『エルピス』大スクープが引き起こしたいくつもの「別れ」 “斎藤”鈴木亮平が向かう先は?

『エルピス』大スクープが引き起こしたいくつもの「別れ」 “斎藤”鈴木亮平が向かう先は?

ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』第6話より(C)カンテレ

長澤まさみ主演の話題作『エルピス -希望、あるいは災い-』の第6話が28日に放送された。大洋テレビのアナウンサー・浅川恵那(長澤)は、若手ディレクターの岸本拓郎(眞栄田郷敦)が、死刑囚・松本良夫の逮捕の決め手となった目撃証言を覆すインタビューを収めたことで、再び真実へとたどり着こうと奮い立ったが、引き寄せたのは、いくつもの別れだった。

 前回、政治部官邸キャップの斎藤正一(鈴木亮平)と共にプラネタリウムを訪れていた浅川の薬指には指輪が光っていた。それは、斎藤がご祝儀相場で儲かったからと浅川に渡した「限りなくエンゲージリング的な」指輪だった。中指にはめるには小さく、薬指にピタリとはまる指輪に、浅川は「この人はただサインだけを送ってくる。サインはそれを読み取る者に呪いをかける」と漏らし、「私はこの人を好きになりすぎてしまった」と認める。

 岸本のつかみ取った大スクープを、深夜バラエティ『フライデーボンボン』のチーフ・プロデューサー、村井(岡部たかし)が、自分たちの番組で大々的に報じることを決定、決行した反応はすさまじく、浅川たちの想像を超えるものであり、浅川と、元警察庁長官で副総理大臣の大門(山路和弘)と近しい斎藤との関係も変えざるをえなかった。村井いわく斎藤は「あふれる才能を持つ」人物であり、それは「文字通りあふれてくるもんで。同時に厄災でもあって、なにか大事なものを人生から押し流しちまうことも、ままある」のだと。そして斎藤からは「ここまでにしよう」「俺と君はいつの間にか相克(そうこく)の関係にある」と別れを告げられた浅川。崩れ落ちる浅川の姿は直視できないほどつらいものだった。

 浅川と斎藤の別れ。そして10年続いた「パンチラと牛丼屋の紅ショウガのごとき」『フライデーボンボン』は打ち切りになり、『ウィークリーポンポン』に生まれ変わるにあたってボンボンガールは総取っ替えに。村井は子会社へ、岸本は経理部へと異動。一方、浅川は“制作者の墓場”へ追いやられていた“落ちぶれた”アナウンサーから、一転、真実を追う信頼できるアナウンサーとして、花形報道番組『ニュース8』のメインキャスターとして復活を遂げる。

■ “斎藤”鈴木亮平の言葉に欺まんは感じられず…

 浅川は私たちが生きてきた現実のニュースを読み上げていく。改正入管法案の施行、元号が令和に、コメディ俳優・ゼレンスキーのウクライナ大統領選当選などなど。時間が消費されていく。松本良夫に関するスクープも、流れていってしまった。もう飲み込みたくないものは飲み込めないと言い切った浅川が、忙殺されていく。「自分が追わなければならないと分かっているのに」。報道部に抱え込むことが、浅川を抑え込む、もっとも適した方法だったのである。そして仮にこの事件が現実だったとき、どれだけの時間、私たちの頭に残っているだろうか。

 だが、バージョンアップした岸本はいまだひとり、八飛市で事件を追っていた。以前浅川が遭遇した怪しい男(永山瑛太)は、地元を牛耳る本城建託社長の息子であり、その建設会社が大門とつながっていた。岸本から送られた写メから、浅川も大門が八飛市の出身だと気づく。岸本や浅川の通ってきた道を経験している人物だと感じさせる村井も、このまま沈んでいくとも思えない。

 さらに、大洋テレビに辞表を提出した斎藤だが「大門先生のところへ行くのか」と問われた際、はっきりうなずいてはいない。浅川に対し「近い将来、君は俺を憎むことになるだろう。それでもそういう君をこそ、俺は好きだった。それはきっとこれからも変わらない」と伝えた斎藤の言葉に欺まんは感じられず、彼の見すえる先もまだ図り切れない。浅川たちの転機を描きつつ、流れていく情報への向き合い方など、私たち自身への問いかけを強く打ち出した回でもあった。(文:望月ふみ)

※初出時、本文表記に一部誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

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