山口紗弥加、40歳を迎えて感じた「悩みから解放された感覚」 精神的にもタフに

山口紗弥加、40歳を迎えて感じた「悩みから解放された感覚」 精神的にもタフに

山口紗弥加 クランクイン! 写真:高野広美

『青のSP(スクールポリス)‐学校内警察・嶋田隆平‐』(カンテレ・フジテレビ系)や『おかえりモネ』(NHK)、『ラジエーションハウスII〜放射線科の診断レポート〜』(フジテレビ系)と2021年も人気ドラマへの出演が相次いだ山口紗弥加。1月7日から放送されるドラマ24『シジュウカラ』(テレビ東京系/毎週金曜24時12分)では、18歳年下の青年と恋に落ちる40歳の漫画家役に挑戦する。ドラマのタイトルにもなっている“シジュウカラ”の生き方への思いや撮影を通して感じた共演者・板垣李光人の魅力を語ってもらった。

◆28年目にして初「台本を読んでいるはずなのに思考停止に」

 本作は、坂井恵理による同名コミックを原作とした年の差ラブストーリー。山口が演じる、売れない漫画家の綿貫忍が、漫画家としての再ブレイクを機に出会った18歳年下の青年・千秋に心惹(ひ)かれ、自身の人生観と向き合っていく姿を描く。監督は、映画監督として多種多様な女性を描いてきた大九明子が務める。

 「18歳差の恋を、ファンタジーにはしない。リアルな感情、物語のリアリティーを大切に、原作の漫画の世界を生身の人間が演じることで自分の感情に嘘をつかないようにと考えながら撮影をしています。例えば台本に描かれている描写だとしても、演じてみて心情的に難しいなと感じたら、監督やキャストの皆さんと話し合いながら変更したり…」と本作の撮影について話す山口。

 現在、「ひらめきの天才・大九監督から“ここで、こんな演出をされるんだ!?”と日々、未知なる刺激を頂きながら撮り進めています」と鋭意撮影中の山口だが、撮影前には「(芸歴)28年目にして初めて、台本を開いて読んでいるはずなのに全く頭に入ってこない状態で。思考が停止してしまって…」と“スリープ状態”に陥ったと回顧する。

 「忍は、母親や妻としての責任や呪縛から、自分の中にある願望や熱意を自ら抑え込んでいる状態でした。そんな状態を長く続けてきた結果、自分の頭で物事を考えるのを放棄してしまったんだと思います。そんな忍とリンクしたのか分かりませんが、私も思考停止になってしまった。自分でも不思議な体験でした。でも、忍が千秋に出会い、不意にやってきたセカンドチャンスによって自分を取り戻していくにつれ、私の頭ものろのろと働き始め、心が動き出すようになって…。忍と完全にリンクしていたように思います」。

◆“恋のお相手”板垣李光人は「見惚れてしまうほど美しい」

 今回、忍の恋の相手である千秋を演じるのは、板垣李光人だ。『仮面ライダージオウ』のウール役で注目を集め、NHK大河ドラマ『青天を衝け』では徳川昭武役を好演し話題を呼んだ。

 山口は、板垣の印象を「見惚れてしまうくらい美しい」とため息まじりに語る。そして、「19歳とは思えないほど、大人の落ち着きを持っていて、その佇まいには、触れてはいけない領域の美しさがあるんです。だから、撮影中も気安く話し掛けられない(笑)。忍が見惚れるような描写があったのですが、そのシーンの後はなぜだか猛烈に恥ずかしくなってしまって、全くお顔が見られなくなってしまいました(笑)。私自身も忍になったような思いで演じています」と絶賛。

 忍が千秋とお酒を飲みに行った後、千秋から誘惑されるシーンの撮影では「大九監督から『ピンク色の何かを胸に持って、板垣さんに対抗してください』という演出があって…ピンク色の何かって…一体なに!?と思いながらも、板垣さんに確かにときめいていた自分がいました」というエピソードも。「きっと、視聴者の皆さんも板垣さんに魅了されると思います。皆さん、板垣さんに恋をしてください!」と呼びかけた。

◆実際に体験しているからこそリアルに演じられる“セカンドチャンス”

 千秋への思いだけでなく、忍が手にした“セカンドチャンス”にも強い共感を覚えているという山口。

 「私も、38歳の時に初めて連続ドラマの主演のお話を頂きました。想像もしなかった、予期せぬタイミングでの大きなお仕事だったので、まさしくそれが私の人生のセカンドチャンスだったんじゃないかと思っています」と当時を振り返る。

 「忍に降って湧いたセカンドチャンスは、“セカンドキャリア”の始まりだったんじゃないかと思っていて。私が考える“セカンドキャリア”は、ほとんどの人が社会的立場の向上を目指すファーストキャリアとは違い、もっと個人的で、自分で自分を幸せにすることを目指しながら自分らしく生きようとする段階というか、自分を取り戻すような作業だと思っています。私自身も、40代に入り、もっと主演をやりたいという向上心で仕事をしているというよりは、自分らしい表現をしたいとか、大切な人に恩返しをしたいという個人的な願いを込めて演じているところがあり、そういう意味で、忍とリンクする気持ちがあります。30代後半で私に届いたセカンドチャンスは、夢物語ではなく、私が実際に体験している奇跡体験で、その事実がこの作品に説得力を持たせてくれると信じています」。

◆40歳を迎えて感じた「悩みから解放された感覚」

 さらに、忍は40歳を迎えたことで自身の在り方について悩むが、山口自身は「40歳になった時、悩みから解放された感覚があった」と話す。

 30代は「本来は求めてくださる方がいるから役を頂いているはずなのに、何のために誰のために仕事をしていて、私はどこで必要とされているんだろうという思いがずっとぐるぐるとしていたんです」と苦悩した。

 加えて「40歳になると役柄が極端に少なくなる。肉体的にも衰えて、一気に下降していくという勝手なイメージがあったんです」と年齢による不安も抱えていたという。しかし、実際に迎えた40歳は「私、まだ体が動くぞって(笑)。それに、精神的にもタフになって、もしかしたら30代の頃より元気かも!?って、ここからさらに新しい何かを求めている自分がいて。思っていた40代とは全く違うと気付きました」とポジティブなものだった。

 とはいえ、「心が自由になって軽くなったけれども、私は私の人生をどう生きていこうかという、漠然とした焦りのようなものも頭の中を常に巡っている」とも。

 「いくつもの人生の岐路というものが、年齢と共にじわりじわりと忍に迫りくる感じが、役として切り離しては考えられないほど、ヒリヒリして痛いなと。何を選んで、どう生きるのか、忍に思いを寄せています。忍は自分自身だと思って演じていますし、今の私のリアルな感情を忍という女性に生かしていきたいと思っています。決断する女性は美しい、そう信じて」。山口が体現する等身大の40代女性に注目だ。(取材・文:嶋田真己 写真:高野広美)

 ドラマ24『シジュウカラ』は、テレビ東京系にて1月7日より毎週金曜24時12分放送。

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