往復3万円台で行ける!超濃密な香港日帰りツアー

往復3万円台で行ける!超濃密な香港日帰りツアー

@DIME アットダイム

◎羽田発最終便で寝て起きたら外国に

 格安ツアーには不都合も多く、しばしば妥協も求められる。ところが、安さの理由を逆手にとることで、思いがけない旅が実現できたりもする。今回は往復約3万円で香港へ行ってきた。しかも日帰り(!)である。

 利用したのは、香港エクスプレスというLCC。価格の安さが魅力だが、注目すべきはそれだけではない。LCCにしては珍しく、成田ではなく羽田に発着するのだ。それも出発は深夜1時半と、羽田発の国際線では最も遅い時間に設定されている。

 LCCの流儀に則って発着料の安い深夜枠での運航なのだろうが、スキマトラベラーとしてはむしろこれは利点になる。仕事帰りに空港へ向かい、機内泊とすることで、時間を有効活用できるからだ。

 さらには帰りの便が現地夕方発なので、日帰りで行って帰ってくるような旅も現実味を帯びてくる。香港はホテルの相場が高めだが、1泊もしないなら宿泊費は1円もかからない。

成田ではなく羽田から出発

香港エクスプレスの搭乗手続きは出発3時間前に始まる。途方もなく長い行列に少々怯む。

◎着替えいらずで身軽に海外! 意外にも香港は寒かった……

「東京行きのフライトは24時間後に出発します」

 仕事を終え、羽田空港へ向かっている時のことだった。航空券を予約したサイトのアプリの機能で、スマホの画面にそんな通知が表示された。まだ出発もしていないのに、帰国便の案内とは……。旅が日帰りだという実感が改めて湧いてくる。

 空港内のバーでお酒を飲んで、飛行機に乗り込むやいなや寝る体勢に入る。機内は混雑していて、LCCならではの座席間隔の狭さもあって、やはり窮屈な印象は受けた。とはいえ、寝るだけと割り切ってしまえば、さほど気にはならない。

 目が覚めた時には、飛行機は着陸態勢に入っていた。予想どおり沖止めで、ターミナルビルまではバスで移動する。まだ夜も明けきらない時間帯だ。もう少し寝ていたかったなぁと眠い眼をこすりつつ、タラップへ出ると、予想外の冷気に体がブルッと震えた。香港が寒いなんて意外だ。現地では使わないだろうと小さく丸めていたダウンジャケットを慌てて広げた。

 荷物は我ながら驚くほど少ない。日帰りなので着替えはいらないし、カメラとスマホとそれらのバッテリーぐらいだ。渋谷にでも遊びに行くような身軽な格好で海外までやって来るのも、なかなか新鮮味がある。

寝るだけと割り切ること!

 

香港エクスプレスは2013年11月に就航。LCCなので機内食や預け荷物は当然有料だし、座席は狭い。だが安いので我慢。

◎約11時間の滞在時間をどう楽しむか

 香港の主要エリアは、概ね南北方向に長方形の形となっている。悩んだ結果、香港を北から南に順繰りに下っていく一筆書きルートを取ることにした。行きはバスで九龍半島のネイザンロードまで出て、帰りは香港島の中環から出ているエアポート・エクスプレスに乗る。

 まず向かったのは飲茶の店だった。香港といえば、何はともあれ飲茶である。短期旅行の場合には、自分が一番観たいもの、やりたいことから先に攻めたほうがうまくいくことが多い。予定どおりに事が運ばない可能性もあるし、肝心の目的が果たせないまま帰国するはめに陥るのは避けたいところだ。

 訪れた飲茶の店は、早朝だというのに大にぎわいだった。お茶をすすりながら新聞を読み耽る熟年層が多いのは、香港の朝のおなじみの光景。腹ごしらえを済ませ、香港一の道教寺院として知られる黄大仙へお参りに立ち寄ると、こちらも朝から活気が漲っていた。香港は夜のネオンのイメージが根強いが、朝早く着いても楽しめるのだ。

 お昼にはこれまた名物・雲呑麺を食べ、午後は香港島へ移動した。スターフェリーに揺られながら、対岸へ渡る瞬間はいつも静かな興奮に見舞われる。前方に林立する高層ビル群が徐々に近づいてくる。旅情を掻き立てられる、束の間の船旅だ。

 そのまま勢いで、ビクトリアピークにも上ってしまった。時間的にはぎりぎりだが、欲張って行った甲斐があった。香港を眼下に一望する絶景を目の前にした瞬間、遠くへ来たなあという達成感に包まれたのだった。

 たった1日だけなのはもったいないという意見もあるだろう。けれど、考え方次第だ。例えば2泊3日の旅だとしても、格安ツアーなら夕方に現地に着いて、帰りも現地を午前中に発つような内容のものは案外多い。現地滞在時間を最大限確保したうえでの日帰りは、実際にやってみて価値あるものと感じた。

 駆け抜けるような旅があってもいい。短いがゆえに、旅の密度はきっと濃いものになる。

朝食はご当地グルメ。早くも異国気分

到着したらまずは腹ごしらえ。ネイザンロード沿いの倫敦大酒楼は空港からのA21番バスを降りてすぐそばと、日帰り旅行者向けかも。

道の上にせり出す漢字看板。これぞ香港な街歩き!

深水?は「香港のアキバ」と称される。雑多な街並みの中、怪しげなガジェットなども売られていて、冷やかしで歩くだけでも楽しめる。

チャージ式カードで時間短縮

香港ではオクトパスカードが便利。地下鉄の切符からコンビニやカフェでの支払いまで、これ1枚で済む。

早い、安い、そしてうまい! 三拍子揃ったローカル飯を

香港は食べ歩きし甲斐のある街だ。昼食は雲呑麺に。サクッと食べられるので手軽だし、街の食堂ならローカルな雰囲気も楽しめる。

アジア最大級の買い物天国

中環のアップルストアは、ファンならずとも必見の豪華なつくり。円安なので旨みはないが、記念買いするのもアリかもしれない。

そびえ立つ摩天楼は昼夜を問わず圧巻!

[料金]
3万1900円(税込み/エクスペディアで予約)

[行程]
往路 1:30羽田→5:25香港 (UO623)
復路 19:05香港→翌0:30羽田(UO622)
6:30 バスで市内へ移動
7:30 飲茶の朝食
9:00 黄大仙(ウォンタイシン)観光
10:30 深水?(サムスイポー)散策
12:30 雲呑麺の昼食
13:30 スターフェリーで香港島へ
14:00 アップルストア見学
15:30 ビクトリアピーク観光
16:30 下山後、空港へ移動
17:45 空港着?

◎料金など各種のデータは取材時のものです。

(文/吉田友和)

1976年、千葉県生まれ。初海外旅行が夫婦で世界一周旅行。その旅の過程をまとめた『世界一周デート』で、旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱し、国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。

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