北原里英、初主演映画『サニー/32』を経て“新しい自分”に

北原里英、初主演映画『サニー/32』を経て“新しい自分”に

北原里英『サニー/32』インタビュー クランクイン!

 「これをもって卒業できるということが、すごく幸せなことだなと思います」。初主演映画『サニー/32』についてそう語るのは、今春でのNGT48卒業を発表し、女優としてのスタートを切る北原里英だ。撮影を通じて「4回死ぬかと思った」という北原に、キャラクターに対する思いや芝居に対する向き合い方、女優としての新たな一歩を踏み出す心境について話を聞いた。

 白石和彌監督と脚本家・高橋泉が手掛けた完全オリジナル脚本に基づく本作は、24歳の誕生日に誘拐された中学教師・藤井赤理(北原)と、彼女を「犯罪史上、もっとも可愛い殺人犯」“サニー”と崇拝する狂信者たちの姿を描く。赤理を「地味な普通の女性」と評する北原は、その地味さの裏に別の側面が潜んでいることを指摘する。「地味だからこそ、ストーカーに遭うような、そういうちょっとした非日常にすごく期待してしまっている部分が大きいんです」。

 劇中では、誘拐犯である柏原(ピエール瀧)と小田(リリー・フランキー)によって非日常に放り込まれた赤理が、それまでの“地味な自分”を捨て去り、“新しい自分”に変わっていくさまが鮮烈に描かれる。その過程で、暴行を受けたり雪山を歩いたりといった過酷な芝居も務めた北原は「4回死ぬかと思った」と苦笑するが、「出し切れなくて悔しい思いをしたくないと思っていたので、自分の中で覚悟を決めて臨んだのもあって、『やれ』と言われたことは『何も断らないぞ!』という気持ちで臨みました」と振り返る。

 苦労を重ねた撮影では、芝居に対する新発見もあった。「すべてのキャラクターに、役者本人が反映された役になっていたように感じるほど、時間を重ねれば重ねるほど、皆それぞれ元々の性格が少しずつ役に出てきて」。そう回想する北原は、「この映画をやるまでは、誰かになり切ること、自分を全くなくすことがお芝居だと思っていました」というが、「『サニー/32』をやってみて、役者さんの性格は嫌でも出てしまう。出したくなくてもにじみ出てきてしまうものだから、それを含めて役を魅力的にしなくてはいけないということを学びました」と語る。

 NGT48からの卒業を前に公開される本作は、女優・北原里英にとっての試金石となるが、自身にとってはどんな意味を持つのだろうか。「自分の人生を代表する作品になったと思うので、今は棺桶に入れたいくらいの気持ち(笑)。ただ、ここで終わってはいけないという思いもあるので、これをはっきりと“人生の一本”ですという風には、あえて言わない方がいいのかな」と冷静だ。それでも、「今までの自分の芸能・AKB48グループでの人生の中では、間違いなく一番の事件だし、一番のチャンスだと思うので、この作品で主演をさせていただいたことは、すごく幸せなことだなと思います」と達成感に満ちた笑顔を見せる。

 これまでは将来設計や目標に縛られることが多かったと吐露する北原だが、NGT48卒業を前にそうした思いは霧散した。「良い意味で、卒業後の自分が全然浮かばなくて、今はスッキリした気分でゼロみたいな状態にいれていると思います。今までの自分とは違うので、気持ちも変わったのかなと思います」。劇中で赤理が“地味な自分”から“新しい自分”に変化したように、アイドル・北原里英もまた、女優・北原里英という“新しい自分”に変わりつつあるようだ。「いろいろな作品にスッとなじめるような俳優さんになりたいと思います」。そう語る北原の表情は、まぶしいほどに晴れやかだった。(取材・文・写真:岸豊)

 映画『サニー/32』は2月17日より全国公開中。

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