『天気の子』大抜てきコンビ・醍醐虎汰朗&森七菜が見た未来

『天気の子』大抜てきコンビ・醍醐虎汰朗&森七菜が見た未来

『天気の子』で主人公とヒロインの声を担当した醍醐虎汰朗と森七菜

 国内累計興行収入250.3億円、海外でも150億円を超える大ヒットを記録した『君の名は。』の新海誠監督が贈る最新作『天気の子』。同作で約2,000人というオーディションを勝ち抜き、主人公・帆高とヒロイン・陽菜の声を担当したのが、若手俳優の醍醐虎汰朗と森七菜だ。声優初挑戦にして、大きな注目を浴びる作品に挑んだ醍醐と森。本作を経験した二人は、どんな現実に直面し、未来に夢を馳せたのだろうか。

 二人がこの取材に応じたのは映画の公開が間近に迫っていた時期。2018年12月13日に製作発表記者会見が行われ、大役を担うことが発表されてからの日々について醍醐は「この半年間は、素晴らしいキャストの方々やスタッフさんとお仕事をさせていただき、この上なく贅沢な時間でした」と振り返ると、この作品に携わることになってから、大げさではなく「帆高のことを考えなかった日は一日もなかった」と実感できるほど充実した時間だったと話した。

 一方の森は「製作発表記者会見があったときは、あと半年以上もあるんだと思っていた」というが、本インタビューの実施タイミングでは「あっという間でした」と目を見開いていた。アフレコなど初めての経験が多かった半年間だが「自分のなかでは、まだどう変わったか客観的には見ることができない」と正直に胸の内を明かす。それでも「最初は技術的な部分を学ぶことに精いっぱいだったのですが、だんだん時間が経ち慣れてくると、陽菜の気持ちを一番に考えられるようになってきました」と役に向き合う余裕が生まれたという。

 取材時、今作のプロモーション活動などもいよいよ活発化してきていた。二人を取り巻く環境も日に日に変化を見せてきていると思われたが、醍醐は「まだまったく実感がないです。映画はすごく注目されていると思いますが、僕はそれほど注目されていないような気がしています」と笑った。森も「『注目されているね』とか『いまから大変だよ』と声をかけてくださるのですが『そうなんだ』ってのんきな感じです」と互いにニュートラルな気分でいる様子だった。

 共に俳優業で経験を積んでいるが、森は「わたしは『3年A組−今から皆さんは、人質です−』など実写のお芝居でおとなしい子や虐められる子を演じることが多く、感情が入るとどうしでも声が小さくなっているなと感じていました。でも『天気の子』で陽菜という快活な女の子の役を声だけで演じるという経験をしたことによって、声量が大きくなり調整ができるようになった気がします」と芝居のプラスになった点について触れる。

 醍醐も、滑舌が良くなったことと、音を聞くことで、芝居をする際の強弱を感覚的に学ぶことができたという。「ニュートラルな芝居が求められるところは自然にしつつ、『ここだ!』という部分ではしっかり意識できるようになりたいです」と未来に思いを馳せると「これから作品に臨む際も、常に演じるキャラクターのことをずっと考え続けるような取り組み方をしてきたいです。その意味で、この作品は僕にとっての基準であり、大きな財産になりました」と語っていた。

 「オーディションのとき、声優さんのお仕事ってこんなに楽しいんだ」と感じ、どうしても役を勝ち取りたかったと語った森。ヒロインを射止め、濃密な時間を過ごすと、その気持ちはさらに強くなった。「『天気の子』をやらせていただき、思いは尽きないなと感じています。またいつか声のお仕事をしてみたい」と強い視線を向ける。森はこれまでも競争率の高いオーディションを勝ち抜いた経験があるが「審査員の人とは『もう二度と会わないんだから』という気持ちで、思っていることを全部ぶつけようという気持ちでいます。今回もそうでしたが、そういう思いをうまく新海監督に拾っていただけました」といたずらっぽく笑う。

 醍醐も「いつだって自分の想像とは違うほうに進むんですから」と笑みを浮かべると「芸能界に入った3年前、まさか新海監督の作品に携わっているなんて想像もできませんでした」としみじみ。だからこそ、先のことは考えず、目の前の事柄に全力投球する。

 「公開が楽しみです」と口をそろえていた醍醐と森。待ち受ける未来は想像ができないが、確実に“なにか”が変化するだろうことは感じているようだった。『天気の子』は公開され、初日からの3日間で興収16億円超えというヒットスタートを切った。今後、二人がどんな表情を見せるのか、楽しみでならない。(取材・文・撮影:磯部正和)

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