櫻坂46・小林由依、グループ改名後に込み上げた思い「前進しなければならない」

櫻坂46・小林由依、グループ改名後に込み上げた思い「前進しなければならない」

櫻坂46・小林由依 クランクイン!

北村匠海、小松菜奈、吉沢亮らが出演している公開中の映画『さくら』で、小松の同級生役を務めたのが櫻坂46の1期生・小林由依だ。グループ内でも“演技派”と呼び声の高い彼女は、本作でも乙女心に揺れる役どころを見事に演じ切っていた。彼女の居場所であるグループが、欅坂46からの改名で話題になったのも記憶に新しいが、再スタートから1ヵ月あまり、メンバー個々から「前進しなければならない」という空気感を味わっていると話す。

■約2分間にわたる長尺のセリフは「欅坂46時代に伝えていたメッセージと重なる」

 小松菜奈が演じた家族関係に葛藤を抱える長谷川美貴の同級生・大友カオル役を務めた小林。大阪が舞台の本作では、方言を交えた演技や表現には苦労もあったという。

 「大阪弁は、監修の方がひと通りのセリフを吹き込んでくれた音源を繰り返し聞いて、練習していました。細かなイントネーションを意識すると話し方が不自然になるし、そちらにばかり集中していると、お芝居にならなかったりするのでバランスが難しくて。結構苦戦しました。

 作品全体としても、西加奈子さんの原作もあらかじめ読んでいたので、撮影当初は本来のイメージのままのカオルを演じようと試行錯誤していました。でも、矢崎(仁司)監督から『原作にとらわれず、小林由依の演じるカオルをやってみてください』と言われてからは気持ちが楽になり、だんだんと自分なりのカオル像を落とし込めるようになっていきました」。

 劇中では、美貴に対するカオルの思いを約2分間にわたる長尺で、一気に吐き出す見せ場もある。また、そのセリフはどこか、欅坂46の楽曲にあった“抗う”というイメージに近かった。

 「長尺のセリフは部分ごとに切らず、全編を一度にすべて撮影する流れだったので、何度も声に出して覚えていきました。カオルの美貴に対する思いを全校生徒に語りかける場面ですが、初めて台本を読んだときから、私たちが欅坂46時代に伝えていたメッセージと重なるとも感じていて。カオルの思いも自然に入ってきたし、そのセリフから『この子はきっと自分自身でも体現して生きて来たんだろう』と共感できたんです。自分の中にスッと入ってくる感覚があったし、言葉に代えてしっかりと伝えられればと思いながら演じていました」。

 1月期のドラマ『女子高生の無駄づかい』(テレビ朝日系)への単独出演を果たし、5月10日に放送された欅坂46時代の冠番組『欅って、書けない?』(テレビ東京)では、早泣き対決の企画でわずか30秒で涙を流して話題を集めるなど、メンバー内では、演技力や表現力についても定評のある小林。

 自分の中で演技に対する意欲が強まったのは、欅坂46時代にグループとして初主演した連続ドラマ『徳山大五郎を誰が殺したか?』(テレビ東京系)の経験があったからだという。

 「元々、自分にとってお芝居は『観るもの』という意識があったので、はじめから演じたいという気持ちがあったわけではなかったです。でも、グループで初めて出演した連続ドラマの撮影現場を味わい、楽しさを覚えるようになって。それからは、視聴者としてほかの作品を観ても、いろいろな俳優さんたちの演技を違った目線で見られるようになり、演技に対する意欲が強まっていきました。

 また、櫻坂46はメンバーがたくさんいるので、自分の強みを見つけなければいけないと常に感じていて。それが何かを考えたとき、自分にとって『演技であればいいな』と感じています」。

■グループの改名を経て込み上げた思い「前進しなければならない」

 メンバーとしての立ち位置を考える小林の居場所であるグループは、10月12、13日に行われた欅坂46「THE LAST LIVE」を境にして、欅坂46から櫻坂46へ改名した。そこから1ヵ月あまり。環境の変化には、慣れてきたという。

 「改名してすぐは、取材などでサインを書くときに『欅坂46』と間違えてしまうときがあったんですけど、今はもう慣れてきました。ただ、気持ちとしては『THE LAST LIVE』の終演後には『自分はもう櫻坂46なんだ』というモードに切り替えていたんです。いろいろなお仕事の現場でもグループ名にちなみ、桜の枝が用意されていたり、花びらが舞う演出をしていただいたりする機会もあるので、そんな場面でも変化を味わっています」。

 かつての冠番組は『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京/毎週日曜24時35分)にリニューアル。12月9日に発売される櫻坂46の1stシングル「Nobody’s fault」のMVも公開され、再スタートを切ってから初めての紅白歌合戦出場も決定した今、慌ただしくなりつつある活動の中で、だんだんと改名の意味をかみ締めているようだ。

 「振り返ると、改名は自分の意識を変えるいい機会でもありました。グループも改名でガラッと変われた部分があるからこそ、欅坂46時代にはできなかったことへ個人で挑戦してみようとか、メンバー同士でも『そこ曲がったら、櫻坂?』をはじめバラエティーでももっと頑張っていこうとか、みんなで一丸となり取り組めている気がします。

 欅坂46としては少なからずの停滞感も感じていて、改名で奮い立たされたというか、一人一人の『前進しなければならない』という空気も強くなってきて。一方で、1stシングルのMV撮影を通して、曲を伝える、グループの強みを全員で伝える、という部分はこれまでと変わらずに大切にしていきたいと思いました」。

 26人のメンバー中、櫻坂46のパフォーマンスで核を担う8人のメンバー“櫻エイト”にも選ばれた小林。インタビューの最後、欅坂46時代からフォーメーションの前方に立つ機会も多かった彼女に、フロントメンバーとしての意義を尋ねた。

 「誰にとってもすぐに目に入るポジションですし、グループ内でもよく見られる位置だから、堂々としっかり立っていなければいけないポジションだと思っています。だからこそ、与えられた役割に恥じないような自分になるため、頑張りたい気持ちもあって。ただ、全員が支え合う意識を持っているので、一人一人の負担をメンバーそれぞれで分け合えるように活動していきたいです」。(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:ヨシダヤスシ)

 映画『さくら』は全国公開中。

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