コスROMだけじゃない!無審査着エロが原因で、再び児ポ法改定の動きが再燃も──ソフ倫内部資料に記された当局の意図

コスROMだけじゃない!無審査着エロが原因で、再び児ポ法改定の動きが再燃も──ソフ倫内部資料に記された当局の意図

『ソフ倫ニュース』8月号(平成28年9月1日発行号)より。

 9月下旬、ダウンロード販売サイト・Getchu.comや、秋葉原の店舗・げっちゅ屋あきば店を運営する株式会社ゲインズが、コスROMタイトルの通販・店頭販売自粛を開始し注目を集めた。

 この動きは7月21日に警視庁が生活安全部保管課長名で行った通知「適正なDVD販売について(依頼)」がコスROMにまで波及したものだ。

 ここで警視庁が問題視したのは、「着エロDVD」と称してネットや店舗などで販売されている性交場面等がない女性のヌードを主体としている審査団体の審査を受けていない商品群であった。

 これを受けて、NPO法人知的財産振興協会(IPPA・知財協)は「一般社団法人日本コンテンツ審査センター」「日本映像ソフト制作・販売倫理機構」「ビジュアルソフト・コンテンツ産業協同組合」の3審査団体で「より一層慎重な作品審査を実施していく」ことを確認。販売店で構成されるNPO法人セルメディアネットワーク協会では、8月5日付で公式サイトのトップに「『適正なDVD販売について』(保、風-第1160号)に対し全面的に受け入れ、再発防止に協力いたします。警視庁管轄内はもちろん全国の会員対する依頼であると認識し、関係団体とも協議協調の上、AV業界の健全化青少年健全育成に寄与する所存でございます」という文章を掲載し、注意を呼びかけた。

 これらに業界は敏感に反応し、インターネット販売の大手・DMMが一部メーカーの商品の取り扱いが中止された。また、店頭でも商品や広告の撤去は速やかに行われた。コンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)の発行する『ソフ倫ニュース』8月号(平成28年9月1日発行号)では、一面で「秋葉原店舗調査実施〜広告や看板等の設置対応に変化〜」を報道。この中で警視庁からの通知以後の状況の変化を次のように記している。

 ソフ倫事務局で確認したところ、路上の看板や広告等は控えられていたが、店舗内においては、現時点においても、無審査の商品が陳列されていた。未審査商品を返品している販売店様があるとの情報がソフ倫事務局へ寄せられていたが、実態としては未だに販売されており、未審査商品の撤去はこれからになるのではないかと懸念されています。

 この記事からは、ソフ倫をはじめ業界団体では、警視庁の通知を受けて未審査の「着エロ」商品が規制強化の糸口になるのではないかと強く懸念。こうした8月中の調査結果を受け、さらに未審査商品の排除を呼びかけたものが、コスROMにも波及したことが見えてくる。

 さて、こうした動向の中で規制の強化を懸念するソフ倫では諸官庁を訪問し、業界でも各団体が対応をしている旨を説明していたことが、内部資料でも明らかになっている。

 これによれば、ソフ倫は8月9日に警察庁生活安全局青少年課を訪問し業界の動向および、ソフ倫でもアイドルビデオの審査を開始したことを説明。応対した少年課の山本清昭課長補佐からは「警視庁からの通達は重要事項として受け止めている」「着エロやアイドルビデオは児童ポルノ禁止法に結びついている。また、国連の動きから国際問題ともなっており、警察庁も力をいれている」「業界として自主規制していただくことは大変望ましい、法規制とならないように十分注意して欲しい」との発言があったという。

 また同日には、内閣府で内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付青少年環境整備・総合調整第一担当などを担当する森浩史参事官(警察庁警視)らとも面談。ここでは森参事官より「着エロやアイドルビデオについて自主規制が進まないと、再度の児童ポルノ禁止法改正の再燃に繋がる恐れがある」「各団体が主体となって、審査団体のことを知らしめ、自主規制を進めて欲しい」との発言がなされたと記録されている。

 さらに、森参事官は「最近のAV強制出演についても注目している」と発言している。警察側の意図は、これまで警察が把握していなかった無審査作品や出演強要の問題までを、一気にあぶりだそうという点にあるのか?
(文=着エロ問題取材班)

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