悩んでいた自分に「まちがってないよ」と伝えたい。MACOインタビュー

悩んでいた自分に「まちがってないよ」と伝えたい。MACOインタビュー

悩んでいた自分に「まちがってないよ」と伝えたい。MACOインタビュー

「今をときめく女性シンガーといえば?」と聞かれたら、真っ先に浮かび上がるのがMACO。数年前、音楽配信サービスでMACOの曲に出会った私は、ストレートな歌詞と透き通るような声に魅了され、気づけば通勤・退勤時に何度もリピートしていた。そんな彼女が、TGC広島のアーティスト枠で登場。バックステージで、自身が歩んできた道について赤裸々に語ってくれた。

札幌に行くより、東京に出たほうが早いと思った。

「地元の北海道でライブしていたときにスカウトされて、22歳で上京しました。私は函館出身で、友だちは札幌に出る子が多かったんですが、夢を叶えるためには東京に出たほうが早いと思ったんです。迷いはなかったですね」

昔から歌うことが好きだったというMACO。北海道の雪景色を彷彿とさせるような、オールホワイトの衣装に身を包み、当時を振り返って懐かしそうな笑みを浮かべた。

2013年の上京後、MACOがYoutubeにアップしたテイラー・スウィフトの『We Are Never Ever Getting Back Together 〜私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない』の日本語カバーが話題に。動画には「すごくわかる、胸に響いた」「めっちゃ歌うまい!」などの好意的なコメントも寄せられたが、「原曲の意味とかけ離れている」という批判的な声も多かったという。

「私なりの日本語解釈をしていたので、洋楽と日本語カバーのギャップに悩んだ時期もありましたね。このままカバーを続けていいのかな、って。だけどそれ以上に応援してくれる人たちの声で、このつらい時期を乗り越えることができました。そのときの自分には、『別にまちがってないから、そのままがんばって』と声をかけてあげたいです」

初めての分岐点。オリジナルソングで“新しいMACO”が誕生。

それから1年ほど日本語カバーを続けたMACOだが、歌手として初めての分岐点が訪れる。それが、自身初のオリジナルソング『LOVE』のリリース。「恋をして笑ったり 愛を知って寂しくなったり これが本当の幸せ」という等身大でまっすぐな歌詞が、多くの女性たちの心をつかんで離さなかった。

「『LOVE』があったから、“恋愛を歌うシンガーソングライター”という今のスタイルを確立することができました。この曲を聴くと原点に戻れるので、ライブでも必ず歌うようにしています」

好きな人のことを想いながらこっそり聴きたい。そんな甘酸っぱいラブソングを、MACOは多く手がけている。恋の歌をつくるときは、「友だちとの恋愛話や、キレイな景色、好きな季節からインスピレーションを受けています」と話す彼女。2017年11月に発売した3rdアルバム『メトロノーム』に込めた想いも語ってくれた。

「みんなの心が寂しくなったり、気持ちが乱れたりしたときに、私の歌ですこしでも支えてあげたくてこのアルバムを作りました。アルバム収録曲『メトロノーム』のサビでは、年を重ねるごとに実感することを歌詞にしています」

そのタイトルの通り、一定間隔で音を刻むメトロノームのようなリズムが特徴的な楽曲。「ズレてつまずいても重なり合う 二人だけのメトロノーム 刻んでゆこう」という歌詞には、「つらいことがあったらここに戻ってきていいんだよ」という、MACOからのメッセージが込められているのかもしれない。

MACOの歌が、多くの女性たちを虜にする理由。

今年26歳になったMACO。この1年間を振り返ると、CMソングに起用されたり、上海ライブを成功させたりと、歌手活動の広がりを感じることが多かったと語る。その広い世界を見つめるまなざしに、私は彼女を手の届かない遠い存在に感じたけれど、「目標としている人」を聞いてみると意外な答えが返ってきた。

「私が目標としているのは、母ですね。私含め兄弟をここまで育ててくれたことに感謝しています。いつか私も、そんなお母さんになりたいです」

てっきり世界で活躍するような大物歌手の名前が挙がるかと思っていた。しかしMACOが目標とするのは、誰よりも身近な存在の“母親”。彼女も私たちと何ひとつ変わらない、やさしい母親像に憧れる、ひとりの女性なんだと感じた。だからこそ、同世代の女性たちと同じ目線に立って、胸に響く歌をつくることができるんだろう。

その夜、TGC広島の取材を終えた私は、イヤホンで『メトロノーム』を聴きながら広島空港発の飛行機に乗った。その歌は、やる気を奮い立たせたり胸をときめかせたりするのとはまたちがう。まるで母のような包容力とあたたかさで、疲れた私を包み込んでくれた。

(編集・文:高橋ちさと/マイナビウーマン編集部、撮影:前田立)

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