宮崎駿「吾朗はちょっと無理じゃないかと」当時の心境語る 『アーヤと魔女』インタビュー

宮崎駿「吾朗はちょっと無理じゃないかと」当時の心境語る 『アーヤと魔女』インタビュー

映画『アーヤと魔女』企画の宮崎駿

宮崎駿が企画し、息子の宮崎吾朗が監督監督を務めたスタジオジブリ初の3DCG映画『アーヤと魔女』より、8月27日の公開を前に宮崎駿よりインタビュー映像が到着。作品の感想、魅力、そして監督に宮崎吾朗が起用されたことについて語っている。

 本作は、『ハウルの動く城』(2004年)の原作者でもあるダイアナ・ウィン・ジョーンズの同名小説を原作とした長編アニメ。自分が魔女の娘とは知らずに育ち、ある日、意地悪な魔女の家に引き取られた少女アーヤがしたたかに暮らす様子を描く。日本では昨年12月30日にNHK総合テレビにて放送され、ヒロイン・アーヤのたくましくひたむきな姿が大きな話題に。そんな国内外の反響を受け、当初より映像・音響を映画基準で制作していた本作に、一部新たなカットを追加し劇場公開される運びとなった。

 本作について、宮崎は「僕は劇場大長編じゃないといけない宿命を背負わされているから、『アーヤと魔女』を俺がやることはできないだろうなと思って」と、プロデューサーの鈴木敏夫氏に任せたという。当初は、「(息子の)吾朗にどうのとかそういうのは思ってこなかった。吾朗はちょっと無理じゃないかと思ったぐらい」と思っていたそうだが、完成した作品は「面白かった」と断言。「大したもんですよ。本当にいいスタッフが集まった」と賛辞を送った。

 「元の作品が持っているエネルギーをちゃんと伝えてる」ことが貫かれていたという。「ストレートにアーヤが『負けてたまるか』というね。『ここにいてやる』っていう(笑)、『ここにいてやる』ですよ」と楽しそうに説明する。また、「鉛筆で書かなくて、CGであることによって、解放されている」と、初の試みである3DCGにも太鼓判を押した。

 また、作品にはこの世を生き抜くための術が詰まっているという。「へこたれない心ですよ。私が女王になるという(笑)、揺るがない強さというか、したたかであると同時にとことん戦うという」と、アーヤに好感を示す。「この世を渡ってく時と同じだと思うんだけど、それが実にいいんです」としみじみ語っている。

 さらに、「周りが自分に対して敵意を見せてる時に神経衰弱になったり縮こまっておしまいになってしまうことがよくあるけど、その中でもなんとかすき間を見つけて、そこに爪立ててもくっついてよじ登って天井から顔を出すというね」と補足。今の世の中に1番足りないものは、「どんなに生きにくくても、とにかくすき間を見つけて、すき間をこじ開けて、それで味方をちゃんと作り、それでちゃんと生きていく」ことではないかと問いかけた。

 ダイアナ・ウィン・ジョーンズの児童書に出会った宮崎が「こんないい企画はない」と思ったことがきっかけで完成した映画『アーヤと魔女』。宮崎は「皮肉たっぷりだけど実に面白い」と絶賛している。

 映画『アーヤと魔女』は8月27日公開。

関連記事(外部サイト)