カンヌデビューの磯村勇斗、俳優人生の決意を新たに 「映画に対して愛を持って取り組んでいきたい」

カンヌデビューの磯村勇斗、俳優人生の決意を新たに 「映画に対して愛を持って取り組んでいきたい」

第75回カンヌ国際映画祭のフォトコールに出席した映画『PLAN 75』より(左から)ステファニー・アリアン、早川千絵監督、磯村勇斗(C)Kazuko WAKAYAMA

俳優の磯村勇斗が出演する倍賞千恵子主演映画『PLAN 75』が、第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門への正式出品。磯村が、早川千絵監督、共演のステファニー・アリアンとともに、現在開催中の第75回カンヌ国際映画祭に出席した。

 本作は、映画監督・是枝裕和が初めて総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一篇『PLAN75』を新たに構築、キャストを一新した、早川千絵監督のオリジナル脚本による、自身初の長編映画。

 超高齢化社会に対応すべく75歳以上が自らの生死を選択できる制度「プラン75」が施行され、その制度に大きく翻弄される人々の姿を描いた衝撃作。主人公・角谷ミチを演じるのは9年ぶりの単独主演作となる倍賞千恵子。「プラン75」に携わる側には磯村勇斗、河合優実を配し、そのほか、たかお鷹やステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美らが顔をそろえる。

 このたび、カンヌ国際映画祭にて現地時間5月20日14時に本作が公式上映され、磯村勇斗とステファニー・アリアン、そして早川千絵監督がフォトコールとレッドカーペット、記者会見に登場した。

 色鮮やかなシャツと爽やかな白いパンツ姿の磯村勇斗がフォトコールに登場。磯村は今回が自身初の海外映画祭への参加。特にカンヌ国際映画祭には思い入れがあり、参加を熱望、2泊4日の弾丸スケジュールで現地入りを果たした。

 公式上映では、満場の客席から拍手喝采を浴び、磯村は観客たちの大歓迎ぶりに思わず万感の様子で、感無量のカンヌデビューに。公式上映終了後も、場内は5分以上にわたるスタンディングオベーションを受けた。

 上映後、日本メディア向けの記者会見が開催。磯村は「世界の人たちと一緒に映画を観ることが初めてだったのですごく光栄でした。観客の反応を見ながら、映画を観ていたので少し緊張もしましたが、非常に良い経験をさせてもらえたと思います」と感謝の言葉を述べた。

 フィリピン人の女優、ステファニー・アリアンも「多くの方々が心を込めて作った作品でカンヌ国際映画祭に参加できたことに大変感謝しています」と思いの丈を伝えた。

 今回は残念ながら参加できなかった倍賞への思いを尋ねられた早川監督。倍賞への感謝の言葉を述べ、「倍賞さんからは、“(カンヌは)若い人たちに任せたから頑張ってきて!”と仰っていただいたんです」と笑顔をのぞかせた。

 磯村は「倍賞さんとの共演シーンは少なかったのですが、目が魅力的でした。役を超えて、倍賞さんが今まで生きてこられた全てがミチという役に投影されているように感じるほど、とても自然体で、醸し出す空気が人生を物語っていました」と倍賞への尊敬の念を語った。

 また、海外からの注目が高く、評価を受けている理由について、早川監督は「人間の生と死、どう生きるか死ぬかや尊厳については普遍的な問題だと思います。特にコロナ禍になってからは世界中でより多くの人が、どうやって生きるのか、人間の尊厳を保っていくのかと考えるようになったのではないでしょうか」と分析。

 若い世代として、高齢化社会への危機感を持っているのかと質問を受けた磯村は「作品のオファーをいただく前から、現代の社会問題のひとつとして高齢化問題については考えていました。若い人たちだけに責任が押し付けられてしまわないか、一生懸命働いても負担が減らないのではないかと常々、解決策がないかと思っていました」と明かし、その感情を役に込めたという。

 さらに、早川監督の印象について磯村は「演出が丁寧で俳優に寄り添ってくれる方。俳優のアクティングスペースに入って、監督自身が実際に動作を見せてくれ、時にはディスカッションを交わしながらの撮影でした。安心して信頼できる現場だったと思います」と振り返った。

 最後に、カンヌ国際映画祭に参加したいと長年思い描いていた夢が叶った磯村は「カンヌに来て、映画を愛している人たちが世界にはこんなにも沢山いるんだなと改めて感じることが出来ました。そういう方々を見て、もっと自分も頑張れると思えましたし、これからも映画に対して愛を持って取り組んでいきたいと思いました」と今後の俳優人生への決意をにじませ、会見を締めくくった。

 なお、第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の受賞発表は、27日に行われる予定となっている。

 映画『PLAN 75』は、6月17日より全国公開。

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