茜丸・茜太郎に聞く「あ〜ほんま あ〜まんま」の意味は?

茜丸・茜太郎に聞く「あ〜ほんま あ〜まんま」の意味は?

[写真]お馴染みのCMに出演する茜太郎。踊ったり歌ったりと多彩だ

 道頓堀で「♪あ〜ほんま、あ〜まんま〜」──。大阪名物「茜丸のどらやき」のケッタイなCMを見たことがある人は、関西を中心に多いだろう。大阪に来たことがある人も、おみやげコーナーなどで、この独特な丸メガネのキャラクターのどら焼きを見たことがある人も多いかもしれない。このCMのメロディー、妙に心地よくすっかり有名だが、歌っているのはお馴染みの「茜太郎」。しかし、この人物、いったい何者なのだろうか。本社を訪ね、話を聞いてみた。

2001年テレビCM開始、富士山編など数々のバージョン

 「茜丸」(本社:大阪市天王寺区)は1940年(昭和15)の創業だ。四天王寺に店舗「茜丸本舗」を構え、工場ではあんを作っている。

 現在ではあんの製造を基盤としながら「茜丸五色どらやき」をはじめとする和菓子事業、「豆問屋」などを運営する外食事業まで、「あん」を核とした事業を展開している。同社の会長は北條勝彦氏。またの名を茜太郎。紫に染めた髪がトレードマークで、五色どらやきのCMに自ら出演し、踊ったり、歌も歌う。何とも大阪的なユニークな人物と言っていいだろう。

 テレビCMを開始したのは2001年。以来、母から娘編、メルヘン編、うまサンド編、富士山編、ラベンダー編、歌う茜太郎戎橋編・夏など、数々のCMを制作してきた。

 さらにこのほど最新バージョンが完成し、キタやミナミの大型街頭ビジョンで流れるだけでなく、12月からテレビのCMで放映されるという。

「あ〜ほんま、あ〜まんま〜」の意味は?

 それにしても、インパクトのあるCMだが、そもそも制作するきっかけは何だったのか。

 「最初のCMは、四天王寺で生まれた会社ですから、四天王寺にちなんだものを作りたい、ということで始まってます。だから四天王寺を題材にしている。見た人のインパクトを考えて、あんなCMになった。あの音楽もいろいろ試行錯誤がありました」(茜太郎)

 ♪あ〜ほんま、あ〜まんま〜。これは一体どういう意味なのか?

 「実は“あるがままに”というのが最初やった。うちのお客さんは、年配の女性が多いから、おばちゃんの応援歌なんやな。これを作詞作曲した人は、なかなかの人で、弱い人に対する応援歌ですわ。『あるがままに、好きなように生きなはれ』というのが、CMのメッセージやった。『あるがままに』が、『あ〜ほんま、あ〜まんま』になった」

新CMは戎橋で茜太郎が...

 ところで、今回の最新バージョンも強烈だ。戎橋を舞台に茜太郎がピアノを弾き、歌を歌いながら、そのまま空中へと上がっていく。その独特のおかしな世界に思わず笑ってしまうが…。

 「お客さんに対して、同じ商品をずっと売るわけやから、1回じゃなく、2回、3回と食べてえなという話です。で、何か意表をつくもんないかなと考え、それでピアノがええんじゃないかと思って、それで作った。ピアノがばあ〜と上がっていったら、びっくりしはるやろと思って」

 最初の頃のCMは四天王寺を題材にしたもので、ほとんどが四天王寺とともに歩む茜太郎になっている。「それでは大衆の共感を得ない。悪いけど。残念なことにそうなんや。それで新しいCMを作りませんか、という話があって、どういうCMがええかを考えた。出し物はピアノやから、大阪のいちばんのスポットはどこか考えたら、そら戎橋やないかということで。それで歌に乗せて、今回の作品になったんです。CMって大衆の共感を得るかどうかやから。商品は食べてもろて、美味しいって言ってくれる人が圧倒的に多いから、まあいけるな、と。商品はいけるから、あとはCMやな、と。ピアノも習い始めたし、基本のアイデアは全部自分で考えました」(茜太郎)

 一度見ると、メロディーとともに忘れられなくなる理由が分かった気がする。
(文責/フリーライター・北代靖典)