豪州の大規模森林火災がテーマ『FIRES〜オーストラリアの黒い夏〜』特別映像&インタビュー到着

豪州の大規模森林火災がテーマ『FIRES〜オーストラリアの黒い夏〜』特別映像&インタビュー到着

ドラマ『FIRES〜オーストラリアの黒い夏〜』キーアート(C)2021 Tony Ayres Productions Pty Ltd, Australian Broadcasting Corporation and Screen Australia. ALL RIGHTS RESERVED.

現在「スターチャンネルEX」で独占配信中の、2019〜2020年に発生した豪州大規模森林火災を経験した人々の実話にインスパイアされたヒューマンドラマ『FIRES〜オーストラリアの黒い夏〜』(全6話)。このたび、スタッフ&キャストが作品を解説する特別映像、製作総指揮で脚本共同執筆者のベリンダ・チャイコのインタビューが解禁された。

 2019年から2020年にかけてオーストラリアの広範囲で発生した大規模森林火災。本作は、“Black Summer(黒い夏)”とも呼ばれるこの未曾有の災害を経験した人々の実話からインスパイアされた6話構成のアンソロジー。地球温暖化が進む中年々悪化している森林火災の脅威を描き、それによって失われるものの尊さや大切なものとは何かを訴えるヒューマンドラマだ。火災の迫力や、災害によって窮地に立たされる登場人物たちの行動や心境が非常にリアルに描かれており、自然災害大国である日本の視聴者にとっても身近に感じる作品となっている。

 出演は、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』や『ベイビー・ティース』のエリザ・スカンレン、『アバター』のサム・ワーシントン、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのミランダ・オットー、 『FRINGE/フリンジ』のアナ・トーヴら新旧スターたちが勢ぞろいしている。

 このたび、キャスト&スタッフが作品を解説する特別映像、製作総指揮で脚本共同執筆者のベリンダ・チャイコのインタビューが解禁。

 特別映像では、製作総指揮・脚本のトニー・エアーズが「この惨事の全てか、少なくとも人々が経験したことの一部を伝えたかった」と作品に込めた思いを語り、「このシリーズの要素の1つが、2人の消防隊員だ。クイーンズランド州からビクトリア州を移動するモットとタッシュだ」と解説。続いてタッシュ役のエリザ・スカンレンが「英雄としてだけでなく、人間味も描かれている」、モット役のハンター・ペイジ=ロカードが「この作品は全員の調和がとれて、事実を伝える責任があった」と、それぞれ本作についてコメント。

 さらにトニーは「もう1つの要素は火災で、夏の間に発生し激しさが増していった。第1話で、若い2人が初めて火災現場に出動する。それがどのようなことなのか、しっかりと話し合った。人々の損失も描きたかった。特に家を失うことだ」と語る。その後、第2話に登場する酪農家ダンカン役を演じたリチャード・ロクスバーグは「ダンカンと彼の妻は、ニューサウスウェールズ州の酪農家で、火災が原因で土地を失う」、妻キャス役のミランダ・オットーが「(夫婦は)以前の状態に戻る方法を模索する」と、それぞれ自身の役柄について説明。

 そのほか映像では、第4話でシェルターに避難する住民を取りまとめる町の教員グレン役を演じたサム・ワーシントンが「グレンは小さな町の先生だ。周りの人の苦しみを少しでも和らげようと努力する」とコメント。そして最後はトニーが「作品のテーマは、一人一人が生きていく中でのコミュニティの重要性だ。現在のパンデミックや火災が起きた夏の間において、特に重要なメッセージになる」と、本作がタイムリーな作品であることを強調して締めくくられている。

 ドラマ『FIRES〜オーストラリアの黒い夏〜』(字幕版・吹き替え版/全6話)は、「スターチャンネルEX」にて配信中。BS10スターチャンネルにて、字幕版が8月30日より毎週火曜23時ほか、吹き替え版が9月1日より毎週木曜22時ほか(8月27日第1話先行無料放送)放送。

<製作総指揮・脚本共同執筆者ベリンダ・チャイコのインタビュー全文>

Q. あの火事の時、あなたはどんな状況でしたか?また、このドラマを制作しようと思った動機についても教えてください。

私はニューサウスウェールズ州北部に住んでいました。あの周辺一帯は夏前から激しい森林火災に見舞われたのです。私の自宅の裏の丘陵地帯が何週間も燃えていた光景は忘れられません。煙が辺り一面を覆っていました。煙のせいで太陽がほとんど見えず、明るいオレンジ色のボールのようにしか見えない日もありました。それまで大きな熱帯雨林地方に住んでいたので森林火災の怖さを味わったことはありませんでしたが、あの時は違いました。長く続いた干ばつのせいで熱帯雨林でも火災が起こったのです。

