『ミラベルと魔法だらけの家』なぜこんなに胸打たれるのか キャラ&設定から楽曲に迫る

『ミラベルと魔法だらけの家』なぜこんなに胸打たれるのか キャラ&設定から楽曲に迫る

映画『ミラベルと魔法だらけの家』日本版ポスター(C)2021 Disney. All Rights Reserved.

ディズニー・アニメーション・スタジオ最新作『ミラベルと魔法だらけの家』が現在公開中。物語へと引き込むストーリーや映像美に加え、観客を引き込む要素として外せないのが魅力的な楽曲の数々。ここでは、劇中で歌唱される音楽の中から珠玉の5曲を、歌い手となるキャラクターの心境や楽曲の背景と併せて紹介する。

 本作は、“魔法”に溢れる世界に住む新ヒロイン・ミラベルの活躍を描くディズニー長編アニメーション60作品目となるミュージカル・ファンタジー。日本では11月26日に公開されると、初日から3日間での興行収入が1億7600万、動員が13万6000人を突破。週末動員ランキングは2位となり、洋画作品ではNo.1の好スタートを切った。

 全8曲のミュージカルナンバーを手掛けたのは、『モアナと伝説の海』(2016)で「どこまでも How Far I’ll Go」でアカデミー主題歌賞にノミネートされたほか、ブロードウェイミュージカル『イン・ザ・ハイツ』(2008)やミュージカル『ハミルトン』(2015)でトニー賞、グラミー賞など数々の受賞歴を持つリン=マヌエル・ミランダ。彼女が手掛けた本作の楽曲のうち、印象的な5曲を紹介する。

■ふしぎなマドリガル家

 劇中冒頭で、ミラベルが大好きな家族を紹介する楽曲。リンならではの魅力が溢れた心躍るラテン系のアップテンポなリズムに乗せられ、セリフのような歌や独特のリズム感のあるこの楽曲について、ディズニー作品の日本版で多くの音楽を手掛けてきた音楽演出の市之瀬洋一氏は、「最大の特徴はリズムと表現の激しさです。数値化された西洋音楽とは違い、割り切れないリズムで表現され、そこに表現の幅や自由さが生まれることが魅力でもあります」と語る。

■奇跡を夢みて

 なぜか1人だけ魔法のギフト(才能)を与えられなかったミラベルが悲痛な思いを表現。魔法がなくても家族や街の人のために一生懸命働き、楽しく日々を暮らしていたが、5歳になった甥の魔法の儀式でついに不安と焦燥感を抑えられなくなって…。「みんなと同じようになりたい、魔法が欲しい」という心の叫びが胸を打つ。

■増していくプレッシャー

 パワーのギフト(才能)を持った3姉妹次女ルイーサの心境を表現した楽曲。その強い力で町の人のために…と働いているが、本心は周りからの期待に押しつぶされそうになっている。楽曲では、前半は“私は強くて何でもできる”といった内容だが、後半では強くて何でもできると思われていることへの弱音があふれる。

■本当のわたし

 花を咲かせるギフト(才能)を授かった長女イサベラと、彼女に苦手意識を持っていたミラベルの心の変化を表現。物心ついた時から“完璧であること”しか許されなかったイサベラが秘めた感情を吐き出し、ミラベルも呼応して曲はどんどんヒートアップしていく。舞台ミュージカルのような掛け合いが印象的だ。

■マリーポーサ 〜羽ばたく未来へ〜

 ナオト・インティライミが歌唱に加えて日本語詞も担当した日本版エンドソング。家族の中で唯一“魔法のギフト”を与えられなかったミラベルの葛藤や寂しさに寄り添い、優しく包み込むように歌われる。ミラベルが持つ愛とやさしさこそが最大の魅力であり、その存在自体を肯定する希望に満ちた歌詞が胸に染みるバラードとなっている。

 リンが「この映画を見に行って、スクリーン上に出てくるキャラクターに共感しない人はいないよ!」と語るように、どの楽曲も思わず感情移入してしまうものばかりだ。

 映画『ミラベルと魔法だらけの家』は現在公開中。

関連記事(外部サイト)