チャップリン『キッド』から着想 『旅立つ息子へ』親子の愛と絆にあふれる新カット

チャップリン『キッド』から着想 『旅立つ息子へ』親子の愛と絆にあふれる新カット

映画『旅立つ息子へ』場面写真(C) 2020 Spiro Films LTD.

ニル・ベルグマン監督の最新作『旅立つ息子へ』より、チャップリンの名作『キッド』のように深く美しい愛と強い絆を描く新場面写真4点が解禁された。

 本作は、自閉症スペクトラムを抱える息子を全力で守る父と、父の愛を受けとめて心優しい青年に成長した息子を描いた、実話に基づく親子の旅立ちの物語。

 世界でいちばん愛する息子のため、キャリアも捨て、子育てに人生を捧げてきた元グラフィックデザイナーの父。金はなくても愛があると田舎に引っ込み、2人だけの世界を楽しんできた。ところがある日、彼らに突然の試練が訪れ…。

 ベルグマン監督は、東京国際映画祭で唯一の二度のグランプリを誇るイスラエルを代表する巨匠。本作で本国で最も有名な映画評論家から是枝裕和監督の作品と並べられ、イスラエル・アカデミー賞では監督賞はじめ主要賞を総ナメするほど高い評価を得ている。

 息子ウリ役を演じた気鋭の新人ノアム・インベルは、リアリティーあふれる天才的な演技で『ギルバート・グレイブ』のレオナルド・ディカプリオの再来をほうふつさせると世界中で評判に。父親が自閉症スペクトラム施設の職員で、小さい頃から施設の友達と一緒に育った経験がキャラクターへの深い理解につながった。父親役のシャイ・アヴィヴィはイスラエルで活躍するベテラン俳優で、息子への思いを全身で表現した。

 解禁された新場面写真は、父アハロンと息子のウリが体を寄せ合い、まるで心を通わせ合っているような姿をはじめ、仲良く一緒に魚釣りをしたりひげをそったりと、2人だけで過ごすかけがえのない時間を楽しんでいるシーン、そしてウリがこよなく愛しているチャールズ・チャップリンのイラストが切り取られている。

 本作は脚本家ダナ・イディシスの自閉症の弟と彼女の父親をモデルに描かれた。実際にダナの弟はチャップリンの映画がお気に入りで、なかでもチャップリン演じる主人公が孤児の男の子を育てる親子の特別な絆を描いた『キッド』(1921)は繰り返し見ているという。ベルグマン監督はそのエピソードから着想を得て、キーとなる要素に『キッド』を取り入れたことについて、「本作との共通点がありますし、あの名作が描く人間性や、思いやり、愛情はインスピレーションを与えてくれたと思っています。世界的に愛されている名画が、自分の監督作に登場していることは、純粋に幸せだと思っています」と語る。

 日本チャップリン協会会長の大野裕之氏も「障がいを持つ子供と、献身的に尽くす父親。いくら愛があっても残酷な現実には勝てない。そんな2人のそばにはいつもチャップリンがいた。人生には、ユーモアがどうしても必要なのだと教えてくれる素敵な作品です」と本作を絶賛している。

 映画『旅立つ息子へ』は3月26日より全国公開。

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