共同制作のトニー・エアーズがこのアンソロジーのオリジナルアイデアを持っていて、私に興味がないかと打診してきたのです。すぐに「イエス」と答えました。2019年〜20年の大規模森林火災はオーストラリアにとって重要な分岐点となった出来事なので、これは何かしら形にして残しておくことが重要だと感じていたからです。

Q. このシリーズを制作するにあたってどんなリサーチが行われましたか?

最初に、現存するニュース記事からあの火災を乗り越えた人々の物語を集めました。そこから、聞き取りをしたり、火災の影響を受けた地域に調査員を派遣したりしたのです。企画チームはそうして集めた報告のすべてに目を通し、私たちは“最初の仕事”として自分たちが最も共感した物語を割り出し、そこからアンソロジーの構築を始めました。

リサーチは私たちが関心を抱いて追及していた物語に磨きをかけるためにも、脚本の執筆段階でも続けられました。そして、リサーチは2009年に起こったあの恐ろしいブラックサタデーを含む過去の大規模森林火災を体験した人々たちへの聞き取りにも範囲を広げました。さらには数多くのボランティア消防団員からも話を聞き、国内の消防隊にも働きかけを行いました。プリプロダクションの際には元消防隊員だった火災コンサルタントとも連携して、物語のリアルさを追求したのです。

Q. アンソロジーというスタイルを選んだ理由を教えてください。

このドラマを作り始めた時から、あの大規模森林火災の際の多種多様な体験を描きたいと考えていました。それを実現する唯一の手法が、1話ごとに違う場所に違うキャラクターが登場するスタイルにすることでした。舞台をひとつにして、キャラクターの顔ぶれも同じにすることは、あの森林火災の規模の大きさを伝えるにはふさわしくないと感じたのです。また、“市井の人々”の物語を描こうとも決めていました。政府や関係機関の人々ではなく、あの時、あの火災の場に実際にいた人々の視点を描きたかった。ボランティア消防団員、火災に対するスキルや必要な対策などなかった普通の人々の姿のことです。

私たちは森林火災を体験したことのない人たちに、それが一体どういうものなのかを感じて、知ってほしいと思いました。“リアルさ(Authentic)”と“実体感(Immersive)”がこのドラマの制作時のキャッチワードになりました。ほかにも、火災の中を生きる人々の多種多様な姿を見せたいと考えました。それは単に火災と戦う姿だけでなく、これからもそこで生きていくか、それともそこを後にするかという決断をする人たちの姿です。ほかにも避難所で暮らす人々の姿がその一例です。このドラマはクロニクルではありませんが、このドラマは火災のはじまり、その渦中、その後を描いています。

Q. この大規模森林火災の環境への影響は甚大でした。このドラマではその点をどう伝えていきたいと思いますか?

2019年〜20年の大規模森林火災はオーストラリアに深刻な環境破壊をもたらしました。多くの野生動物の喪失は衝撃的で世界中の人々が知るところとなりました。野生動物だけでも10億匹以上(さらに昆虫、野鳥、無脊椎動物)が失われました。さらに1800ヘクタール以上の森林地帯が焼失しました。

それは生き残った動物たちにとっての生息環境が失われたというだけでなく、二酸化炭素を再吸収する重要なリソースも失われたということでもあります。あの大規模火災はオーストラリアの1年間分の二酸化炭素総排出量とほぼ同等の二酸化炭素を放出しました。地球温暖化がより激しい森林火災をもたらし、森林火災で放出される二酸化炭素がさらなる地球温暖化を促してしまうという危機的な循環に陥っているように感じています。

今回の大規模森林火災で、オーストラリアはいわば世界に警告を鳴らす“炭鉱のカナリア”だったように思います。その後、カリフォルニアや北極圏でも大規模な山火事が起こり、最近ではトルコとギリシャでも森林火災が発生してしまいました。私たちはこのドラマシリーズが何らかの行動を起こすきっかけになることを願っています。私たちはまだ変わることができる、そして世界で起こっていることに影響を及ぼすことができる。もしも私たちの行いが何かを傷つけているなら、同じように私たちの行いは何かを治すこともできるはずです。

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