役者デビュー10周年の千葉雄大「誰かと比べてしまっていた時期もあった」

役者デビュー10周年の千葉雄大「誰かと比べてしまっていた時期もあった」

千葉雄大、『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』インタビュー クランクイン!

30代に突入し、役者としてさまざまなチャレンジを重ねている千葉雄大。映画『スマホを落としただけなのに』の続編『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』では刑事・加賀谷役として、単独主演を務めた。「かわいい」を代名詞としてお茶目な表情を見せることも多い彼だが、30歳・役者デビュー10周年を迎えた思いを聞くと「誰かと比べてしまっていた時期もあった」と告白。そんな思いも吹っ切れたと語る彼が、今の境地を語ってくれた。

■続編だからこそ感じる、継続の重みと出会いの喜び

 前作が大ヒットしていることもあり、少なからずプレッシャーもあった様子だが、千葉は「昨年は『家売るオンナ』の続編や『もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜』のスペシャル版など、続編のお話をいくつかいただくことがあって。今まで自分がやってきたことに対してのご縁をすごく感じました」としみじみ。「前作の『スマホを落としただけなのに』は尊敬する北川景子さんが主演されていて、それに続く主演ということで、決して手放しで“撮影が楽しみ”とは言えませんでした。でも、もし僕がやってきたことを見てくださって、そういったお話をいただけているのだとしたらすごくうれしいこと」と継続の重みと出会いの喜びを実感する。

 今回、加賀谷は前作で自身が逮捕した浦野(成田凌)と禁断のタッグを組み、事件解決に奔走。次第に加賀谷のバックボーンも明らかとなるなど、ドラマ性あふれる内容となっている。千葉は「盛りだくさん」とニッコリ。「前作から引き継いだ部分もあれば、加賀谷のバックグラウンドや浦野とのバディ的な関係、加賀谷の恋人の美乃里との関係性も描かれます。大変だったのは、加賀谷という人物は、物語の真ん中に立つような性格のキャラクターではないこと。いろいろと考えることも多かったですが、やりがいも大きかった。中田秀夫監督や周りの方に助けていただいて、加賀谷を作り上げていきました」と充実の表情を見せる。

■恋人役は乃木坂46・白石麻衣!「潔くてすごくかっこいい女優さん」

 「加賀谷に恋人がいたのは、僕自身、驚きでした」と楽しそうに話す千葉。「ミステリーですが、胸キュン映画としても楽しんでほしい」とアピールする。美乃里を演じたのは、乃木坂46の白石麻衣。白石との共演では刺激になったことも多かったという。「監督から求められたことに、“わかりました”と一つ返事で応え、真っ直ぐに向き合われていた。すごく潔さを感じて、かっこいい女優さんだなと思いました」と述懐。

 「恋人役なので、“お互い、どういうところを好きになったんだろう?”という話をして役柄をすり合わせていました。美乃里は強い意志を持った女性だからこそ、加賀谷は惹(ひ)かれたんだと思います」と分析する。しかし、劇中の加賀谷は結婚を意識する美乃里に対して、なんとも煮え切らない態度をとってしまう。千葉自身は、もし女性から結婚を迫られたらどうするだろうか?「加賀谷とは違って、きちんとはっきりさせると思いますよ。“自分がしっかりしてからじゃないとダメだ”という感覚は、もうなくなりました(笑)。もしそんな機会があれば、“ありがとうございます”と言いたい(笑)」と妄想していた。

■周囲と比べてしまった過去 たどり着いた「現場が好き」という思い

 2010年、20歳のときに『天装戦隊ゴセイジャー』で役者業をスタートさせ、今年で役者デビュー10周年を迎えた。今後のビジョンを聞いてみると、「ありがたいことに、もし複数の作品の撮影が重なってしまったとしても、一つ一つ、きちんとやっていきたい」とストイックな一面を見せ、「デビュー当時から考えると、怒ってくれる方も格段に減ってきた。だからこそ、自分で自分をいましめることも必要なのかと思います」と表情を引き締める。

 バラエティー番組などでは「かわいい」と言われることを存分に楽しみ、時々ブラックな一面ものぞかせてみたりと、サービス精神おう盛な姿を見せる千葉。「カテゴライズしていただくこともありますし、求めていただけるのもうれしい。そのすべてが自分であって、嘘じゃないと思っています。なにをやってもそこに説得力を持たせられる仕事がしたいなと思っています」と地に足をつけて前に進んでいるが、20代前半から中盤には「誰かと比べてしまった時期があって。いろいろ考えてわからなくなってしまったことがある」のだとか。

 しかしその葛藤が、役者業への覚悟に変わる。「自分にはなにが足りないんだろうと、誰かのせいにしたくなってしまったり…。そこで考えて、“なにがしたい?”と言われたら、“お金がほしい”とかそういうこともあまりないなと思って。もともと制作側を志望していたこともあり、やっぱり現場が好きだと思ったんです。現場にいる人たちの仕事ぶりを見ているのも好き。そこで吹っ切れて、今はどんな役であったとしても、自分がものづくりの現場にいられることがうれしくて、ありがたいなと思っています」。

 「結局、一つ一つを諦めずに、腐らずにやっていくのが近道かもしれませんね」と吐露した千葉。「クランクアップ時には泣いてしまった」というこん身の本作で、その雄姿をたっぷりと目撃してほしい。(取材・文:成田おり枝 写真:曽我美芽)

 映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』は2月21日より全国公開。

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