行だったと思う。新しさへの挑戦には常に、それだけのリスクや対価がかかるものだが、代わりに多くのことが得られるものだ。そして、今回の飛行も同じだった

 さあ、次は、どんな新たな挑戦をしてみようか。

★インフォメーション

ノーヴィクターヘリコプター
場所:オアフ島、ホノルル国際空港内
ツアーの種類:昼間飛行/サンセット飛行/ホノルルシティ夜間飛行
費用(昼間飛行、1人当たり):20分・150ドル/30分・185ドル/45分飛行・235ドル/60分飛行・285ドル
http://www.novictorhelicopters.com

ヘリのドアは乗客の好みに合わせて選べられる。Doors-On/Doors-Off。見かけより怖くないので一度勇気を出して挑戦してみよう。

できれば30分以上の飛行ルートがお勧め。美しい海岸線と険しい山岳地帯、そして真珠湾上空での体験は、市内を見回すだけしかできない20分弱の飛行とは、比べようがないからだ。

取材・文/劉昊相(YOU HOSANG)

韓国出身。見知らぬ場所や文化を楽しむ、生まれついての旅行家。イギリス在住時に様々なプロジェクトを経験、Panasonicなど多国的企業での海外業務経験を持ち、英語、日本語、韓国語に通じる。旅行 コミュニティー「Club Terranova」を運営。

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