佐藤健 「見たことのあるアクションは1秒もいらない」 『亜人』で挑む新境地

佐藤健 「見たことのあるアクションは1秒もいらない」 『亜人』で挑む新境地

佐藤健、『亜人』インタビュー クランクイン!

 『るろうに剣心』で驚くべき身体能力を見せつけた佐藤健。アクション映画は「観るのも、やるのも好き」という佐藤。人気漫画を実写映画化する『亜人』では、「死なない者同士の戦い。見たことのないアクションを作りたかった」と新たなる境地へと挑んだ。一体それは、どんなものなのか?アクションにかける思いを聞いた。

 ある日、自分が命を繰り返す新人類=亜人であるとわかった青年・圭が、人類に牙をむく亜人最凶のテロリスト・佐藤(綾野剛)と壮絶な戦いを繰り広げる姿を描く本作。原作を読み、その面白さに魅了されたという佐藤。映画化に参加したいと強く思ったのは、“絶対に死なない男”のバトルという設定に惹かれたからだ。「圭も佐藤も亜人なので、絶対に死なない。死なない者同士だったら、見たことのない新しいアクションが作れるんじゃないかと思った」。

 「漫画原作を映像化する意義は色々とあると思うんですが、今回に関しては“亜人だからこそできるアクションを見せる”ということ。“死なない”という設定を戦術に取り入れるとしたら、こんなことも、あんなこともできるとものすごく想像力が膨らんだ」と、前のめりで本作に飛び込んだ。しかしその斬新な設定は、「どちらも生き返ることができるなら、撃たれても平気じゃん!と、いわば“茶番”に見えてしまう可能性があるんです。これをそう見せないのが、なかなか難しかった」と苦労も伴った。

 その苦労を乗り越え、見惚れるほどのスピード感と緊迫感にあふれたバトルシーンを完成させた。佐藤は「これまでに見たことのあるアクションは1秒もいらないという思いだった。例えば、自分で自分の頭を撃ってリセットしたり、自分の腕を自分で切って、片手で戦ったり。すべて今までに見たことのないアクションですよね。これらを成立させるためには、アイディアを出し合ったりと、綿密な話し合いが必要でした。ロジックを組み立てて土台を用意してから、最大の熱量で戦うという作業です」。

 そのためには「腹を割って話し合えるチームが必要だった」と告白。アクションチームには、『るろうに剣心』を創り上げたスペシャリストが集ったが、佐藤は「圧倒的な信頼があります。もうこれで大丈夫だろうと思えるチーム。相手役の綾野さんも、『るろうに剣心』で共演した後、プライベートでお会いすることもあって。もともと知っていて、信頼関係もある綾野さんが相手で本当によかった」。最強チーム一丸となり、前人未到のアクションを作り上げた。

 ダンスや少林寺拳法で培ったキレある動きで、アクションにも定評のある佐藤だが、本人は「アクションが得意分野だとは思っていない」と意外な言葉を口にする。「人並みより動ける自信はありますが、“アクションなら絶対に自信がある”とは言えない。いつでもアクションができるように動けるようにしていたいとも思うし、身体能力が武器として使えたこともあるけれど、それを仰々しく掲げるつもりもなくて。“武器になる瞬間があればいいな”というくらい」。

 俳優としては「色々なものをやりたい」と思っているそうで、その言葉通り、次回作には感動の実話を映画化した『8年越しの花嫁 奇跡の実話』が控えるなど、カラーの違う作品にトライしている。作品選びにおいては「自分の心が素直に動くもの」を大事しているという佐藤。特技を猛アピールすることもなく、心に従ってどんなことも懐深く受け止めるような頼もしさを感じるが、「どんとこいというタイプではないですよ。僕は勝てる自信がないとやらないタイプだと思います」と笑う。「でもその自信の持てる範囲が増えてきたり。今回のように、自分でより能動的に動けば作品づくりに深く参加できる環境にいられるようになった。それは本当にありがたいことだし、今とても楽しいです」。高みを目指し続ける、頼りがいある男。今後のチャレンジにも目が離せない。(取材・文・写真:成田おり枝)

 『亜人』は9月30日より公開。

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