中国警察では日常的な「物理力を行使する尋問」〜香港の英総領事館元職員を拷問か

ニッポン放送「ザ・フォーカス」(11月21日放送)に元外務省主任分析官・作家の佐藤優が出演。香港のイギリス領事館の元職員が、中国で拷問されたと語ったという報道について解説した。

香港のイギリス総領事館前で、市民権を求めて英国機を振るデモの参加者ら 撮影日:2019年09月15日 写真提供:産経新聞社

イギリス領事館勤務の男性が拘束、拷問されたか

森田耕次解説委員)ウォール・ストリート・ジャーナルの電子版が伝えているのですが、香港にあるイギリス総領事館に勤務していた香港人の男性が、8月に中国の深?で一時身柄を拘束されたということです。そのときに拷問を受けていたと報告しているのです。中国政府は8月に深?市で治安管理処罰法に違反したということで、この男性を15日間の行政拘留処分にしたということなのですが、ウォール・ストリート・ジャーナルによるとこの男性は体が大の字になるよう手足を固定されたり、顔を平手打ちされたり、眠らないよう強要されたりして、デモ活動家や領事館員に関する情報を求められたという報道があります。

佐藤)この男性は現地職員ですよね。領事関係に関するウィーン条約というものがあるのですが、そのなかで領事特権は認められていないのです。いわゆる外交官や領事館とは扱いが違うわけで、その国の国民ですから自国法に服さなければいけません。確かに報道の通り拷問を加えたと思うのですが、これも国内基準と国際基準があるのです。要するに、中国では大の字に固定されたり、顔を平手打ちされたりすることは警察で日常的に行われていると思うのです。

森田)これは普通のことですか。

佐藤)中国の警察からすると、いつも通りやっているということです。聞きたい話があれば、証拠が残らない程度に物理的な圧力をかける。中国側からすると、拷問とは思っていないでしょうね。若干の物理力を行使した尋問でしょう。

森田)中国外務省の担当者は「イギリスが香港問題で誤った言動を続けている。中国は強烈な憤慨の意を示したい。内政干渉だ」ということを言っているようです。これはイギリスと中国の間で揉めることになってくるのでしょうか。

佐藤)揉めていますよね。イギリスからすると、香港は特殊な場所なのだから配慮しろということですよね。それに対して中国は、なにを植民地支配していた空気でいるのかというようなことですが、これも本当の喧嘩にはなりません。中国警察もこういう人を捕まえたらどういうことになるのかわかっているので、わかっていてやっているのだと思います。積極的にイギリスの総領事館は情報収集をして、学生たちにも多少声をかけているでしょう。そうすると、それなりのシグナルを与えるということです。

森田)イギリス総領事館としても、それなりの動きをしていたということですか。

佐藤)思い当たる節はあるのでしょう。

森田)情報を取り合いながら、攻めどころも考えているのでしょうね。

佐藤)それから、中国のいちばんダーティーな部分は香港ですからね。中国共産党の幹部たちはお金を子どもに流したり、蓄財したりするでしょう。一国二制度だったら香港はお財布になりますから、極端なことはできないのです。

ザ・フォーカス
FM93AM1242ニッポン放送 月-木 18:00-20:20

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