危険すぎる“ボンドガール”から218cmの殺し屋まで! 007を苦しめた“クセが強い悪役”たち

危険すぎる“ボンドガール”から218cmの殺し屋まで! 007を苦しめた“クセが強い悪役”たち

007を苦しめたクセが強い敵キャラクターたち(左からゼニア・オナトップ、ジョーズ) 写真提供:AFLO

ジェームズ・ボンドが活躍するスパイ・アクション映画『007』シリーズの最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』がいよいよ10月1日に公開される。これを記念して今夜、ダニエル・クレイグがボンドを演じた前作『007 スペクター』(2015)が地上波初放送される(テレビ朝日系/9月26日21時)。同作で世界規模の犯罪組織「スペクター」の首領としてボンドの前に立ちはだかるのは、クリストフ・ヴァルツ演じるエルンスト・スタヴロ・ブロフェルド。今回は、ブロフェルトをはじめとする、歴代ボンドを苦しめた“クセが強い悪役たち”を振り返ってみよう。

■ シリーズ6作に登場するボンドの宿敵 ブロフェルド

 今夜放送の『スペクター』に登場するブロフェルドは、実は初登場ではない。ショーン・コネリーがボンドを演じた『ロシアより愛を込めて』(1963)に始まり、6作、俳優4人が演じたボンドの前に登場し、彼を苦しめたいわば“宿敵”だ。

 世界中の部下を使ってさまざまな犯罪計画を巻き起こそうとするブロフェルドだが、初期の作品では猫をなでて毛づくろいをする手だけしか映らなかった。この演出により、悪の組織のトップとしての彼の底知れなさと不気味さを演出することに成功。なお、「猫をなでる悪の組織の幹部」という演出は、多くの模倣・パロディを生み出すことになる。

 ちなみに、『スペクター』でヴァルツが演じるブロフェルドは、初めて登場する会議シーンにおいて、不自然なほどの逆光でしばらく顔が見えない。この演出には、歴代作品と歴代ブロフェルドへの敬意が感じ取れる。

■ “刃のついた山高帽”がトレードマーク オッドジョブ

 ショーン・コネリーが演じたボンド第3作となる『ゴールドフィンガー』(1964)に登場したのが、大富豪オーリック・ゴールドフィンガーの運転手兼用心棒のオッドジョブ。アメリカの日系人プロレスラー、ハロルド坂田が演じた。
 
 常にタキシードというフォーマルな格好で、おだやかな笑みを浮かべて主ゴールドフィンガーのそばにいるが、坂田のレスラーらしい恵まれた体格が象徴するように、手刀一発でボンドを気絶させてしまう怪力の持ち主。そんなオッドジョブの代名詞は、つばに刃がついた山高帽だ。フリスビーの要領で投げたそれは石像の首をも切断してしまう威力で、劇中では人も殺してしまう。

 クライマックスの肉弾戦では、不敵な笑みを浮かべながらボンドを圧倒し、あと一歩のところまで追い詰めるが、最期は壮絶な感電死を遂げる。劇中では会話らしい会話はほとんどしないオッドジョブだが、鑑賞者の脳裏に残るインパクトでは、主のゴールドフィンガーをしのぐだろう。

■ 不死身の殺し屋から“愛されキャラ”へ変身 ジョーズ

 ロジャー・ムーアが演じた3代目ボンドの敵キャラクターとして多くのファンの記憶に残っているのは殺し屋・ジョーズだ。『私を愛したスパイ』(1977)、『ムーンレイカー』(1979)の2作連続で登場した。

 ジョーズといえば、なんと言っても演じるリチャード・キールの身長218cmという巨体のインパクト。ムーア演じるボンドも見上げるばかりだ。その長い手足でそのまま暴れまわってもかなり手強そうだが、ジョーズ最大の武器は鋼鉄の歯。ロープウェイの太いワイヤーさえかみ切る歯でターゲットに襲いかかる。

 頑丈さでもボンドを苦しめた。高速で走る列車から突き落としても、スカイダイビングで落下しても、ジョーズはピンピンしている。『私を愛したスパイ』ではクライマックスで凶暴な人食いザメの水槽に落ちてしまうが、逆にサメをかみ殺して生き永らえる。

 ジョーズは続く『ムーンレイカー』でも依然としてボンドをつけ狙う殺し屋として登場するも、コメディ・リリーフ的な立場になり、巨体ながら愛らしい側面も出てくる。ボンドを追う最中には、なぜか金髪の美女ドリー(ブランシュ・ラヴェレック)と出会い、意気投合。行動を共にすることに。

 最終的には改心し、ボンドと宇宙ステーションで共闘。ドリーと共に無事地球に戻れた模様だ。
 
■ セクシーで危険な“ボンドガール” ゼニア・オナトップ

 5代目ボンド、ピアース・ブロスナンの1作目となる『ゴールデンアイ』(1995)に登場したのが、オランダ出身の女優ファムケ・ヤンセンが演じたゼニア・オナトップ。

 赤いスポーツカーでボンドの車を抜き去る、という鮮やかな登場をしてみせるゼニア。ボンドと視線を絡ませる姿は、劇中で彼とラブシーンを繰り広げることがお約束になっている“ボンドガール”であることを予感させるが、その正体は犯罪組織「ヤヌス」の手先だった。

 ターゲットの男とのベッドシーンでは、肉食獣のようにワイルドに襲いかかり、太ももで相手の胴体を締め上げそのまま殺してしまう。銃を持てば、民間人をもためらいなく蜂の巣にする殺人マシーンに変ぼう。銃を乱射している際に浮かべるうっとりとした表情が、彼女のサイコな一面を象徴する。この“ボンドガール”は危険…!
 
 最期はあっけなかったが、モデル出身という身長182cmの抜群のスタイルでSっ気たっぷりなゼニアを完ペキに演じきったファムケは、その後アメコミ映画『X‐メン』シリーズでジーン・グレイを長きにわたって演じることになる。

■ 最新作の悪役はフレディー・マーキュリーを演じたオスカー俳優

 来月1日公開の『ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したラミ・マレックが悪役に抜てきされた。彼が演じるサフィンについては依然謎に包まれているが、不気味な能面と不敵な笑みが、ボンドの強敵となる期待感を抱かせる。彼は何者で、いったいどのようにボンドと対峙するのだろうか?(文:前田祐介)

 映画『007 スペクター』は、テレビ朝日系にて9月26日21時放送。

 最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、10月1日公開。

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