その雲に触れたら10秒で死ぬ――パンデミックを予言してしまったディストピア・ムービー『ピンク・クラウド』公開決定

その雲に触れたら10秒で死ぬ――パンデミックを予言してしまったディストピア・ムービー『ピンク・クラウド』公開決定

映画『ピンク・クラウド』場面写真(C)2019 Luminary Productions, LLC. All Rights ReservedScott Macaulay, James Schamus, P. Jennifer Dana, Ross Jacobson 2

ブラジルの新鋭イウリ・ジェルバーゼ監督による映画『THE PINK CLOUD』の邦題が『ピンク・クラウド』に決定、2023年1月27日より全国順次公開されることになった。これに併せて場面写真とジェルバーゼ監督のコメントが到着した。

 本作は、突如現れた謎のピンクの雲によって部屋の中に閉じ込められた人々の楽観と倦怠、そして絶望を描く。2017年に脚本が書かれ、2019年に撮影された本作は、当初SFとして構想されていたにもかかわらず、世界的なパンデミックで一変した現実と重なるという、思いもよらぬ形で世界から脚光を浴びることになった。

 一夜の関係を共にしたジョヴァナ(ヘナタ・ジ・レリス)とヤーゴ(エドゥアルド・メンドンサ)をけたたましい警報が襲う。突如として発生した毒性を持った正体不明のピンクの雲。それに触れると10秒間で死に至るとニュースが報じる。2人は窓を閉め切って高層アパートに引きこもり、長くて数週間で終わるであろうロックダウン生活に入る。しかし、月日が流れ、この生活が終わらないことを誰もが悟り始めたころ、見知らぬ他人だった2人は現実的な役割を果たすことを迫られる。

 この度、本作の場面写真とジェルバーゼ監督のコメントが到着した。ジェルバーゼ監督は、これまで6本の短編の脚本・監督を手掛け、TIFFやハバナ映画祭などの映画祭に出品してきた。これが初の長編映画となる。ジェルバーゼ監督が本作で目指していたのは、ルイス・ブニュエルの『皆殺しの天使』やジャン=ポール・サルトル『出口なし』のように、制限された状況下における生存競争ではなく人間の感情を描くことだったという。

 映画『ピンク・クラウド』は2023年1月27日より公開。

 ※イウリ・ジェルバーゼ監督のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■イウリ・ジェルバーゼ監督コメント
 本作の脚本を書いたのは2017年。執筆当時やりたかったのは、一向に終わらない非現実的なロックダウン下で共同生活をする2人のキャラクターが、異なる感情の変化を見せるのを描くことでした。自由とは何か、幸福とは何か、ジョヴァナとヤーゴはそれぞれの考えを持っていて、正反対のやり方でピンクの雲の世界に適応しようとします。ロックダウン下で暮らす中、人生哲学の違いが際立っていきます。

 この映画を見ることは、パンデミックの期間中に味わったさまざまな感情を振り返る機会になると思っています。その一方で、ウイルスやパンデミックが話題になるずっと前に脚本を書いたことを念頭に見てもらうと、この映画はさまざまなメタファーや多義性に満ちており、さまざまな感情を喚起するはずです。今回、誰もがロックダウンの体験をしたことで、1人1人がこの映画に対してそれぞれの思いを抱くと思います。『ピンク・クラウド』は選択、欲望、自由についての映画です。

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