新三部作との“一番の違い”とは? ユアン&ヘイデン『オビ=ワン・ケノービ』を語る

新三部作との“一番の違い”とは? ユアン&ヘイデン『オビ=ワン・ケノービ』を語る

ヘイデン・クリステンセン&ユアン・マクレガー (C)2022 Lucasfilm Ltd.

映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005)の10年後を描いたオリジナルドラマシリーズ『オビ=ワン・ケノービ』が、ディズニー公式動画サービス「Disney+(ディズニープラス)」で配信中だ。オビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)とダース・ベイダー(ヘイデン・クリステンセン)による17年ぶりの“師弟対決”が描かれるなど、数々のサプライズが話題になっている本作は、22日に最終回を迎える。今回は、ユアンとヘイデンに、新三部作との違いや話題のシーンの裏側などについて話を聞いた。

再共演は「まるでタイムトラベルしているみたい」

ーー新三部作と本作では、ジョージ・ルーカスの不在などさまざまな違いがあったと思います。お二人が現場で感じた撮影の印象は?

ユアン・マクレガー(以下、ユアン):一番の違いはテクノロジーだと思います。新三部作と比べると、テクノロジー的にも20年分の進化があり、今回はステージ・クラフトというシステムを使って撮影をしました。セットを覆う、巨大なドーム型のスクリーンにすべてが映し出されるので、背景などを後で足す必要がなく、すべてをカメラで実際に撮ることができるし、すべてが目の前にあるんです。役者にとっては大きな違いで、ブルーバックやグリーンバックなどではない、すごくリアルな環境の中で演技ができることがうれしかった。

確かにジョージはいませんでしたが、デボラ・チョウという素晴らしい監督に恵まれ、幸運にも第1話だけでなく、全話を彼女に監督してもらうことができました。シリーズには懐かしいキャラクターも新しいキャラクターも登場します。だから、前とはまた違う新しさを感じたし、ワクワクしましたね。

ヘイデン: 全く同じ気持ちです。新三部作に参加し、あのキャラクターたちを演じることができたことは、本当に素晴らしい機会でした。僕としても、ジョージ・ルーカスやユアンをはじめ、ものすごい才能を持った方たちと一緒に仕事ができるなんて、夢のようでした。そして今、これだけの時を経て、また戻ってくることができて、(彼らの物語を)続けることができました。こんなに特別なことはありません。

ーー第3話のオビ=ワンとベイダーの対決や、第5話の回想シーンがとても話題になっています。再共演はどうでしたか?

ヘイデン:彼らの対決は僕にとって間違いなくハイライトの1つでした。ライトセーバーでの戦いはどれも最高に楽しかったです。『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002)の撮影時に、ユアンと僕はかなり一緒にトレーニングをしたんですが、お互いと戦うことはありませんでした。それが『エピソード3』で直接対決。あれは本当に楽しかったです。すごく記憶に残る経験でした。

そして本作で再び相まみえることができただけでなく、回想シーンで対峙(たいじ)する機会があって、まるでタイムトラベルしているみたいでした。セットで再びこのキャラクターたちを演じているのに、時間がまったく経過していないような感じがしたんです。

ユアン: 僕も同感です。ヘイデンと仕事ができること自体が本当に素晴らしいことでした。新三部作を撮影した時間というのは、僕らにとっても本当に特別だったよね? だから、このキャラクターたちをヘイデンと共に再び演じられるというのは故郷に戻ってくるような感じがありました。当時、セット外の作業の核にあったのは、ファイト用にジムで過ごす時間だったかもしれません。オーストラリアでニック・ギラード率いるスタント・チームに、複雑な殺陣を教わったあの時間です。その楽しかった瞬間を、また本作で経験できたのは最高でした。僕らが対決するのを楽しみにしてくれているのがわかっていたから、エキサイティングだったし、撮影にも熱が入りました。

第5話の撮影現場は「明らかにざわついていた」

ーー第5話の回想シーンでのお二人の若さに驚きました。

ユアン: 仲間からたくさんの助けを借りましたね(笑)

ヘイデン: デジタル界の仲間からね(笑)

ーー衣装を着た時の感想は?

ユアン: オリジナルの衣装に身を包んであのセットに戻れるというのはやはり特別な経験で、現場の雰囲気もすごかった。このシリーズを作る中でもすてきだったことの1つに、スタッフの多くが新三部作世代で正真正銘の『スター・ウォーズ』ファンだったことがあります。だから現場は常にワクワク感であふれていましたが、ヘイデンがいるとそれが最高潮に達する(笑)。ベイダー姿のヘイデンが見られるということでね(笑)。でも昔ながらの姿をした僕らが登場したこの日は…あの衣装は『エピソード2』だよね、ヘイデン?

