VR元年、ついに山が動く……! 今秋に配信をスタートする「DMM.com」が放つVR動画とは!?【インタビュー前編】

PlayStation VR発売となり“VR元年”と称される2016年、DMMがVR動画100作品配信へ

記事まとめ

  • Oculus RiftやHTC Vive、Gear VR、PlayStation VRが発売されVR元年と称される2016年
  • 巨大コンテンツ配信サイト「DMM.com」では今秋からの配信を予定しているという
  • 第1弾として一般向けと成人向け、あわせて100タイトル配信を予定とDMM執行役員は話す

VR元年、ついに山が動く……! 今秋に配信をスタートする「DMM.com」が放つVR動画とは!?【インタビュー前編】

VR元年、ついに山が動く……! 今秋に配信をスタートする「DMM.com」が放つVR動画とは!?【インタビュー前編】

「VR動画β - DMM.com」より

 もはや使い古された慣用句のようになりつつあるが、Oculus RiftやHTC Vive、Gear VRが国内でも発売され、そして10月13日には「PlayStation VR」(以下、「PSVR」)も発売となり、“VR元年”と称される2016年。

 先月開催された「東京ゲームショウ2016」(9月15〜18日/以下「TGS」)でも、VRモードを搭載したゲームやデバイス、専用機器が数多く展示され、ゲーム・アニメ専門誌から経済系、一般メディアにまで注目され、無数のニュースが生み出されたのは印象に新しいところ。

 PSVRと同時に発売となる『アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション』(バンダイナムコエンターテインメント)など、楽しみなゲームもあるが、男性としてやはり気になるのはもっと直接的に女の子とイチャイチャできるようなゲームや、エッチな方向でVR技術を満喫できるような動画はあるのか? というところではないだろうか。

 というわけで、動画・ゲームの配信といえば今や真っ先に名前が挙がる巨大コンテンツ配信サイト「DMM.com」の執行役員であり、動画配信事業部・電子書籍事業部の事業部長でもある山本弘毅氏を直撃! 今秋からの配信を予定しているというDMM.comのVR動画コンテンツについて、いろいろと聞いてみた。


■デバイスは“質と量”でスマホとGear VRに

―― 今秋からVR動画の配信がスタート予定ということですが、具体的にいつごろから、またどんなラインナップとなりそうなのか、解説からお願いできますか?

山本弘毅(以下、「山本」) 配信開始時期は今年の秋です、細かい日時はまだお話できないんですが……なぜ16年秋かというと、VR元年といわれている中で、Oculus RiftやPSVR、HTC Viveも普及してきたと思いますし、今回の「TGS」でもVRの展示は多かったし、記事にもなって、だいぶ認知度も高まってきていると考えています。14年にVR動画のLPを作るだけ作ってずっと放置していましたけど(笑)、この秋こそベストだろうと判断したわけです。で、コンテンツに関してですが、一般向けと成人向け、あわせて100タイトルぐらいは第1弾として配信できそうかなと。

―― 一気に100タイトルも! ちなみにデバイスはどうなるんでしょうか?

山本 スマートフォンとGear VRですね。

―― その2種類に絞られた理由は?

山本 スマホはなんといっても圧倒的な普及台数の多さ。今VRの開発をしている、(開発を)予定されている方の多くもスマホメインで考えているでしょうし。ただ、やっぱスマホVR、ダンボールゴーグルだけではクオリティが……VRの良さが伝わりきらないのではないかと。そこである程度のクオリティを担保できるであろうGear VRも選ばせていただいたという感じです。まずはこの2種類から始めて、その後どうするか、市場の様子を見極めていければと思います。

―― スマホなら、すでに先行してVRモード搭載のアプリゲームも配信されていますし、たしかにユーザーさんがそれなりにいそうです。

山本 スマホだけでも良かったぐらいなんですが、でもそれだと“VR=ダンボールで見た映像=そこまでのものでもない”と受け取ってしまわれる懸念があるなと感じたんです。スマホVRだけで「DMMのVRはこんなものか」となるのはちょっと残念ですから(笑)。Gear VRであれば、VRをかなりのクオリティで楽しめますから、そこから口コミで広がっていってほしいなと思います。

―― 「TGS」などでOculus Riftとスマホを試遊してみたんですけど、差はありますよね、やっぱり。

山本 そうなんですよね。ただ現状、Oculus Riftなどを試遊したことがある人もまだ少ないと思います。とりあえず今はGear VRとスマホで、質と量の両方を狙ったというイメージです。


■配信コンテンツの基本は実写動画に

―― 先ほど最初の配信動画は100本ぐらい、というお話がありました。「TGS」ではDMMさんは『刀剣乱舞』のVR体験会(「DMM GAMES VR x 刀剣乱舞-ONLINE- 三日月宗近Ver.体験会」)を行い、すごい行列ができるなど人気になっていましたよね。2次元、アニメやゲームのVR動画などもプランとしてあるものですか?

