オートレース 長期療養を経て逞しくなった田辺誠

 走れないもどかしさ。怪我で戦列から離れると必ず感じる疎外感。川口オート所属の田辺誠もその疎外感を1年近く味わった。
 昨年10月の事故による下股開放性粉砕骨折の重傷で、2度の手術を余儀なくされた。
 病床では「仲間がお見舞いに来てくれるし、その仲間の結果だけはチェックしてました」と苦笑していたが、焦りはあったに違いない。

 懸命なリハビリを経て、復帰したのが8月末の伊勢崎遠征だった。
 「思った以上に乗れました」と振り返る。
 それもそのはず、復帰2節目となった地元川口では連日、病み上がりとは思えないパワフルなレースで優勝戦にまでこぎつけた。

 「雨なら一発あるかも。でも、自信はないっすよ」と謙遜していたが、レースでは望み通りに雨天で先頭をひた走った。しかし、勝負はそう簡単ではない。最終周回に差を詰められ、ゴール前で高塚義明に交わされてしまう。結果は準優勝に終わったが、復帰2節目でこの成績は立派すぎる。
 「今後、ボクのランクでは記念もほとんど走れないですし、地道に一般戦で頑張ります」と、当分は一般開催行脚となりそうだが、走れる喜びを実感しているはずだ。

 味わった疎外感、そして挫折感を乗り越えた今、一層逞しい田辺の姿がある。

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