リリー・フランキー、福山雅治は「根が強靭」 昨今のメディアのあり方に嘆く

リリー・フランキー、福山雅治は「根が強靭」 昨今のメディアのあり方に嘆く

『SCOOP!』リリー・フランキーインタビュー クランクイン!

 映画をはじめ、これまで何度も共演し「プライベートでも仲がいい」と公言しているリリー・フランキーと福山雅治。そんな二人が映画『SCOOP!』で写真週刊誌のエースカメラマン(福山)と情報屋(リリー)という間柄で再演している。「これまでで一番普段の関係性に近い感じだった」と語ったリリーに、福山の素顔や週刊誌というメディアについての本音を聞いた。

 リリー演じる“チャラ源”は東京の街に潜む情報屋。芸能スキャンダルの極秘情報があると、福山演じるカメラマン都城静にそっとネタを提供する。そんな二人は兄弟のように親密な関係だ。「大根(仁)監督も福山くんもプライベートでもよく会う間柄なので、やりやすいですよね。友達同士で仕事をするのは良くないって言うけれど、それは若いときであって、こうして大人になってから友達と一緒に仕事ができるって幸せなことです。大根監督の好きなもの、福山くんの感受性が分かってやっているから、お互いパスの出し方が分かった上で壊せる。いいセッションができました」。

 リリーと福山、リリーと大根監督という関係性はあっても、大根監督と福山は本作が初共演。「意外な組み合わせだなって思いました」と素直な感想を述べるが「最初は福山くんが降りてきた感じがしたんだけれど、よく考えたら大根監督も巨匠になっているんですよね。撮った映画が毎回ヒットしているんだから。そんな二人がいい感じのめぐり合わせで結びついた。福山くんは新しい監督とセッションしたいと思っていて、大根監督は大スター福山雅治に内在する、東京に出てきたての頃のヤンチャな部分を延ばしていったようなキャラクターを作った。それがうまく融合しましたよね」と完成度の高さに舌を巻く。

 劇中、福山演じる静は、非常に人間味溢れるキャラクターとしてスクリーンを縦横無尽に駆け巡る。そこに付かず離れず寄り添うのが“チャラ源”。その関係性は親友でもあり兄弟でもあるようだが「僕と福山くんは5つ違いなのですが、彼を年下と思って接したことはないですね。チャラ源と静の関係性に近い。福山くんは普段からすごく優しい人で、年上の僕が彼に頼っているほうが多いんです。年末にライブなんかやったら10日間で18万人とか集めちゃう大スターなのに、本当に福山くんってちゃんとしていて普通のいい人。真面目なんですよ。よほど根っこの部分が強靭なんでしょうね」と福山の素顔を絶賛する。

 本作では芸能スキャンダルを追いかける側が主人公となっているが「いまの不倫がどうだとか不貞がとか。本来なら家庭で解決すべき事柄。それをメディアが犯罪者であるかのように執拗に断罪するのってあんまり気持ちよくないですよね。いまのマスメディアってマスなメディアを持っているんじゃなくて、マスに広がる種をまいているようで。それで野に放って、野獣に袋叩きにさせているみたいな」と現状のメディアの在り方を嘆く。

 リリー自身も尾行された経験があるという。「される側は『尾行されているな』って気づくけれど、相手が写真週刊誌か変質者か分からない。僕は追い詰めて捕まえたら、そいつは探偵で警察を呼ばれたんです。結局、一般人が尾行していれば変質者だけれど、探偵や出版社がやっていればしょうがないというのは変な理屈ですよね。でもその記事を読んで話のネタにしている僕らもいる矛盾は自分でも感じます」。

 リリーの言葉通り、近年メディアの在り方も変化しつつある。「メディアの倫理とか意味とか、そういう部分に疑問があったからこういう企画が始まったんだと思うし、いいタイミングですよね」と語ると「この作品って“東京の映画”だなって思うんです。なかなか東京の映画って成立しにくいんですよね。舞台が東京と言いつつ東京でロケするのって難しいけれども、これはほぼ東京ロケ。いまの東京の社会的な背景と匂いが映っています。九州にいたときの俺がみたらしびれる作品ですよ」と本作の魅力を語っていた。(取材・文・写真:磯部正和)

 『SCOOP!』は絶賛上映中。

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