山本 リリース時にもアニメ動画が数本だけありますけど、基本は実写です。それに我々はコンテンツを作っているわけではありません。そういった作品を制作されている会社さんがあれば、ぜひ我々のプラットフォームで配信させていただければと思いますけど、まだ数が少ないですから。

―― とりあえず新技術を試してみました、デモ映像を作ってみました、というところが多いですよね。

山本 弊社の場合は有料課金です。課金用のコンテンツはやっぱりそれなりのクオリティやボリュームが必要になりますし、下手なものを作ってしまうと、コンテンツホルダーさんのブランドが傷つくことになりかねない。VRに限らず、プロモーション用、無料配布用に作った動画をお持ちのメーカーさんに、それを有料で配信しませんか? と聞いてみても「いやこのクオリティでは……」と断られるケースも結構あるんですよ。

―― それこそ「TGS」のようなイベント時にブースで流すPVであったり。

山本 そうですね、メーカーとして新しいことにも取り組んでいますよ、というブランドイメージを持ってもらうためのもので、商品化の段階には至っていない。ブランディングですよね。実際にVRコンテンツを売るというところまでいってないメーカーさんが多いんですよ、DMMが秋からVRの配信を始めると、お伝えしたのも今年の春から夏にかけてぐらいでしたし。ただ、他の配信サイトさんでも取り扱うところが増えてきて、DMMも含めて何社かあるようだったら始めてみようかな、というところは増えてきたみたいです。販売先、配信サイトが1社や2社だけだと、なかなか踏み切れないんでしょうね。

―― VR動画の制作は手探りの部分も多いでしょうし、時間も手間もかかると思いますが、メーカーさんたちはどんなテンションで制作に取り組んでいるものですか?

山本 我々はプラットフォームで、メーカーさんが作ってくれたものを仕入れて配信しているだけですけれど、メーカーさん方としてはやはり新しいことをやっているというブラインディング、あと今数百社ぐらいDVDをリリースしているメーカーさんがあって、その競争は実に激しい。その中でまだVRに参入しているメーカーさんは少ないですから、今やると目立ちやすいというのはあるかもしれませんね。これだけメーカーさんがあって、その中で上位にくる大手さんというのがある程度固まっています。VRは、まだどこかがトップになるのかわかりませんから。そういった部分でチャレンジするメーカーさんが増えて、今は10社以上あります。


■新技術普及にはやっぱりエロ!? 期待を背負うDMM

―― VRのアダルトコンテンツ展示会が盛況だったり、やっぱ新しい技術が採用され、広まっていくのにはエロのパワーが必要と思われる風潮があります。そういった風潮をどう捉えていますか?

山本 それは僕らがというよりも、周囲の皆さんがVRが市場に出回るためには成人向けコンテンツが必ず必要で、普及にも一役買うだろうと思われているんですよね。VHS、ネット、DVDと新技術が出るたびに、成人向けコンテンツが普及に一役買ってきたという歴史もありあますし。

―― 『洗濯屋ケンちゃん』の時代からずっとですよね(笑)。

山本 そうですね(笑)。没入感とかを考えると、男性なら皆そっちを最初に期待されるでしょうから。また、VRで楽しめる成人向け動画や同人系のアニメ、ゲームのVRを期待される層と、新しいガジェットが好きという層はかぶっていると思うんですよ。ガジェット好きはやっぱり男性が多いでしょうし、そういった親和性を考えるとやっぱり男性向け作品から普及していくんだろうと思います。

―― 我々みたいなアニメ・ゲーム系、ガジェット系、それに経済系のニュースをやっているようなメディアも興味を持ちそうですね。

山本 VRというキーワードがあって、DMMなら何かやるんでしょ? DMMが本格的にやるなら市場も動いてくるだろう――とお考えになるのか、取材もたくさんご相談をいただいています。これはやっぱりVRだからですよね、普通の動画だとここまではこないでしょう。

―― 実際、「VR 成人向け」といったワードでネット検索すると、DMMさんの2年前に作った動画やインタビューが上位にきますし。

山本 時期がきたら最初に参入しますよ、というメッセージ、決意表明だったんですが、おかげさまでそういったイメージを持っていただいたみたいです。

―― 実際「TGS」でも美少女系VRが多かったですものね、海外のゲームメーカーだとレースゲームだったりするのに。

山本 やっぱ日本のユーザーさんが特殊なんだと思います、それに特にコアな層にそういうハードウェア好きが多い。マスに向けていきなりVRといっても伝わりづらいですよね、体験できる機会もなかなかありませんし。

―― VRが難しいのはそこですよね。超高画質であるとか、3DCGの技術のおかげで動画がすごいみたいなところは画像や映像でもそこそこは伝わりますけど、VRはデバイスを被ってみないことには魅力が伝わらない。

山本 そうですね。また、先ほどのお話とも被りますけど、ダンボールVRでも、充分には伝わりきらないですよね。一回でもOculus RiftやGear VRを被ってみていただければ、「おっ!」となると思いますけど。

―― DMMさんの動画もどこかで体験できる機会があるといいのかもしれませんね。

山本 ああ、なるほど……そういうイベントは現在、予定していませんね。ただ、配信を始めるときに手に取ってもらいやすいように、無料で見られるコンテンツを何本か用意するつもりです。それでまずは体験していただいて、と考えています。

 一気にVR動画を100タイトルも配信予定! さすがDMM.comはやることがデカい! といったところで、インタビューは明日配信予定の後編へと続く。お楽しみに。

■DMM.com
http://www.dmm.com/

■VR動画β - DMM.com
http://www.dmm.com/digital/vr/

関連記事(外部サイト)