話題の1冊 著者インタビュー 橋本テツヤ 『昭和ヒット曲の真実』 KADOKAWA 720円(本体価格)

 −−7年間続いた日刊ゲンダイの人気コーナー「橋本テツヤあのヒット曲を追っかけろ!」が書籍化されました。これだけ長く続き、人気が高かった理由を自分では、どう分析していますか?

 橋本 当初はすぐに打ち切りになってしまうかなと思いましたが、おかげさまで評判がよく、7年間も連載が続きました。ファンレターまで届きましたよ。オジサンたちからですが(笑)。やはり中高年の方々にとって「この曲よく歌ったな」「こんな曲あったよね」という思い出に残る曲や、その世代ならば誰もが知っている曲は1曲や2曲あるものです。その曲を当時の社会的背景や詞の意味、その歌手にまつわるエピソードなどを交えて解説したのがウケたのかもしれませんね。文化放送の『セイ!ヤング』をはじめ、かつてラジオで歌謡番組のパーソナリティーを務めていました。ゲストの曲を流している間は世間話をしたり、その曲について、恋愛の歌なら「誰を思って歌っているのか」「この曲はどんな気持ちで歌っているの?」などと質問して、記者には語らないような、歌手本人しか知らないエピソードをゲストがいろいろと語ってくれたんです。それが歌手のエピソードを書く上で大いに役立ちましたし、ほかの昭和歌謡を扱った本との決定的な違いですね。

 −−歌詞でいえば、幼い頃に聞いた曲で、今でも心に残っていているフレーズがあります。

 橋本 平成にもいい曲はたくさんありますけど、何を歌っているのか聞き取れない曲が多いような気がします。昭和の歌謡曲は、詞の意味はともかく、言葉がスッと耳に入ってきますよね。そこが魅力の一つだと思います。例えば、1曲すべては歌うことができなかったとしても、ワンフレーズだけ覚えている曲がありますよね。それだけ印象深いというのは曲が1人歩きしている証拠です。ヒット曲というのは、作詞家の歌詞と作曲家のメロディーが合致し、それと同時に歌手がそれをうまく体現できる時に生まれるんです。そうなると歌手や作詞家、作曲家が誰であろうと関係なく、その曲は1人歩きし、不滅の名曲としてみんなに歌い継がれるようになる。また歌詞の意味については、作詞家が「こういう意味だよ」と解説していない限りは、聞いている側がどのように捉えてもよいものなんです。だから、私の想像で歌詞を解釈した曲もありますし、読者の方々の解釈とは違う曲もあるかもしれません。そんな時に新たな解釈を示してくれるのを楽しみにしています。
(聞き手/本多カツヒロ)

橋本テツヤ(はしもと・てつや)
慶応義塾大学卒業。ジャーナリスト、コラムニスト、作詞家、心理カウンセラー、肥満予防健康管理士。全国で講演活動も精力的に行っている。

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