余命半年の宣告を受けた患者たち。半年後、彼らの身体からがんは消え去っていた―。第15回『このミステリーがすごい!』大賞はがん研究者が描く医療本格ミステリー

余命半年の宣告を受けた患者たち。半年後、彼らの身体からがんは消え去っていた―。第15回『このミステリーがすごい!』大賞はがん研究者が描く医療本格ミステリー

大賞を受賞した、岩木一麻氏

 宝島社が主催する、第15回『このミステリーがすごい!』大賞の受賞作が決定した。応募総数449作品の中から、1次選考(21作品通過)、2次選考(7作品通過)を経て賞金1,200万円の大賞に輝いたのは、岩木一麻『救済のネオプラズム』。賞金200万円(均等に分配)の優秀賞には三好昌子『縁見屋の娘』、柏木伸介『クルス機関』の2作品が選ばれた。

医療本格ミステリー『救済のネオプラズム』(仮)

余命半年の宣告を受けた患者たち。半年後、彼らの身体からがんは消え去っていた。一体がん治療の世界で何が起こっているのか?

第13回の2次選考で落選した作品を改稿して応募することには、ためらいも感じました。しかし、頂いたアドバイスを生かして他賞に応募するのも変な話だと思い、作品を選考委員に読んでもらえれば良い、と割り切って応募しました。応募前に、医師、看護師、研究員などの専門家に作品を読んでもらい、「こんな手があるのか」と驚いてもらって嬉しかったですし、専門家ではない友人たちにも「難しくてわからないかと思ったけど、面白かった」といってもらって安心しました。
岩木一麻

・史上最高レベルの医療本格ミステリー。こんなとんでもない謎を正面に掲げるとは前代未聞、大胆不敵。(大森望)
・まったく見当のつかない真相。謎の設定がとにかく素晴らしい。(香山二三郎)

公安サスペンス『クルス機関』(仮)

日本に潜伏している北朝鮮の工作員が大規模破壊工作を画策している―。果たして、独断専行の外事課捜査官はテロを防げるか?

ずっと暗い森の中を彷徨うように書き続けてきて、賞をいただけましたら光が射すと思っておりましたが、更に深い奥の方へ踏み込んでしまったようです。何処まで行けるか分かりませんが、力の限り進んでいく所存ですので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
柏木伸介

・迫真のリアリティと大胆な虚構性。そのバランスが絶妙で、思わず物語にひきこまれてしまう。(吉野仁)
・公安警察版の『新宿鮫』。クライマックスのテロ・シーンに向けてサスペンスを高めていく演出もスリリングのひと言だ。(香山二三郎)

時代ミステリー『縁見屋の娘』(仮)

悪縁により短命な家系に生まれた不運な娘を救うべく、謎の修験行者が施す大いなる“秘術”とは?

小説を書き始めて25年が経ちます。年齢は半世紀を超えました。元々好奇心が強かったせいか、色々な事をやりましたが、唯一続いたのが小説を書くことでした。これまでの人生のすべてが、小説の中に生かされているのを感じます。私を選んで下さった方々や、応援して下さる方々に感謝し、またその「想い」に応えるためにも、これからも精進し、書き続けて参ります。
三好昌子

・伝奇仕掛けの人情サスペンス。こなれた語りで読ませる。(香山二三郎)
・小説的な完成度は今応募作中、随一。登場人物一人ひとりへの目配り、展開の説得力、伏線の見事な回収、活き活きたした会話――どれをとっても文句の、つけようがない。(茶木則雄)

 『このミステリーがすごい!』大賞は、ミステリー&エンターテインメントブックガイド『このミステリーがすごい!』を発行する宝島社が、新時代の新しいミステリー&エンターテインメント作家・作品の発掘・育成を目的に、2002年に創設した新人賞。これまで、第153回直木賞受賞者の東山彰良や、第15回大藪春彦賞、日本推理作家協会賞受賞の柚月裕子、累計1000万部突破の『チーム・バチスタの栄光』シリーズの海堂尊などの作家を輩出してきた。

 大賞作品からは多数のベストセラーが生まれ、『一千兆円の身代金』(八木圭一、2015年テレビドラマ化・主演:香取慎吾)、『さよならドビュッシー』(中山七里、2013年映画化・主演:橋本愛、2016年テレビドラマ化・主演:黒島結菜・東出昌大)など、映像化作品も多数世に送り出された。第15回『このミステリーがすごい!』大賞、優秀賞を受賞した3作品も、2017年1月から順次、単行本化する予定となっている。

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