ヘイデン:そうそう。

ユアン:(このシーンを撮影した日の)現場は明らかにざわついていましたね(笑)。それに僕らもお互いと戦うことができたし。撮影も確か第3話「パート3」の戦いの前に行われたので、本当にエキサイティングでした。

ヘイデン:とても特別で、本当に、本当に素晴らしい経験で、「あのシーンを僕らで演じられるなんて」ってずっと思いながら演じていました。デボラが「アクション!」と言う度に、僕らは戦闘の位置に立ちますが、「最高にクールなことを今、僕らはしているんだ!」という気持ちを共有している感覚がずっとありましたね。

ーーヘイデンさんは、バクタ・タンクの中でのベイダーを演じるのも初めてでしたよね。

ヘイデン: そうなんです。バクタ・タンクで撮影させてもらえたのには感謝しかないです。でも特殊メイクのためにメイク用の椅子に座っていなければいけない時間は長かったです(笑)。撮影も確か数日かけて行われました。どのショットもあらかじめ細かくデザインされていたし、何を撮らなければいけないのかがはっきりしていましたからね。でもあのシークエンスは大好きで、演じるのも楽しかったです。

ーー『エピソード3』から10年がたった本作。役作りするにあたって、お二人はオビ=ワンとベイダーのお互いへの思いをどのように分析していますか?

ヘイデン:『エピソード3』の最後の戦いは悲劇的なものでした。観客は二人の歴史を理解しているし、お互いのことをどのくらい兄弟のように愛しているか、わかっているからこそ、死闘を繰り広げる彼らを見ると打ちのめされてしまいます。本作では、ベイダーはまだオビ=ワンに対する恨みの感情に飲み込まれているんだと思います。ジェダイに惑わされ、裏切られたと感じている。それはもちろん彼の主観なのですが、オビ=ワンを恨む気持ちは深いけれど、それはまた仲たがいをする兄弟のような感じでもあって、その底流にはまだ相手に対する大きな思いが残っているんです。

ユアン: 昨日の夜、『クローン・ウォーズ』を見始めたんだけど、ヨーダとドゥークー伯爵との関係に近いものがあるよね? 戦っているんだけど、いろいろな感情がチリチリと焼けるように交錯して、と同時に師弟という関係性もあって。

ヘイデン:確かに!

ユアン:彼はアナキンのことを諦めることができないんだと思います。その人の心に善があると知っている限り、その人がその人らしくない状況に落ちてしまったり、以前とは違った人になってしまっていたりしたとしても、その人がかつて誰であったかということを切り捨てることはできないんじゃないかと思います。逆にそこまでするには、相当極端な状況まで行き着かなければいけない。でも、彼はまだ、そこまでは行っていないんだと思います。オビ=ワンはアナキンを愛しているし、自分が『エピソード3』の終幕で、アナキンを殺してしまったのだと思っていて、その思いをずっと抱えて生きてきました。

ダークサイドにアナキンを失った責任だけではなく、アナキンの命を自ら奪ってしまったという自責の念を抱えて生きてきたんです。でもそれがそうではなく、アナキンが生きていることを知った時、オビ=ワンの中にはさまざまな感情が渦巻いたのではないでしょうか。もしかしたら、アナキンを取り返せるかもしれない、救えるかもしれないと、希望をも感じているのだと思います。

ーーパンデミックが起こり、ダークサイドに陥りそうになる瞬間もあると思います。そんな時、ユアンさんとヘイデンさんの支えになるものは?

ヘイデン: 誰もが自分の中にダークサイドとライトサイドを抱えているのではないでしょうか。個人的には、父親になったことが僕をライトサイドにしっかりと留めてくれているように思います。『スター・ウォーズ』がここまで心に強く響くのは、誰もがその両方を持っているからだと思うんです。

ユアン: パンデミックは僕らを試したし、混乱させましたよね。未来や未来の形に対する僕らの展望も、ある意味変えてしまった。僕はそれまでそういう感覚を味わったことがありませんでした。だから新しいことだったし、怖くもありました。それが続いていくのかはわからないけど、同時に、コロナ禍に家族と一緒に隔離生活を送れたことはとても恵まれていたと思っています。妻と子供たちと一緒に過ごす中で、仕事をしないことが、思っていたより得意なんだと気付きました(笑)。家族と過ごす時間をいかに愛しているかを含め、僕にとってはそういった気付きが、ライトサイド側に僕を留めてくれるものになっている気がします。(取材・文=阿部桜子)

 『オビ=ワン・ケノービ』は、毎週水曜16時よりディズニープラスにて独占配信中。

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