外観は一見、ジミでクソマジメだが、スペシャル感バリバリ…スバルBRZの最上級グレード「STIスポーツ」に試乗!

外観は一見、ジミでクソマジメだが、スペシャル感バリバリ…スバルBRZの最上級グレード「STIスポーツ」に試乗!

中身は金額から想像もできないほど充実している、スバル BRZ STIスポーツ

つくづく三つ子の魂百まで!ってか、ガンコなヤツは何やらせてもガンコだし、マジメなヤツは何から何までマジメだったりするもの。さしずめ、そのクルマ版がスバルである。

例えば、昨年11月1日に発表された3列シートのSUV「エクシーガ クロスオーバー7」の生産終了である。基本、マジメに車内を広く造りすぎてカッコ悪くなったのが敗因だ。今回、試乗したBRZも同じ。トヨタと共同開発し、2012年に誕生したFRスポーツのBRZも、当初は4WDが世界で最も安全!と信じるスバルだけに、ハンドリングは徹底的にドリフトしないアンダーステア路線であった。安定してはいるがぶっちゃけ、ツマラナイ面もあったのは事実。

しかし、マジメってのはひとつの武器なのだ。熟成による熟成で確実に欠点を消し、味が良くなっていく部分もある。それが昨年10月25日に発売されたBRZの最上級グレードであるSTIスポーツだ!

そもそもBRZは、一昨年7月のマイナーチェンジで兄弟車トヨタ86と共に大きく走りを改善。乗り心地とステアリングフィールが格段に良くなった。と同時にアンダーステア一辺倒の走行特性もトヨタ方向に近づきつつあった。あれから1年強、さらに走りを磨いたようだ。

走りだけではない。このBRZのSTIスポーツは、従来のカタログモデル最上級のGTの上に位置するモデルで、車両価格は353万円超とGTより約20万円高。だが、その中身はとても金額からは想像もできないほどの充実ぶりなのである。

外観は一見するとジミでクソマジメすぎ。カタチを変えた専用フロントバンパーとSTIロゴ入りフェンダーガーニッシュやSTIエンブレムやBRZエンブレムが目立つことぐらい。一応、ブラック化されたルーフアンテナや電動格納式リモコンドアミラーもついてるが…。

だが、インテリアは外観以上の変わりっぷりで上質なアルカンターラ皮革の黒赤系本革シートに本革ステアリングホイール、そこらじゅうに配されたレッドステッチにSTIロゴ入りマルチファンクションディスプレイ付きメーター、ステンレス製サイドプレート、所々のピアノブラック調加飾でスペシャル感バリバリである。

さらにビックリなのは走り味に大きく関わる中身。外観をよく見ればわかる部分もあるが、まずはGT用より1インチワイドな18インチの専用ブラック塗装アルミホイールと専用タイヤを採用。加えて足回りには当然のごとく専用のザックス製ダンパーとZF製コイルスプリングを装着。全体を固めてるのはもちろん、ここがスバルのクソマジメたるゆえんだが、リアサス取りつけ部の鉄板厚を厚くしただけでなく、STI独自のフレキシブルVバーやフレキシブルロースティフナーを装着して強化。これらがまた個性的で単なるボディ強化バーでなく、途中にユニバーサルジョイントまで挟んであって固めると同時にしなやかさも獲得している。

今回、北海道・美深町(びぶかちょう)にあるスバルのテストコースでSTIスポーツに乗ったのだが、走りだすなりステアリングフィールと、乗り心地の良さにビックリ! タイヤの18インチ化により、明らかに上下方向には乗り心地が硬くなっているが、不快な振動は不思議と伝えない。

それどころかボディが路面によりピタッと張りつくような操舵感になり、走り味はさらにクリアに。ヘンな話、アルコール度数は高まっているのに飲みやすくなってるお酒というか、確実にクルマ全体が速く気持ち良くなっているのだ。こんなのに毎日乗ったらマジメな話、BRZにいよいよ酔いそう(笑)。

唯一、残念なのは自慢の2リットル水平対向4気筒には手が入れられてないことで出力は相変わらず6速MT車が207馬力で、6速AT車が200馬力。この足回りとボディならば、250馬力ぐらいあっても平気で受け止めそうで、さらに気持ち良く運転に酔えそうだがそこはマジメなスバルのこと。パワー向上以上に走り味の磨きに専念したよう。

しかし普通に考えたらザックス製ショックやZF製スプリングへの交換だけでも専門ショップでやったら20万円ぐらい平気で取られそうだし、専用タイヤ、専用ホイール、専用シートも装着してこの値段。さらに言えば正規ディーラーで買えるんだから言うことナシ! ホント、こんなにおいしいチューニングモデルをこの良心価格で提供するスバルってのはクソマジメにもほどがあるなと(笑)。

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●小沢コージ







1966年生まれ、神奈川県出身。青山学院大学卒業後、本田技研工業に就職。90年に自動車誌の編集者に。著書に『マクラーレンホンダが世界を制する!』(宝島社新書)など多数。TBSラジオ『週刊自動車批評』レギュラー出演中。日本&世界カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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