多くの戦争映画とは真逆の色彩設計 『アンネ・フランクと旅する日記』場面カット公開

多くの戦争映画とは真逆の色彩設計 『アンネ・フランクと旅する日記』場面カット公開

映画『アンネ・フランクと旅する日記』場面写真(C)ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND

『アンネの日記』が原案のアニメ映画『アンネ・フランクと旅する日記』より、アンネや、彼女の空想の友達キティを捉えた場面写真が解禁された。

 『アンネの日記』は、第二次世界大戦下、アンネ・フランクが“空想の友達”キティー宛てにつづっていた日記。1942年6月12日、13歳の誕生日に父オットーから贈られたチェック柄の日記帳に、ナチスから身を潜めていた隠れ家での生活やペーターとの初恋などを書き連ねた。2009年にユネスコの世界記憶遺産に登録され、「世界で最も読まれた10冊」のうちの1冊に挙げられている。

 同著はこれまで幾度となく映像、舞台化されてきたが、本作ではアニメーションでしか表現し得ないアプローチで、アンネ・フランクの生涯を、彼女が生み出した“空想の友達”キティーの視点でたどっていく。監督は、アニメーション映画として初めてアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞を受賞した『戦場でワルツを』のアリ・フォルマン。アンネが生きた時代だけでなく、イマジネーションと遊び心に満ちた現代のパートを新たに創出、ふたりの少女の姿を等身大にみずみずしく描いた。

 現代のオランダ・アムステルダム。激しい嵐の夜、博物館に保管されているオリジナル版『アンネの日記』に異変が起きた。突然、文字がクルクルと動き始めて、アンネの“空想の友達”キティーが姿を現したのだ。時空を飛び越えたことを知らず今が1944年だと思っているキティーは、日記を開くと過去へさかのぼってアンネと再会を果たし、日記から手を離すとそこには現代の風景が広がっていた。目の前から消えてしまった親友アンネを探して、キティーは街を疾走する…。

 今回解禁されたのは、第二次世界大戦中のナチス・ドイツ占領下で生きるアンネ・フランクと、時空を超えて現代のアムステルダムにやってきたアンネの“空想の友達”キティーが登場する場面写真。キティーがライダースジャケットにキャップという今風の服を身にまとい、凍った川をスケートで走り滑る姿や、学校で人気者のアンネが、大勢のクラスメイトを引き連れてまるでパレードのように街を歩く姿が描かれている。

 そのほか、アンネがペーターと隠れ家で過ごす様子や、ペーターと同じ名前を持つ少年と出会ったキティーが、彼と一緒に旅をする様子なども。また、ナチスが街をかっ歩する、当時の人々の恐怖を追体験させるようなおどろおどろしい雰囲気の場面も切り取られている。

 フォルマン監督は、多くの戦争映画がこれまで用いてきた色彩設計とは真逆のことを試みたといい、「現代のアムステルダムをモノクロームの色調で、アンネの目を通して見た過去は豊かでビビッド、そしてカラフルに描くこと。それがこの映画のガイドラインになった。僕らは制限することなく、色をたくさん使用した。とりわけ、アンネの空想や夢を表現するシーンはね」と本作の世界観の構築を明かしている。

 アニメ映画『アンネ・フランクと旅する日記』は3月11日より全国公開。

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