主演続く窪田正孝が抱く危機感「自由に動けるのは40、50代」

主演続く窪田正孝が抱く危機感「自由に動けるのは40、50代」

『東京喰種 トーキョーグール』続編で主人公・カネキを続投する窪田正孝 - (C) 2019「東京喰種【S】」製作委員会 (C) 石田スイ/集英社

 主演映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』が本日(7月19日)より公開される俳優・窪田正孝。4月期月9ドラマ「ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜」(フジテレビ系)や、2020年度前期放送のNHK連続テレビ小説「エール」で主演を務めるなど、30歳を迎え、充実一途の印象を受けるが「30代になりどうやって生き残るか真剣に考えるようになった」と俳優業に対して、よりストイックに取り組むようになったという。

 2017年に公開された、石田スイの人気漫画に基づく実写映画『東京喰種 トーキョーグール』は、原作ファンを中心に大きな反響を呼び、続編の製作が決定した。窪田は「続きを観たいという声をいただけるのはすごくありがたい」と笑顔を見せつつも「過去にもシリーズものに参加させていただいたことがありますが、惰性になってはいけないという危機感もありますし、自分の表現という意味では新しいものをやりたいという葛藤もあります」と続編の難しさに言及する。

 その意味では、本作では監督をはじめスタッフ、さらには対峙するキャストたちも変わり、作品に流れるイデオロギーは踏襲しつつも、まったく新しいものという印象を受ける。窪田自身も「(宿敵・月山習役の松田)翔太さんがものすごく新しい風を吹き込んでくれていますし、翔太さんが軸として動くと波紋が広がる。映像にも奥行きができたし、新しい表現ができている」と理想的な“続編”の在り方であることを強調する。

 本作をはじめ近年、その高い演技力が評価され、主演作が続いている。窪田は「作品に入るとき、自分は何ができるのか、何がしたいのか、監督に何を求められているのかを考えます」と語ると「同じ台本をもらっても、立場が違えば解釈も違ってくる。ですから、台本に書いてあることがすべて正解ではないという思いで、常に戦ってきたし、抗ってきました」と自身のスタンスを述べる。

 続けて窪田は「いつもマネージャーさんと話していますが、主役だけしかやらないような役者にはなりたくないんです。どんな作品だろうと、その役が面白いと思ったら飛び込みたい。その気持ちはずっと持ち続けていきたい。あと、自分は仕事に対してはMで、追い詰められた方が燃えるというのはあります」と力を込める。

 主演が続きながらも自身の立場に常に危機感を抱くのは、周囲に窪田をしっかりと見てくれる人がいるからなのかもしれない。「誰とは言えませんが、昔から自分のことを見てくれている人に『売れるのが早すぎたよ』と言われたんです。こうして、主役などをやらせていただける立場になるには、人生経験が足りないということなんです」と笑う。

 「人生経験が足りない」の真意を問うと「もともと人と接するのがあまり得意ではなく、密な人間関係を経験するとか、そういうものをしっかりと経験して今のように作品に出させてもらっているならいいのですが、それを飛ばして、メディアで取り上げてもらっているんですよね。今の立場に人間としての経験値が追いついていないという指摘。自分でも『そうだな』という自覚はあります」と語る。

 窪田自身、20代後半は無理して「人と接する」ことを行ってきたというが、30代に近づくにつれ、肩の力が抜けて行った。「例えば、以前は苦手な人に対して敢えてしゃべってみようという意志が働いていたのですが、今は小さいことを気にしなくなったのか、『なんでこの人のことを苦手なんだろう』と突き詰めてみようと自然に思えるようになったんです」

 「30代は、根本は変えずに戦い方を増やしつつ、誰もやったことがないことをやってみたい」という窪田。「もっと自由に動けるのは40、50代かもしれません」と未来に思いを馳せつつも、今を大切に“強く”フットワークを軽く突き進む姿は、さらなる飛躍を感じさせる。(取材・文:磯部正和)

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