視聴率5%ではもったいない!『ナンバMG5』ただの“ヤンキードラマ”でない魅力

視聴率5%ではもったいない!『ナンバMG5』ただの“ヤンキードラマ”でない魅力

ドラマ『ナンバMG5』ポスタービジュアル(C)フジテレビ

俳優の間宮祥太朗が主演を務めるドラマ『ナンバMG5』(フジテレビ系/毎週水曜22時)。同作は筋金入りのヤンキー一家「難破家」の次男・剛(間宮祥太朗)が「普通の高校生になりたい」と家族に内緒で健全な高校に入学するという高校“逆”デビュー物語だ。SNSを中心に「おもしろい!」「毎週見ちゃう!」と熱い感想が寄せられている反面、平均視聴率は5%という厳しい現実もある。本稿では現在視聴率で苦戦中の理由を紐解きつつ、同作の魅力を解説する。

復活したフジドラマの「水10」枠 立ちはだかった強力なライバルたち


 小沢としおの同名コミック『ナンバMG5』『ナンバデッドエンド』(ともに秋田書店)を原作とした同作は、地元で一目置かれる筋金入りのヤンキー一家「難破家」の次男・剛(間宮)が、普通の高校生活に憧れ、健全な高校に入学するという高校“逆”デビュー物語。逆立てた金髪に真っ白の特攻服を来たヤンキー姿と、制服を校則通り着こなす姿、両極端な高校生としての日々を過ごす難破剛を間宮祥太朗が見事に演じている。

 フジテレビにとって「水10」にドラマが復活したのは2016年1月期に放送された長瀬智也主演の『フラジャイル』以来6年ぶり。同局にとって『ショムニ』『お水の花道 女30歳ガケップチ』『リーガルハイ』(第2シリーズ)など数々の名ドラマを生み出してきた伝統ある「水10」枠で、話題作への出演が続く間宮が主演を務めるとあり、放送前から注目されていた。

 しかし、これまでに放送された8話までの平均視聴率は5%前後と決して好調とは言えない印象。その理由には水曜22時という時間帯が一因となっているように思える。

 テレビ朝日(『報道ステーション』)やテレビ東京(『ワールドビジネスサテライト』)では老舗の報道番組が放送されている平日22時。さらに現在『悪女(わる) 〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?』が放送中の日本テレビでは、1985年以来、中断を経ながらも続くドラマ枠「水曜ドラマ」が根付いている。その上、TBSは攻めた企画で毎週のようにSNSの話題をさらう『水曜日のダウンタウン』を放送。近年の「水10」は激戦区の様相を呈しているのだ。

一見「ヤンキードラマ」でも…蓋を開ければ純粋な心を持つ者たちの物語


 また近年、表現に対してセンシティブになっているテレビ業界の中で、ヤンキーがテーマというドラマの雰囲気も、視聴率が今一つ振るわない理由の1つであると感じている。

 間宮演じる主人公・剛の見た目は一昔前の昭和なヤンキー。白い特攻服には金で縁取られた赤文字で“気合”や“根性”、“喧嘩上等”の文字や黄金に輝くドラゴンが刺しゅうされており、さらには“殺”と赤いマジックで大きく書いたマスクを武装している。昨今、視聴者の身近なことをテーマにしたドラマがウケている中で、「ヤンキードラマか」と偏見を持つ人がいるのも仕方がないだろう。

 しかし、蓋を開けてみると、『ナンバMG5』は、そんなヤンキーたちに抱く偏見を見事に取っ払うような作品だということを声を大にして伝えたい。

 主人公の剛、その家族、ヤンキー高校に通う伍代直樹(神尾楓珠)、身体能力の高いヤンキー・大丸大助(森本慎太郎)など、登場人物の半数以上はたしかにヤンキーなのだが、理由なく暴力を振るうようなキャラクターは誰1人としていない。

 相手がヤンキーであろうとなかろうと、己の信念を抱く者、頑張っている者のことを真っすぐに応援する純粋な心を持ち合わせている。そんなキャラクターたちのアツさに、ふと泣かされる視聴者も少なくない。

 また、難破家の食卓シーンや、剛と伍代、大丸の会話のシーンは、言葉遣いは悪くともあまりにも純粋でクスッと笑ってしまうことがしばしば。水曜日の夜10時で苦戦中ながら、届いている視聴者の心は確実に打っている一作。残すところ後わずかだが、クライマックスまで見届けたい。(文:於ありさ)

 ドラマ『ナンバMG5』は、フジテレビ系にて毎週水曜22時放送。

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