Official髭男dism、このチームだからこそ「困難も乗り越えられる」

Official髭男dism、このチームだからこそ「困難も乗り越えられる」

Official髭男dism

4人組の人気バンド・Official髭男dismが、公開中の映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』に主題歌として新曲「Laughter」を書き下ろし、『コンフィデンスマンJP』シリーズと3度目のタッグを果たした。同シリーズの連続ドラマの主題歌「ノーダウト」で2018年にメジャーデビューし、一躍スターダムへと駆け上がった彼ら。これまでの道のりを振り返ると、メンバーへの信頼感があふれ出した。Official髭男dismが語る転機、そしてコロナ禍で芽生えた思いとは?

■主題歌「Laughter」に込めた思い テーマは“笑顔”

 ダー子(長澤まさみ)らおなじみのメンバーが、世界有数の大富豪一族をターゲットに10兆円の資産を狙って華麗かつ大胆にだまし合いを繰り広げるさまを描く本作。

 Official髭男dismは藤原聡(Vo/Pf)、小笹大輔(Gt)、松浦匡希(Drs)、楢崎誠(Ba/Sax)からなる4人組。主題歌「Laughter」の作詞・作曲を手掛けた藤原は「脚本を読んでとても共感した」そうで、「『コンフィデンスマンJP』チームの皆さんと、“大きな世界を歌う曲にしよう”と話し合って。『アラジン』の『ホール・ニュー・ワールド』のような曲がいいのではないかという話も出ました。“誰にでも当てはまる世界であり、自分の心と世界に共通するものを描いていけたら”と思いながら作りました」と曲に込めた思いを吐露。

 タイトルの“Laughter”には“笑い声”という意味があるといい、笑顔をテーマにした内容は、映画との相性もバッチリ。藤原は「映画ではずっと、“なにが真実でなにがウソか”ということがテーマとなっています。バンドとして活動していく上でも、実は“なにが真実なのか”というテーマがのしかかってくることがあって。ビジネスとしてはたくさんの方に聴いていただけることが正義だけれど、なによりも大事なのは自分たちが“心の底からいい音楽ができた”と言って、笑えること。“人生にとって、笑える方向に進んでいくことが大事なんだ”という思いを込めています」とバンドとしての覚悟も収めた。

■このチームだからこそ「困難も乗り越えられる」

 メジャーデビューしてから3度目のタッグとなった同シリーズも、バンドにとって特別な存在となった。ドラマ版主題歌に抜てきされた当時は、まだインディーズバンドだった彼ら。月9ドラマの主題歌をインディーズアーティストが担当するのは史上初のことだった。藤原は「チームの方々が自分たちの耳を指針にして、僕たちにオファーしてくださった。ものすごくバンドとして光栄なこと」と感謝。「僕たちも歌でその思いに応えていきたいと思っています。一緒に面白いものを追求する輪に入れていただいて、切磋琢磨(せっさたくま)させていただいているような気がしています」と同シリーズから力をもらっている。

 劇場版第2弾では、先の読めないコンゲームはもちろん、ダー子と新たな弟子・コックリ(関水渚)の成長物語も見どころとなる。バンドにとっての“成長”となった転機を聞いてみると、小笹は「上京して、地元でやっていたことが通用せずに初めて音楽で悔しい思いをしたこと。そしてメジャーデビューで、『ノーダウト』を発表したとき」と同シリーズとの関わりの深さも告白。「ブレイクスルーすると、その後にはスケジュール的にも厳しくなって、“求められるオーダーにどれだけ応えられるか”と悩む瞬間が必ず訪れる。そうなったとき、さとっちゃん(藤原)が、僕らが1を投げかけたことに100くらいの楽曲で返してくるようになって。本来だったら苦しいと思うような時期に、さとっちゃんの作詞作曲能力が開花した」と藤原の才能に驚く。

 「ありがとう!」とほほ笑んだ藤原は、「スケジュールがどんどんキツくなるということは、みんなと会う機会が増えるわけですよね。みんなのことはミュージシャンとしても尊敬しているし、仲間で、友達以上の存在で、一緒にいる時間がものすごく楽しい。上京して、共同生活をしていた時期があったことも大きいと思います。よりファミリーになれた」とメンバーが支えだという。

 さらに「このチームだからこそ、困難も乗り越えられる。このメンバーでなければ、昨年のどこかで心が折れていたかもしれません。僕はいろいろなことをシリアスに受け止めてしまう方なんですが、それをほぐしてくれる存在もいる。紅白の数日前もみんなでボードゲームをしていたり、いい感じのゆるさがあるところもいい」と笑う。松浦は「お互いのステキだと思うところはきちんと“ステキだ”と言えて、“こうした方がいい”ということも言える。相手に投げかける言葉をすごく大切にしているチームだと思う」、楢崎も「“今こういうことを思っている”、“この出来事は本当にうれしかった”などすべてを共有できたからこそ、転機を迎えたときにいい方向に進んだんだと思う」と仲間の存在がなによりの宝物だ。

■コロナ禍による喪失感 希望はファンとの“再会の約束の歌”

 新型コロナウイルスの影響で、音楽業界も苦境に立たされている。コロナ禍において、どんな思いが芽生えたのだろうか。

 松浦は「今の時代、発信の方法や選択肢もいろいろとある。会場で体感してもらえる生のライブに代わるものはないんですが、配信やインスタライブなど、今できる方法でお客さんと距離を縮めて、伝えたいメッセージを伝えていきたい」としみじみ。楢崎は「生のライブをやりたいというのが本心です。今はそれができるようになるまで待つしかない」と打ち明けつつ、「今は新しいアイデアが生まれる瞬間だとも思っています。“これからブレイクスルーするぞ”というバンドもフックアップしていきたい。好きなアーティストがたくさんいるんです」と音楽への愛をにじませる。

 藤原は「奪われた日常に対する喪失感はかなりのものでした。自分が何者なのかがよく分からない時期が続いた」と切りだし、8月にリリースするEP『HELLO EP』が希望になったと語る。「これらの楽曲を出せるという希望があった。『HELLO EP』が、ファンの皆さんとの“再会の約束の歌”のように聴こえています。応援してくれるファンがいて、自分たちがいかに恵まれた状況にあるかということも、改めてよく分かった期間です」。

 これからも自分たちらしく、Official髭男dismは走り続ける。藤原は「バンドとして一番幸せなことは、自分たちが胸を張れる音楽をやっていくこと。これからも4人の心がグッと熱くなれるものを求めて、やっていくことが大事だなと。『Laughter』で歌っていることそのままなんですが、4人が笑える方向に進めば、“自分たちらしさ”が絶えることなく、輝いていくのではないかと思っています」。小笹も「この先も新しいチャレンジをしていくけれど、この4人が“いい曲”だとジャッジしたら、それで大丈夫。それこそが、僕たちらしい音楽なんだと思っています」と未来を見つめていた。(取材・文:成田おり枝)

 映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』は全国公開中。

※楢崎誠の「崎」は「たつさき」が正式表記

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