LiLiCo、声帯手術&禁酒で挑む初ミュージカル 来日以来32年、歌への思いは消えず

LiLiCo、声帯手術&禁酒で挑む初ミュージカル 来日以来32年、歌への思いは消えず

ミュージカル『ウェイトレス』に出演するLiLiCo Copyright Toho Co., Ltd. All rights reserved.

映画コメンテーター、歌手、プロレスラー…と12の顔を持つLiLiCoが、この春また新しい肩書きを手にする。「50歳になったらミュージカルをやりたい」という長年の夢が実現する彼女に、喉の手術、酒断ちなど並々ならぬ覚悟で挑むミュージカル『ウェイトレス』への意気込み、来日以来32年抱える歌への思いを聞いた。

■“50歳になったらミュージカルを”――有言実行でかなえた夢

 2007年に公開されたアメリカ映画『ウェイトレス〜おいしい人生のつくりかた』をベースに製作されたブロードウェイミュージカル『ウェイトレス』は、結婚、出産、離婚、自立などさまざまな岐路に立つ悩める女性たちをキュートでポップに、ユーモアを交えて応援するコメディ・ミュージカル。今回が日本初演となる本作でLiLiCoは、高畑充希が演じる主人公・ジェナのウェイトレス仲間で、時に優しく、時に厳しくジェナに接する姉御肌のベッキーを演じる(浦嶋りんことのダブルキャスト)。

 ミュージカル初挑戦となるLiLiCo。「50歳になったらミュージカルをやりたいとずっと言い続けてきたので、言ってると誰かが声を掛けてくれるもんなんだな」と思ったそうだが、出演に至るまでにはいろいろな思いがあったという。

 「オファーを聞いた時には、キターーーー!!って思いました。ちょうど人生とキャリアの何かを変えたかったので。LiLiCoという人は新しいことをどんどんやりたい人、やりたいことをやる人なんです。歌手をやっていてもまったく売れず、“映画コメンテーターってなんですか?”という状況から『王様のブランチ』が始まり、20年経ってライフワークになってきて。その途中でバラエティー番組に出たり、プロレスデビューしたりと、キャリアがいろいろ変わってきました。でも、その中で歌がどっかに消えていたんです。私、歌手になるために日本に来たのに! 確かにライブはやってましたけど、自分のプロデュースで好きな歌を歌うだけだった。でも、今回歌来たじゃん!って。

 ただ現実問題として、レギュラーの生放送のお仕事もありますし、スケジュール的に難しいよね…と。断らなきゃいけないのかなという状況になったのですが、立ち止まって考えてみると、私なんのために日本に来たのか忘れてるじゃん、自分のやりたいことを自分自身でやろうとしていない、私これすごくやりたいのに!って思って。解決法は必ずあるはずだといろいろ相談し、出演できることになった。緊張や不安もいっぱいありますが、やりたい!が勝ったので、あ、来たな!って」。

■手術&酒断ちしてでも歌いたい、素晴らしい曲に圧倒

 そうして実現しただけあり、本作に懸ける思いはひとしおだ。

 「とにかく、曲が素晴らしいんです! よくぞベースになった小ぶりの映画からこんな素晴らしい音楽をつけて、素晴らしいミュージカルにしてくれた!と思って。お稽古で歌っていても気持ちがいいですし、ということは聴いていても気持ちがいい曲ばかり。サントラCD売りたいわ〜。CD売るのは得意ですよ、純烈を見ているので(笑)。

 どれくらいこの作品に懸けているかといったら、私、このために声帯の手術をしてますので。声が潰れないように、いい声でこれから先も歌えるようにって。それに、週8で飲んでた女が酒をやめたんですよ! 生き方を変えたんです(笑)。意味がないって言って発声練習をやったことなかったのに、やってみると声出るんだなって(笑)。こんなに真面目に取り組んだこと今までない。だってピアノも買ってもらいましたから、主人に。ピアノがないとできないわ!って言って(笑)」。

■ベッキー役で本来のLiLiCoが引っ張り出される

 今回演じるベッキーは、高畑演じるジェナ、宮澤エマ演じるドーンといったウェイトレス仲間の一番年上で、寝たきりの夫を抱える不遜で怒りっぽいキャラクター。LiLiCo自身は映画のころから一番好きな人物だったという。

 「ベッキーはいろいろ嫌味を言っているけど、さほど誰も傷つけていない。勝矢さんが演じるカルと言い合ったりしますが、それはゲームのようなもので、ユーモアを忘れずに楽しんで生きているの。すごく共感できるんですよ。ベッキーはキツさと包容力の波や喜怒哀楽が激しくて、ある意味LiLiCoそのもの。ダンナが寝たきりじゃないっていうところだけですね、違うところは(笑)。

 私自身もベッキーを演じることで変わると思っています。もしかしたら本当のLiLiCoになれるかもしれない。LiLiCoって世の中では“何でもズバズバ言う姐さん”みたいなイメージが先走っていますが、私が言うのは全部自虐ネタなんです。“いつものLiLiCo節で言ってね”みたいにキャラクターだけが先に歩いちゃって、悩んでいた時期もあるんですよ。純烈というファンがいっぱいいるグループの人と結婚して余計な気を使っちゃったり、ちゃんとしなきゃと自分を見失っちゃったり…。でも、今回ベッキーが本来のLiLiCoを引っ張り出してくれている感じがしますね」。

■『ウェイトレス』をデビュー作にして代表作にしたい

 今回の作品では地方を訪れることも楽しみだ。

 「日本を見たいというのが1つの夢なんです。映画コメンテーターってなかなか日本を旅する仕事じゃないですし、主人の話を聞いて楽しそうだなと思っていたので、本当に楽しみ! 各地のおいしい店も純烈のマネージャーに教えてもらってますから(笑)。いろいろな街の人の生活のリズムを見たいですね。ウケるところもきっと違うんだろうな。お客さんの歓声や笑い声がくるとノッちゃうじゃない。最高よね」。

 「50年生きてきてこんなに人の言うことを聞くのは初めて」というくらい、まっさらな気持ちで本作に臨んでいるLiLiCo。改めて、本作への思いを尋ねるとこう明かしてくれた。

 「私、32年間芸能生活をやってるんですけど、最初の22年間は全然売れなくて。そこから“『王様のブランチ』見てます”って言われるようになり、“J‐WAVEの『ALL GOOD FRIDAY』聴いてます”って言われるようになってきましたが、今度は“『ウェイトレス』のベッキーいいよね!”って言われるようになりたい。12の職業を持っているので、人生のキャリアの代表作って難しいのですが、この作品がデビュー作にして代表作になってくれればいいなと思っています。

 日本初演のメンバーに入れてもらえるなんて思ってなかったですけど、自分の事というより、この作品が今後も再演されていくようにしなくちゃいけないなと思っています。ほかのキャストでも見たいですもん! それくらい明るく元気をもらえて、人生ってそんな悪くないじゃん!って見た後にハッピーになって帰れる作品なので、皆さんもダイナーのお客さんになった気分で、隣のテーブルで騒いでる私たちの様子を楽しんでくれたらいいなと思ってます」。(取材・文:編集部)

 ミュージカル『ウェイトレス』は、3月9日〜30日東京・日生劇場にて上演。その後、4月4日〜11日福岡・博多座、4月15日〜19日大阪・梅田芸術劇場メインホール、4月29日〜5月2日愛知・御園座にて上演。

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