『ちむどんどん』残り1週間 「気になること」「期待すること」をまとめてみた

『ちむどんどん』残り1週間 「気になること」「期待すること」をまとめてみた

黒島結菜 クランクイン! 写真:松林満美

「ヒロインの成長が全く見られない」「料理や仕事に対するリスペクト・愛情がまるで感じられない」「展開が雑で、ご都合主義すぎる」などの指摘が相次ぎ、SNSで日々「#ちむどんどん反省会」が盛り上がり続けた連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合/毎週月曜〜土曜8時ほか)。放送も残すところあと1週間。そこで、多くの人が気になっているであろうこと、ぜひ描いてほしいことをまとめてみたい。

 正直、主人公・暢子(黒島結菜)が料理人になると宣言して上京し、鶴見の沖縄居酒屋「あまゆ」に下宿しつつ、イタリア料理店で修業した理由もわからないし、独立して開業するのが修行してきたイタリア料理でなく、沖縄料理の店だった理由もわからないし、自分の店がようやく軌道に乗ったかと思えば、故郷に戻る理由もわからない。苦労や努力の過程や繊細な心情描写は大胆に省き、一気に話が進むことから、わからないことが多すぎて、「〇〇は結局どうなった?」「見逃した回があるのかもしれない」というつぶやきもSNSには続出している。

 まず主人公が最初に掲げた「世界中のおいしいモノを食べたい」という目標。残念ながら、それはまだ一歩も進んでいない。暢子は「世界」に思いを馳せたはずなのに、30代にして幼少時から食べ続けている智(前田公輝)のゆし豆腐に異様な執着を見せ、智と妹・歌子(上白石萌歌)の大事な告白の気配に気付かぬほどだ。世界中のおいしいモノを食べて、見聞を広めた末にたどり着いた味だとしたら美しいが、暢子の場合は残念ながら好奇心よりも目先の食い意地が優先されるよう。それが貧困ゆえのことだとしたら、あまりに世知辛い物語だ。

 また、智の家族がどうなったかに胸を痛めている人も多いだろう。なにせ父を亡くし、母が病気で、幼いきょうだいのために自身が犠牲になり、学校にも行かず働いていた智だ。その後、母の病気が寛解し、智が復学できたものの、優子(仲間由紀恵)が自分のおにぎりやご馳走をあげていたほど困窮していた砂川家がどうなったかは描かれない。智が自分の家族について語ることはなく、口を開けば暢子暢子、その後は歌子歌子…もしかして砂川家は貧困のために一家離散していたり、最悪な事態が起こったりしていなかっただろうか。

 家の心配というと、何度も「辞める辞める詐欺」を繰り返したフォンターナの二ツ橋(高嶋政伸)も、実家の洋食店を継いでほしいと言われていたが、結局実家は畳んだのだろうか。地元の人々に愛されつつも、後継者不在で閉店する店は現実にたくさんあるだけに、そうした厳しい現実を教えてくれるエピソードだったのだろうか。

■あの人たちの“その後”は描かれる?

 それから、家族問題で気になるのは、一瞬だけ登場した矢作(井之脇海)の妻・佳代(藤間爽子)。その後全く登場せず、妊婦の暢子と矢作2人でスタートした「ちむどんどん」が人手不足に悩んでも、たまに手伝うどころか、顔を見せることもなかった。おそらく仕事を持つ女性なのだろうが、それにしてもたまに食事に来るぐらいしても良さそうなものだ。「何でもする」と言っていた和彦(宮沢氷夫)も、ウロウロするばかりで戦力外だったし、おそらくこの店の近所の人々は、暢子と矢作を夫婦だと思っていただろう。となると、暢子たち一家が故郷・やんばるに帰り、矢作が店を引き継いだ後は、矢作が暢子と離婚したと勘違いする人も出てくるに違いない。

 そして、暢子と和彦が忘れていそうな“しーちゃん”重子(鈴木保奈美)との同居問題。結婚するときには一緒に住むと言っていたのに、孫・健彦の世話もずっとしてきたのに、よりによって自分を置き去りにして沖縄の研究に夢中になった夫・史彦(戸次重幸)と同じ道を息子・和彦も歩もうとしている。しかし、プライドが高く、傷つきやすそうなしーちゃんが、和彦や暢子に同居話のことを蒸し返すことなどできないのだろう。こうして家族の歴史は繰り返されていくのか。

 ほかにも、賢秀(竜星涼)のボクシングジムへの借金や、良子(川口春奈)が暢子の上京の時に学校から借りたお金、詐欺師・我那覇(田久保宗稔)の行方、暢子が立て直しに奔走したおでん屋のその後、清恵の元夫(田邊和也)、比嘉家にお金も貸し、面倒を見て来たのに暢子たちの宴会にいなかった賢吉おじさん(石丸謙二郎)、歌子が歌の道に進むきっかけとなった下地先生(片桐はいり)、智がバイトしていて、賢秀が暴れまくって迷惑をかけたバーガー屋のマスター(川田広樹)、ブラジルに行った陸上部のキャプテン(秋元龍太朗)など、その後どうしているのだろうか。

 本作の良識派の一人、「ピースピース!」の金吾(渡辺大知)が登場することは次週予告で明らかになっているが、もう一人の良識派・愛(飯豊まりえ)は…? 逆効果だという声も多かったRPG的BGMが、いよいよ生かされるのは、エンディングで全ての人々のその後を一瞬でも描いてこそ。『ちむどんどん』の愛の深さがラスト1週にかかっている。(文:田幸和歌子)

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