岩松了書き下ろし舞台『青空は後悔の証し』開幕 石田ひかり「これまで味わったことのない感情の連続」

岩松了書き下ろし舞台『青空は後悔の証し』開幕 石田ひかり「これまで味わったことのない感情の連続」

舞台『青空は後悔の証し』より 写真提供:株式会社明後日

岩松了が書き下ろした新作で、俳優の風間杜夫、豊原功補、石田ひかりらが顔をそろえる舞台『青空は後悔の証し』が、14日東京・シアタートラムで開幕。岩松作品初参戦となる石田は、「わたしは今まで一体何をしてきたのだろうと思えるほど、岩松さんの稽古は厳しく、深く、これまで味わったことのない感情の連続でした」とコメントを寄せた。

 本作は岩松了の新作書き下ろし・演出作品。出演は、岩松作品の常連で、昨年だけでもテント芝居から大劇場まで5本の舞台に出演した風間杜夫をはじめ、脚本家・演出家・映画プロデューサーも務める豊原功補、ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍する石田ひかり、岩松作品は14年ぶりとなる佐藤直子、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』にも出演する若手注目株の小野花梨と、実力派かつ個性豊かな5人で届ける。

 その部屋の窓は広い。窓からは建築途中の青空にのびる建物の尖塔が見えた。パイロットを退職したロウ(風間)とロウの息子ミキオ(豊原)とその妻ソノコ(石田)は、以前は同居していたが3年前に別居し、今は家政婦の玉田(佐藤)がロウに仕えている。

 ロウは、パイロット時代にスチュワーデスとして働いていた部下で、今は郊外で小さなレストランを営んでいる野々村という女性と久々の再会を楽しみにしていた。当時ロウは人間関係に疲れていた野々村を励まし、救いの手を差し伸べたことがある。ところがその再会を前にしたある日、野々村のレストランで働いているという若い女(小野)が訪ねてきて…。

 開幕にあたり岩松は、「『青空は後悔の証し』は年齢を重ね、それぞれに社会性を背景にかかえて生きてきた父親と息子の関係を書こうと思いました」と明かし、「ひと組の親子、ひと組の夫婦。この人たちが見上げる『青空』はどんな色なのか、劇場で一緒に見上げて頂ければと思います」とメッセージ。

 風間は「不安もあるけれど、早くお客さんに観て頂きたいという期待感の方が大きいです」、豊原は「岩松作品での登場人物は骨格をはっきりさせようとすればするほど遠ざかってしまうという迷路なところもあり、自虐と苦悩をひと回りしながら楽しむようなやや危ない脳内活動の時間に没入させてもらっています」、石田は「果てしなく続くと思われた稽古を終えて、いよいよ初日となります。あとは終わっていくだけなのかと思うと、早くも寂しさを感じる自分に驚いています」と、それぞれ厳しい稽古を乗り越えて念願の初日を迎える心境をコメントした。

 舞台『青空は後悔の証し』は、東京・シアタートラムにて5月14~29日、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて6月4・5日上演。

※岩松了、風間杜夫、豊原功補、石田ひかりコメント全文は以下の通り

<岩松了コメント>

 シアタートラムでは、女子高生の話を書いた2013年の「不道徳教室」から9年振りの公演になります。

 「青空は後悔の証し」は年齢を重ね、それぞれに社会性を背景にかかえて生きてきた父親と息子の関係を書こうと思いました。そんな関係を風間さんと豊原くんという優れた俳優たちにやってもらったら面白いかなと。一輪の花として石田ひかりさんには息子の妻を。ひと組の親子、ひと組の夫婦。この人たちが見上げる「青空」はどんな色なのか、劇場で一緒に見上げて頂ければと思います。


<風間杜夫コメント>

 不安もあるけれど、早くお客さんに観て頂きたいという期待感の方が大きいです。

 お客様の想像力に委ねる部分のある作品なので、観てくださった皆さまそれぞれが違う思いで眺め、それぞれに異なる印象を持つと思います。それだけに感想をお聞きするのが楽しみです。

 観劇して下さった皆さまの心に深く何かを残してゆく作品になるということは間違いありません。

 お待ちしています。


<豊原功補コメント>

 数年前、岩松さんの戯曲に立つ風間杜夫さんとの座組みをやりませんかとひとりひとりにぼちぼちとお話をして快諾をいただき、さて実現へと逸る気持ちを知ってか知らずかパンデミックという悪魔に延期を余儀なくされてやっとの今、思い叶ってとうとう開幕の日を迎えようとしています。

 その今回の作品、岩松さん書き下ろし戯曲でしか味わえないブラックホールとも言うべき遠距離感と茶柱を見つめる近距離感は思いっきり濃度を高めて混在し、風間さんのどこまでも真面目で不真面目な得体の知れぬ存在感がその独特の戯曲世界に立ち上がっていくのがそばで見ていて堪りません。
 
 と私はそれを他人事のように楽しんでいる場合でもなく、ご存知の方には説明も無粋というものですが岩松作品での登場人物は骨格をはっきりさせようとすればするほど遠ざかってしまうという迷路なところもあり、自虐と苦悩をひと回りしながら楽しむようなやや危ない脳内活動の時間に没入させてもらっています。結局は観客の入った本番から少しずつ見えてくる役柄の正体を待つしかないのだけど。

 みなさまにも多くを感じ、劇場を楽しんで頂けますよう。


<石田ひかりコメント>
 
 人生初の岩松作品は、想像を遥かに超える難しさと厳しさでした。わたしは今まで一体何をしてきたのだろうと思えるほど、岩松さんの稽古は厳しく、深く、これまで味わったことのない感情の連続でした。また、「セリフ自体にそんなに意味はない」「大事なのは関係性」「感情を幾重にも」「窮屈なキャラクターにならないで」「言葉は身体の状態だから」などなど、忘れたくない、忘れてはいけない言葉たちを浴び続けた時間でもありました。

 果てしなく続くと思われた稽古を終えて、いよいよ初日となります。あとは終わっていくだけなのかと思うと、早くも寂しさを感じる自分に驚いています。岩松さんに教えていただいた事を心と身体に染み込ませ、出演者のみなさんと心をひとつにして舞台に立ちたいと思います。岩松さんの世界へ、どうぞいらしてくださいね。劇場でお待ちしています!

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